あなたはひとりじゃないということ。

 ※暗い話や真面目な話も入るので、精神的にお疲れの時や、暗い話題に引っ張られやすい方はご注意ください。

時々、いや、多くの時間を僕は考えることに費やしているように思う。友達と会った時の一言目や晩御飯の内容のような他愛のないものから、自分を悩ませている様々なことについて。とりわけ、性別について考えていることが多いかもしれない。僕は日頃、自分をFtMではなく男として認識して生きている。正式な書類に書かれた性別欄を見て、「ん? なんか間違ってないか? 」と一瞬思って、その後であぁ、そうだった。と自分の現状を思い出す。悪意ない家族や友人から引き戻されることもある。何かと「○○な女」「娘」とか、そんなワードを聞いては、その内容を伝えるのに性別の要素入らなかったんじゃないかと、考えてしまう。
そうだ、少しだけ僕と僕の家族と、僕を悩ませている問題について話させて欲しい。これは僕の家族に関わらず、一般の認識なのかもしれないが、トランスジェンダーは自分の生まれた時の性では無い性に"なりたい"人として認知されているようにカミングアウトをした時に感じた。でも、正確には僕はそうは思わなかった。元々僕は男であり、それ以外の何物でもない。けれど、身体や、書類はその性を指していないから、日々の生活に苦痛を感じる。なりたいのではなくて、なおしたいという言葉が僕にとってはしっくりきた。この勘違いに何度も苦しめられた。家族との根本的な認識の相違が様々なところで溝となったからだ。カミングアウトするときには、相手に元々ある知識に頼ってはいけないなぁと今は思っている。「僕はトランスジェンダーである」と話すのは確かに早いし、大体の人はなんとなくその単語を認識している。けれど、そう伝えることでこのような問題に発展してしまった。これは僕の失敗だ。そして、性同一性障害と言うより、性の多様性のひとつとして考えられていると治療に関して相談した時、「そこまでする必要がないのでは無いか。」「今のままでも」と言われてしまった。もちろん、治療を望まない人もいる。それもまた生き方だと思う。けれど、あくまで僕は「自分の身体」への嫌悪、違和感がとても強い人間で、それによって何度も自殺が頭をよぎった。でも、棺桶に可哀想な女子高生として入りたくないというそれだけの思いを持って乗り越えてきた。自分の体を自分の体と思えなくて気持ち悪くて仕方がなく自傷行為をしてしまった過去もある。だから治療が必要だと感じているのだ。けれど、僕の家族からしてみればそんなことを相談したことは無かったので、「今の時代は理解があるから、そこまでしなくてもあなたは認めてもらえる」という考えになるのは当然なのかもしれない。ずっと苦しんできた声や胸や骨格、性器、少しでも苦痛を減らしたいと思う前向きな選択は家族にとっては止めに入りたいものだった。「せっかく健康に生まれたのだから」「失敗したら?」「もし気が変わったら?」きっと僕を心から想い、心配しているのだろう。けれど言いたい。今の僕はどこも健康ではなくて、真っ暗闇の中をもがき続けて、日々の小さな光にしがみついているんだと。一刻も早く元の性別に戻りたいと思う自分と、生き急いでいると宥める周り。生き急ぎたい訳では無いんだ、けれど、止まったら僕は本当に死んでしまうような気がしているから、止まれないのだと思う。僕ははっきりいって世間一般に言われがちな男らしい方では無い。けれど、そうなりたいとも思っていない。だからといって僕が女の子らしいかと言われればそれもまた違うと思うが。そんな姿勢も周りを困惑させるのかもしれないなぁと思う。自分の体が男であり、事情を知らない人からも男として認識されて生きることができるならそれで良いのだ。むしろ、そうなりたい。

これはあくまで僕の場合です。同じFtMであろうと他の人は必ずしも同じことを思っていないでしょう。もし、あなたの周りにFtMの人がいてこのページを見つけたのだとしたら、僕の話を踏まえて気を遣うのではなく、ぜひ「その人だったらどう思うか」を考えてほしいです。これは別にこの話に限らず、僕も気をつけなくては行けませんね笑そして、この文は僕の、家族に対する反抗期です。あまりにも自分勝手で、他責思考。僕にも反省すべき点は山ほどありますし、書いてはいませんが、家族にはこんな不満よりも感謝したいところが沢山あります。恵まれてるとか恵まれてないとかそういった話しはしたくないのでしませんが、少なくとも僕は家族に感謝すべき人間です。けれど、僕と近い、親との認識のズレに悩むような境遇にある人が、「ひとりでは無い」と気づくきっかけになってほしいと思って、メモ帳に昔書き留めていたものをまとめ直し、写しました。この僕の話はハッピーエンドに向かわせます。いづれ自分の生きやすい人生を作ります。これを読んだあなたも諦めないでほしいなぁ、なんて勝手に思ってしまいます、ではまた。

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