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「あれ?家の鍵かけたっけ?」は何故起こる?

家の鍵、かけ忘れたかと気になったことはありませんか?
年取ると、忘れることが多くなって、心配になること、ありますよね。
・・・でも、「家の鍵をかけたかどうか」は、若くても記憶にないことが多いんです。これには、科学的根拠があります。

  • 脳は不要と判断した情報は消去している

  • 意識していない情報は記憶に残りにくい

人間の脳は、日々、多くの情報を処理しています。記憶しておかないといけないこともたくさんあります。しかし、脳が処理できる量はある程度、決まっています。なので、必要ではない情報は、どんどん忘れていくようにできています。つまり、意図的に消去してくれているのです。家の鍵をかけるというのは、毎日の決まったルーティーン。そこに意識を向けずにやっています。また、家を出るときって、電車の時間が気になったり、暑いとか寒いとか、お天気等、他のことに気をとられていることも多いですよね。だから、記憶にも残らないし、もし残ったとしてもすぐ忘れてしまうようにできているんです。

覚えているかどうか(記憶)は、感情が動くかどうかに関係する

怖い、不安、驚く、嬉しい、楽しい・・・感情が動くとき、その時のことは記憶として脳にとどまります。なぜなら、恐怖も、楽しさも、生きていくために必要な情報と脳が判断するからです。
家の鍵をかけることは、毎日のことで感情が伴わないので、脳が覚えていないのが普通です。お薬を飲んだかどうか、等もそうですね。たとえば、指さし確認のように動作を使って意識を向けると記憶には残ります。ただ、指さし確認自体がルーティン化すると、また記憶には残りにくくなります。

対策はいろいろあると思います。
お薬の場合は、毎日ではないお薬は、日にちをかいてその数だけ袋にいれておくと、飲んだかどうか、飲み忘れたかはわかります。毎日の場合は、ご飯のあと、等に習慣化する、むしろルーティン化することで、定着するようです。
昔、旅行会社の電話受付で働いているとき、受け付けた旅行の「出発日とコース、旅行代金」を最後に必ず復唱するということをルーティン化していました。これによって、お客様から「違うコースに申し込まれた、料金が違う」と言われたときに、こちらが料金まで復唱することを徹底していると、「こちらは絶対に確認しています」と言い切れました。ルーティン化を徹底することで、「必ず鍵をかけている」と自分に自信が持てます。

もうひとつ、嬉しい、楽しい、驚いた、等の感情が伴うと記憶は残りますが、鍵をかけるときに、毎回、感情が動くことは難しいので、鍵をかけることまでを習慣化することがいいかと思います。

最近、感情が動くことはありましたか?

同時にいえることとして、毎日同じことだと脳に刺激がいかないけれど、感情が動くような刺激があると、記憶は残りやすい、すなわち、物忘れしにくいということになります。健康長寿を考えるとき、毎日規則正しい生活はとても大事です。規則正しいといっても厳格なものではなく、夜は眠くなったら寝て、朝は目覚めたらご飯を食べて、という自然な生活です。
毎日の中に、少しだけ、新しいこと、感情が動くことがあると、物忘れが少なく、いつまでも若々しくいられるということなのかもしれません。


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