正しい見立てと処方

29年目にして、長年悩んできた持病の症状への対策に希望が見えてきた。

体の周期に合わせて体調が悪くなる。
排卵前後の体調不良とPMS。
PMSは、生理前の二週間が体調や身心に様々な影響を及ぼす。治るものではなく、閉経してから悪化する場合が多い。
私は排卵前後とPMS(PMDD)の両方があり、ここ二年程は低用量ピルで症状を緩和させながら様子を見ていた。

私の場合、PMSの主な症状としては、生理前の二週間に咳、くしゃみ、鼻水、喉の痛み、吐き気、頭痛、腹痛、発熱など。
10歳から発症していて、当時は風邪として扱われていた。当然、風邪ではないので小児科や内科で見立てられた薬が効かず、血液検査やCTなども撮ったが異変は見付からなかった。
毎月体調が悪くなる事に両親、特に父は苛立ち、怪しみ、心の弱さからくる精神的なものだと思っていた。

『実際に体調が悪くて悩んでいる、毎月二週間だけ体調悪いのはおかしい。風邪薬が効かないなら他に原因があるはずだから、大きな病院で調べて欲しい』
と言ってみたが、『何ともないのに大きい病院に連れていったら、周りの人間におかしくなったと思われるだろ!!』と、却下された。

中学に上がり、三年の時の担任の先生はとても親身になり話を聞いてくれて、一度両親に話をしに来てくれた。
『実際に体調悪いのは、本当だと思います。一度大きな病院で調べてあげられませんか?』と、とても優しい口調で気を遣いながら言って下さったが、『何も関係無い人間が家の事に口出しするな!』と父が怒鳴り、追い返す形になってしまった。
先生には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだったし、人に対してこんな態度を取る父が心底嫌だった。また、それをただ傍観する母にも不信感が生まれた。

それ以降、体調が悪くても両親に伝えるのを止め、ただただ体調の悪さに堪えながら過ごした。
21歳の頃、やっと…毎回生理が終わって二週間くらいすると体調が悪くなる事に気付き、当時付き合っていた彼の勧めもあって、緊張しながら初めて婦人科で診察してもらったら『PMSですね』とあっさり答えられ、力が抜けた。

当時は10人に一人は居る(今ではもっと多いとされている)病気だと説明され、『生理前にイライラしたり、眠くなったり、やたらとお腹が空くのもPMSです。人によって症状は異なります。
これは完治するものではなく長く付き合うものです。この先、妊娠を考えているならピルでの緩和ではなく、症状に合わせたお薬を処方します。』と、言うので私は辛い症状に合わせるやり方選んだ。




………普通の人ってこんなに体が軽いんだ…!

最初に薬が効いた時に出た言葉が、これだった。衝撃だった。常にあった体のダル重さが全く無く、どこにも不調が無い。肩凝りさえ無くなった。体が軽い!

普通に生きるってだけで、こんなに明るい気持ちになれるのか…!と、かなり驚いたし嬉しかった。

両親にも病気についての冊子を見せ、こういう病気があったんだよと話したが、父は納得してくれず、次の日には冊子を捨てられていた。この人達には何を言っても無駄だと分かった。

半年くらいして、薬が無くなった頃。
もう大丈夫なんじゃないかと薬をもらうのを止めてすぐ、40℃の熱が出た。
職場で動けなくなり、彼に頼んで病院に連れて行ってもらった。二週間程寝込み、何とか病み上がりで仕事をしたが、それからもちょくちょく体調が悪くなり休むことも増え、当然雇い主は良く思わず、仕事を辞めるように言われた。

婦人科の薬を飲むのが怖くなり、市販の薬で症状をごまかすようになった。

新しい仕事を探して病気を隠して働き、堪える毎日。大型スーパーで、ある部門に所属し、品出しと一番難しいとされていた商品の発注を任され、新人いびりもあり、毎日の体調不良に加え仕事の緊張、萎縮、当時は寝不足もあり体も心もぼろぼろだった。
何とか半年で売り上げを伸ばし、私の所属していた部門全員に賞与が与えられた。
お局様から言われたのは『調子に乗んなよ』だった。

