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#1 宙

 半球の空の下で
 僕らは点滅する光を見つめている
 何光年もの旅路の間
 この星は何か変わっただろうか
 
 僕らの瞳が映す煌めきは
 今はもうないかもしれない
 いつかの輝き
 燃え尽きて 欠片となって
 この星に降り注ぐ
 僕らはそれを望んでいる
  
 太陽は昇る
 白くて明るい光は
 僕らの体を満たしていく
 朝日はちゃんと浴びなさい
 小さい頃に言われた言葉
 大きくなってようやくわかる
 
 深い夜に溶け込んだら
 あの丘の上で待ち合わせしよう
 僕らはきっとまだ歩ける
 乳白色の甘い河まで泳ぎに行こう
 
 白鳥に乗って行く先は
 数多の星団、銀河の果て
 君と一緒ならどこまでも
 夢が終わるまでいつまでも
 
 記憶となって埋まるまで
 僕は君の隣にいる
 夜をみよう
 星をみよう
 月をみよう
 
 ちっぽけな僕らは
 過去の光を浴びて
 静かに息をしながら
 欠片が降り注ぐ
 その瞬間を待っている

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