生きてばっかり
君はなんで生きてますか。
私は一体なんのために生きてるのか、もうさっぱりわかりませんでした。今この国は夏で、一日じゅう部屋にいる私は昼間だってカーテンを閉め切ってエアコンの冷たさに浸されています。この風には、お金がかかっている。先月の電気代は八千と五百円。この代金のほどんどはこの風のせい。ポストに年金未払いの督促状も届きました。国保もすごく高くて、税金や食費、光熱費に水道代、携帯料金にWi-Fiの使用料、家賃、奨学金の返済と口座からみるみるお金が減っていきます。ほんとう、生きているだけでお金がかかりますね。
冷蔵庫には味噌と霜のぶ厚さくらいしかなくて、扉のパッキンの溝に生えた黒かびが白く冷たい箱の中で強い存在感を放っています。ろくな食料を買うお金も体力も頼りなく、空腹を過ぎた内臓の痛みに怯えて布団にうずくまる日々です。たまに空腹に耐えかねて出前を頼もうとしますが、腹の底にいる一匹の黒い虫が〈何にもなしていないのに飯を食うのはわがままだと思います〉と声を出して止めるのです。
ねえ、君はなんで生きていますか。これを書いて君に送ろうとしてる私は面倒な人間ですね。
これを書いている今も、活発だった頃の私を知っている人たちの顔がクルクル巡っては過ぎていきました。
呼吸するだけ迷惑かけて、私は
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