【囁き×吸血鬼(女)】言えないよ…4


【囁き×女吸血鬼】
言えないよ…

〜〜〜本編〜〜〜

○彼の家の寝室
(事後のピロートーク)
【SE:布団の擦れる衣擦れの音】

はぁ…はぁ…少しは休ませて。

もう外も明るくなってしてるじゃない。

こらこら、足を絡ませないで動けない。
もうおっきな子どもみたいなんだから(笑)

どこにも行かない。約束するから…

君にはチャームもかからないし、
逃げても諦めずに追いかけてくるんだもん。
さすがの私も観念した。

…でもさ、不思議よね?
どうしてチャームが効かないのかしら?

(不思議そうに彼の顔を見ながら)
そんな人間なんて初めてなんだけど…

…血は人間の味そのものだから、
同じ吸血鬼ナーンて事は有り得ないのよね。

でも、なんて言うのかな?
こう清々(すがすが)しいというか…清(きよ)らかというか…
何百年も生きて来た私が出会ったことのない味。

何?首なんか差し出して…

いらないわよ。
さっきたくさん吸ったんだから
これ以上、吸ったら貧血になっちゃうでしょ。

えぇー「魔法が効かないのは僕の愛が本物だからです」?
流石にそれは…
(少し悩んで)無くはないのかなぁ(苦笑)

(割とさっぱりした感じで)
まっ!君には効かないって分かったからそれでいいよ。
私、無駄なことは嫌いなの、もう君にチャームはかけない。

そのうち理由(わけ)もわかるでしょ。
それが分かるまではここに居ることきーめた。

その変わりと言ってなんだけどさ、ちゃんとご飯は食べさせてよね。

そっ!私のご飯は君の血液。
栄養のあるものを食べていっぱい美味しい血を作ってね。

そうじゃなきゃ君の大好きな私が飢えちゃうんだから。

(頭をなでなでして)
よしよし、わかればいい。

あっ!ここにいて欲しいならひとつ言っておかなくちゃ!

私、昼間は黒猫の姿になるんだけど…
ここってペット可?

ほっ…なら居ても大丈夫ね。
じゃあ昼間は黒猫でここで君の帰りを待つ事にするわ。

なんで黒猫かって?
ヴァンパイアって昼間はほとんど寝てるのよ。
その時に一番楽なのが猫。
猫なら誰もきにとめないし、住む場所にも困らないから。

他にも理由はあるけどそれはそのうち教えてあ・げ・る。

【SE:軽いリップ音】

少し寝よ…
ほぉらぁ…ギュッてして…

(少し間をとって)

【SE:猫の鳴き声】
(彼が帰ってきて黒猫を撫でまくる)
(それに合わせて鈴の音か猫の鳴き声を入れて下さい)
(それで彼女が猫である事を音声で表現してリスナーに伝える事が出来ると思います)

(猫から人間の姿になる)
【SE:チャームをかけた時と同じ音】

(背伸びをしながら)
うーーっん。
はぁ、おかえり…
っていつも言うけどね。
黒猫の時にあんなに撫でくりまわしたしモフモフするのは止めて。

「可愛すぎるから仕方ない」?

じゃあ…
(耳元で囁く)
この人間の姿の私は可愛くないの?
ねぇ…この姿よりも、猫の私の方が好きって事?

だーめ逃げないで答えなさい。
その答えによっては…今夜は寝かせてあげない。

ふふっ…それでいいのよ。

お腹すいちゃった…
いい?食べても?

いただきーす。

(吸血開始)

今回は無言でOKです
思う存分吸って下さい

(吸血終了)

はぁごちそうさま。
いつもより濃厚で美味しかった。

こらこら、後ろから抱きつかないで…
ここから先はシャワーが終わってからでしょ。

ふっ…(笑)もう駄々っ子みたいな事言わないの…

また匂いを嗅ぐ…
さっきモフモフいっぱいしたくせに。

あん…そんなこと噛まないでよ…
君はヴァンパイアじゃないでしょ。

やめて…離して…
くすぐったいってば…

もうそんなことばっかりするなら後でお仕置するよ!

あぁーダメだ…
君にとってはご褒美にしかならないんだった。

君は私がいじめても何をしても喜ぶんだもの。
まぁ私も嫌いじゃないけどね…

…な、何よ。
ば、ばか…
そんな事、簡単に言えるわけないでしょ。

私は人間じゃないのよ?
ヴァンパイア…人の血を吸って生きてるの。
そんな私が人間に好きなんて…

(くるっと体勢を変えて彼をハグする)

(優しく囁く)
分かってるよ。
君の気持ち…
私を好きで好きで堪らないんだって気持ちはちゃんと伝わってる。

それでもさ、人間とヴァンパイアじゃ生きてる時間の長さが違うんだ。
どんなに頑張っても人間の方が先に天国へ行っちゃう。

私が本気で好きになっても…愛しても…
いつかは私を置いていなくなっちゃう…

だから私は人間を本気で愛さないって決めてるの。
そんな悲しい思いをするくらいなひとりでいた方がいいってね…

だから、ごめんね。
その言葉だけは言えない…

「大好きだよ」なんて…

𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭

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