『違法の冷蔵庫』#ショートショート
数日間山で道に迷った俺は、一軒の家を見つけた。しかし誰もいない。変な紙が貼られた冷蔵庫が1つあるだけ。
『これは違法の冷蔵庫です。』
冷蔵庫を開けると、丁寧に包まれた肉の塊が何個も入っていた。
怪しいが…背に腹は代えられない。
俺はその肉を焼いて食べた。
「うまい!こんな旨い肉、食べた事無い!」
空腹だったため、ペロリと平らげてしまった。まだ食べたい…そう思い冷蔵庫を覗き込む。
ん?奥の方に、何かあるな。
ズルッ…
長い髪の毛の束だった。
貼り紙の文字を思い出す。
『これは違法の冷蔵庫です。』
違法って、何だ?
どうして冷蔵庫に髪の毛が?
オレハ何ノ肉ヲ食ベタ??
突然吐き気に襲われた。最悪の想像に冷や汗と動悸が止まらない。
「嘘だろ…!」
***
「…困惑している様子です。突入しますか?」
「ああ。想像力の勝利だな。何としても、犯人に盗まれた書類を取り返すんだ。」
「で、先輩。結局あれは何の肉なんすか。」
「最高機密だ。」
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