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ジオパークに ハマってしまった!       §9 最終回 第6回ジオパーク講座より   ☆彡 エンパワメントへ

 いよいよ「栗駒山麓ジオパーク講座」も最終講座になりました。これまでの5回の講座をふりかえりながらジオパークの意義・役割を確認する「まとめ」の講座です。
 講座の資料に加えて、いくつかの書籍なども参考にしながら、僕の思い込みもガチガチの内容ですが、おつきあいください。

▢ 講師:宮城学院女子大学 現代ビジネス学部 教授 宮原育子 先生
    (日本ジオパーク委員会副委員長)
     外 蔵王町ジオパーク推進アドバイザーや 各地のジオパーク認 
      定審査に加わっておられます。

◎    ジオパークが持つ「『観光資源』としての価値」 
 
 「コロナ」は、僕らに沢山のお土産を残していった。そのひとつに「観光」がある▼2019年は、訪日外国人観光客の数は過去最高(約3,110万人)。それが、2020年には過去最低となった。それが2023年には回復最近では『コロナ前を上回る』と言われるまでになった▼外国人観光客の数の回復は、数字が戻っただけではない。観光の志向性に変化をもたらした。すなわち、混雑した『人気の有名スポット』から『アウトドア・アクティビティ』への自然回帰ともいえる傾向だ▼人々の『自然への関心』は、屋外に出ることでの『人との距離』をきっかけとしたものだったが、ジオパークが目指す『自然(地球環境)への気づきと保護』&『資源の持続可能な開発』につながるものでもある▼ジオパークには、自然がある。ジオパークにはジオサイトがある。ジオパークには「ひと」がいる。ジオパークには頼もしい「ネットワーク」がある。それらは「自然についての知識」であり「自然に関するの情報」であり「自然とつきあうの智恵」である▼コロナは、ジオパークにっとて、まさに『好機』ともいえるタイミングをもたらしたのだ。「観光」というツールを活用して、「ジオの力」や「資源としての価値」、「抱えている問題・課題」への理解を促し、「一人ひとりの活動」につなげていくチャンスが、まさに「今」なのだ。

◎    ジオパークが目指すもの(パーパス)

 2023年9月現在、日本には46か所のジオパークがある(日本ジオパーク委員会認定)。その内、10か所はユネスコ世界ジオパークの認定も受けている。他に7か所が(日本ジオパーク委員会の)認定に向けて準備中だ。▼これらのジオパークが目指すのは、「ジオ(地球)について学ぶ」「ジオ(地球)を守りつつ楽しむ」を通して、「地球環境が抱える『課題』」を理解し、より多くの人々が「地域の中で」一人ひとりの「活動」を開始すること…であり、それが本来的な「地域振興」という価値を持つことに気づいてもらうことである。

◎    ジオパークと世界遺産の違い

 「世界遺産」という仕組みの目的は、世界各地に広がる「自然遺産」や「文化遺産」を、「制限」と「管理」によって保護することである▼これに対して「ジオパーク」は、「地学的な遺産」を「保護する(まもる)」と同時に、これからの地球のために、そこに暮らす人々の「文化」としての「『生活』そのもの」含めて「生きた資源」として「活用(開発)」していこうと考える。

◎    ジオパークの認定機関と協力機関

 ☆世界:ユネスコ世界ジオパーク(ユネスコ)
 ☆日本:文部科学省ユネスコ国内委員会  
     日本ジオパーク委員会
      ⇒後援府省庁:内閣府・外務省・文化庁・
           林野庁・経済産業省・国土交通省・
           観光庁・気象庁・環境省
      ⇒日本ジオパーク学術支援連合:
           日本地質学会・日本火山学会・
           日本地震学会・日本地理学会・
           日本第四紀学会・日本地形学連合・
           日本応用地質学会・
           日本断層学会
      ☆ジオパーク認定基準
      「ユネスコ世界ジオパークの運営指針」による活動が、認定・ 
      再認定の基準となっている。
      ※具体的項目は省略。後日、シリーズ化予定の「ジオパークっ 
       て 何者だあ」(仮題)に掲載予定。
…ここまで、ジオパーク講座資料中心(+一部持論含む)…

◎    持続可能な『開発』・ジオパークの『活動の理念』
        としての『エンパワメント』
       (僕の持論・勝手な妄想中心)

 ジオパークにおいての『開発』は、(表面上)「資源としての地質遺産・ジオサイト・(ジオを構成するものの一つとしての)自然やビューポイントなどを、より良い状態で維持し、観光資源として創造し活用し、育てていくこと」であると表現されている▼一方、ジオパーク運営指針の説明には、唐突に「エンパワメント」という言葉が出てくる(今回講座のタイトルにも…)。『エンパワメント』は、(生活をしていく上で)「困難や問題をかかえる人びと」が、「自らが持つ課題」に気づき、「自ら解決し乗り越えていく力を手にすること」ができるように「支援」していく手法のことである(福祉の世界では、かかり前から使われていた)▼ジオパークが「ジオガイドを養成」することの意義は、実は「地域そのもの」を(福祉の世界でいうところの)「支援の対象」に見立てた「地域支援」の入り口だったのだ。地域を動かすための「はじめの一歩」として「ジオガイドを養成」し、「ジオの危機」について、「地域そのもの」について、「それらの現在の様相」について(地域で暮らす人々に、ひいては地域そのものに)気づいてもらう。さらにジオサイトの発見や、ビュースポットの開拓、特産品開発などにより、「地域の価値」への気づきを促す▼地域起こしのポイントは、地域そのものが動き出すか否かにある。地域とは、たとえば「車」だ。「スターター」に「ジオガイド養成」が据えられているのだ。ジオパークは、スターターのカギを回す(ちょとふるいかあ、今は「ボタン」を押す?)。それでも、地域という車がなかなか動き出さない。この車の燃料は何か?運転者は誰か?エンジンは、どこにある?▼この車が動きだすとき、脱炭素でなければ「持続性」はない。エンジンが回りだしても、明日の地球が見えなければ理念がうまれない。つまり、どこに行けばよいのか分からない。ジオパークには「三つのキーワード」がある。「知る」「考える」「行動する」。どうやら、燃料はこの辺か?


 こんなことをいう僕は、どうやら、ねらい通り「釣りあげられてしまった」のだ!
 それにしても、釣る方は「もっと 若いやつ」「もっと でかいやつ」と、願っていたにちがいない。
 残念ながら、こっちの「でかい」のは「脂肪(あぶら)が のった 腹だけだ」
 
 それにしても、最後までおつきあいいただき、まことにありがとうございました。
 このさき、ぼくとおなじように 「釣りあげられてしまう人」が増えることをいのっております。
 次は、現地(栗駒山麓ジオパークorどこかのジオパーク)で お会いしましょう。


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