私の心療内科
高校時代、共に過ごした仲間であり友だちでありライバルである、🍊
アホっぽく見えて、言葉をよく知ってる
見た目は可愛いくせに、プレーはゴリゴリ
新入生合宿の時、3人だけ帯同したAチームで、自分のプレーに消沈してアンパイなプレーばかりでそれでもミスする私とは反対に、ミスを恐れずとにかく積極的にプレーする彼女を心の底から凄いと思った
それが第一印象
マイペースで、謎のこだわりがある
お金という価値を知っているのか?思うぐらい考えないでお金を使っているように見える
全く違うけど、どこか私と似てるところもある、そんな人だった
いつから仲良かったのかは覚えていないけど、高二になる春、遠征先と彼女の家が近かったため、泊まらせてもらったことがあった
彼女のおばあちゃんが作るパンは、私たちなかでは名物だった
そして、初めて行ったお家は、旅館のような、広くて落ち着いたそんな空間だった
おばあちゃんが作ってくれたご飯はどれも美味しくて、どこかのコース料理みたいだった
行きつけの焼肉屋さんに連れて行ってもらったときは、おばあちゃんが先にお金を払って行ってくれていた
定期的に大量のパンを送ってくれた
間違いなく、みんなが笑顔になった
そんな彼女の家に、私はもう5回以上行かせてもらった
おばあちゃんは孫12人の夕食を毎日作る
みーんな自分の家より先におばあちゃん家に帰ってくる
反抗期とか本当になくて、みんなおばあちゃんが大好き
おかげで滞在した数日間で、いとこみんなと対面した
みんな素直で、良い子
こんな家があったら帰りたくなるに決まってるよな、っていうそんなお家
おばあちゃんにパン作りを教えてもらったり、一緒に作ったりもした
材料にも大きなこだわりがあって、無添加、自然、身体によくておいしいもの、を拘る
それはご飯でも同じで、肉はお肉屋さん、卵は赤卵、野菜は菜園しているものか、八百屋さん
みたいな
なーんかとにかくすごいのだ
そんなおばあちゃんは、ひとり暮らしをする孫でも何でもない私にも、パンやジャムを送ってくれて、自信とか台風の時は、親よりも早く、「大丈夫ですか?」とLINEをしてくれる
誕生日にも何かを送ってくれる
私が家に行くと知った時は、パンを焼いて、ビーフシチューを作ってくれて、いーっつも歓迎してくれる
大学生になり、お家に行かせてもらった帰りには、「交通費」と言ってお小遣いまでくれる
ほんとうに自分のおばあちゃんかと錯覚してしまうぐらい良くしてもらっている
おばあちゃんちに入った瞬間から匂うあの匂いだけで、私の心は満足なぐらい癒される
昨日から今日にかけて、アウェイの試合帰りに、おばあちゃん家と彼女の家に行かせてもらった
彼女のお父さんは、日本料理屋さんをしている
お父さんの作る料理もまた、すごいのだ
名前も知らない、もちろん価値も想像できない、高級な魚の部位や、魚の料理を、自分の子どもでもない私に、是非食べてと言って作ってくれる
そんな人だ
1-9の敗戦をも忘れさせてくれる美味しい料理と、あたたかい家族団欒の食事は、私の心を洗い流してくれた
おばあちゃんは、私のためにケーキも買ってくれていて、しっかりいただいた
次の日、帰る前に3人で写真を撮ったら、よく来てくれたね、また来てねと、お小遣いをくれた
洗濯物も畳むまでしてくれて、布団も用意してくれて、駅まで送ってくれたお母さんは、「🍊がいなくてもいつでも来てね」と、笑顔で。
私は今、3時間半かけてひとり暮らしの家に帰る電車の中にいる
おばあちゃんにどうしたら返せるのかな
母の日にプレゼント?んー。ありがとうと連絡をすること?んー。
なんかどれもおばあちゃんは求めていないだろうな、そんなふうに思った
サッカーが大好きなおばあちゃん
おばあちゃんが見たいのは、私がサッカーで元気に楽しく活躍してるところなんだろうなって思った
おばあちゃん、いつもありがとう
ここに来るだけで、心が落ち着いて癒される
美味しいものを作ってくれるから?奢ってくれるから?お小遣いをくれるから?
そんなんじゃない。
私はそんなことがなくても、この家に帰りたいと強く思うし、この先行き詰まることがあったら、絶対に帰る。
幸せそうな人の幸せそうな顔と、そんな人たちが私にしてくれる、私のための行動が、私の心を確実に動かしている
素敵な人たちが創る空間は、そんな場所にならないわけがなかった
「対戦してるところ、おばあちゃんに観に来てもらおうね」
🍊と私はそんなLINEを最後に、電車に乗った
頑張れる理由なんて何でも良い
自分を支える理由なんて何でも良い
誰かのそんな理由になれる人って、1番価値のある人間だと思った
やっぱり、いつかは「自分のため」じゃなくて「誰かのため」になる夢を持てる自分になりたい
そう心から思った
裸でいれる第二の実家。そんな場所。
🍊いつもありがとね、お互い頑張ろうね、負けんけど。
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