限界も限界で、生きる道を絶つことを考え実行しようとしたら、普段絶対鳴らない呼び出しの連絡が来て実行せずに終わった。

亡くなったおじいちゃんが、まだ早いといってくれているように感じた。

それから親友に相談し、『しぬくらいなら仕事辞めて!!』と泣いてくれたので、勇気を出し辞めた。(両親が強く希望した大手企業なので、当初は辞めるに辞めれなかった)

それから仕事を三度変え、今は宅配の仕事をしている。
この職場は大きい会社の委託で、商品を積み込み担当地区を回り、戻って次の日の準備をし自分の仕事は完了。
日中は自分の車で回り、時間に追われる事もあるが一人で気楽に出来る。休んでもフォローし合えるし、それをお互い様だとしている職場なのでとてもありがたい。
病気の事も話し、お客様とのやり取りも楽しく、すごく良い環境に居られて良かったなと思える。

20代後半から、排卵前後も体調が悪くなり、頻繁に目眩も起こすようになった。それに加え、喉の不調も悪化するようになった。
扁桃腺が腫れ、膿も持つこともしばしば。
しかし、低用量ピルと扁桃炎の薬、解熱鎮痛剤は相性が悪く飲めないので、炎症を抑えるうがい薬等などしか使えない。

ここ二週間ずっと喉の調が悪く、何とか炎症を抑えていたのが、四日前に急激に悪化し、飲み込むのが痛くて辛い程に。合わせて体調も悪く何とか仕事をしていたが、配達が終わり次第帰らせてもらっていた。
…頑張りたいのに頑張れない悔しさから涙が出た。

二日前にピルの服用を止め、扁桃炎の薬と鎮痛剤を飲んでいたが全く効かずおかしいなと思い、耳鼻咽喉科に行って診てもらったら、扁桃炎とカビのせいだと言われて驚いた。

私の場合、周期に合わせて極端に免疫力や体力が落ちるようで、健康であれば問題無いはずの常用菌が悪さをして色んな症状が出るらしい。

PMSによる体調不良に、常用菌からくる扁桃炎、カビ(常用菌のカンジダ)が合わさって今回に至った。

そして、痛いのは喉だと伝えたが鼻の中も診て『ドライマウスがそれを助長してますが、ご自覚ありますか?寝てる時に口で呼吸なさってますよ』と、こちらの院長様が教えてくれた。目から鱗だった。

確かに朝起きると口の中が渇いている。口内環境のせいだと思い込んでいた。口呼吸している自覚が無かったので驚いた。

『僕もね、一緒なんです。マスクして寝ると良いことあると思いますよ♪』と、原因と対処の仕方も教えて下さり、本当にありがたかった。

これまで行った婦人科は三ヶ所、耳鼻咽喉科も違う所に行ったが、あまりにも対処が酷く行くのをやめた。患部をわざとぐりぐりして『痛いでしょ』と鼻で笑い、原因も自宅での対処法も言わない、薬も出さないような医者、二度とかかりたくない。

結局婦人科でも、色んな症状が出るし合わせたお薬は出せると言われたが、なぜここまで酷くなるかは考えてくれなかった。
同じ病院の違う医師はPMDD(より精神面の影響が強い)と診断し、『PMSと関係無い、ただの扁桃炎を騒ぐ患者』と診ていたからかもしれない。







正しい診断と正しい処方、対策
ここに辿り着くまで28年経過した。

市販の薬、漢方薬、体に良いとされる食べ物、飲み物、運動、体操、身体を暖めるなど色々試してきた。

やっと今、自分に合った対処法が見付かった。今までの事は無駄じゃなかった。知識や経験は他の人の役に立てるかもしれない。これまで堪えてきた痛みや苦しさから、ようやく解放される希望が見えてきた。

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