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世界のロケットの研究開発と日本の研究開発動向

Rocket development in the world is developing remarkably. Private companies have also successfully launched manned rockets.This section introduces research and development of rockets in the world and research and development trends in Japan.
Key words:Rocket, NASA, JAXA, SpaceX, Turbo pump, Gus tubine

■ロケットエンジンとそのシステム


近年、ロケット技術の高まりは著しく発展をしている。現在では、NASAなどの官営の組織だけでなく、民間企業による有人宇宙飛行も可能となってきた。

2020年5月には、アメリカのスペースX社が、民間企業として初めて有人宇宙飛行を成功させた。

また、スペースX社では、ロケットは一回きりの使用であるが、打ち上げたロケットの再使用にも民間で初めて成功している。

ロケットエンジンは、タービンの駆動により、燃焼剤を供給するポンプを高速回転させる。この高速回転するポンプをターボポンプと呼び、この駆動のタービンの二つがロケットエンジンのメインシステムとなっている。

■スペースX社の再利用ロケット

スペースX社のロケットのエンジンでは、タービンの駆動に用いた燃焼ガスを再利用しないようになっている。

このメリットは、ポンプに求められる吐出圧力を下げることができる。
これに伴ってターボポンプの入口圧力の低下を防いでいるようである。



■日本のH-ⅡAロケット

一方、日本の基幹ロケットであるH-IIAのエ ンジンLE-7Aでは、タービンの駆動に用いた燃料を再利用する二段燃焼サイクルが採用されている。

これに伴ってポンプの入口で低圧になる。液体燃料で低圧になることによる問題は、液体が気体に気化する現象である。これをキャビテーションと呼び、キャビテーションの発生が避けられない。

このため、日本のロケットではキャビテーションが発生した状態でも安定して動作する高性能なターボポンプが開発されており、運用されている。


■日本の新型ロケット H-III

これと並行して、 日本の次期基幹ロケットH-IIIのエンジンLE-9 の開発がJAXA、三菱重工、IHIなどを中心に鋭意進められている。 これは、H-IIAの約1.5倍の重量の衛星(6~7トン) を静止軌道に打ち上げる能力を有する。
また、打ち上げコストがH-IIAの半額の約50億円となる。


■日本の民間企業のロケット

このような大型ロケットのほかにも、日本では民間のインターステラテクノロジズ社が小型ロケットの開発を行っている。

また2021年9月には、自動車メーカ大手のホンダも小型ロケ ットの開発に参入することを表明した。

■筆者の意見

このようにロケット開発が盛んになってきた 現況を踏まえて、 最先端の技術が採用されているロケット、及びターボ機械は、さらなる発展が求められている。

これまでは、JAXA、NASAなど限られた組織しか携わらなかった宇宙の分野であるが、今や民間企業も挑戦している。

これまでの課題は、ライバルが少なく、切磋琢磨できず技術発展も緩やかであった。しかしながら、ライバル企業が増えることで、時には、競合、時には、協力して切磋琢磨し、宇宙開拓新時代になることを期待している。

■参考資料:ターボ機械7月号

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