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よわむし

 昨日のあれはなんだったんだろう??

 朝、1時間目の授業。
 「今日は暑いね?」と言うと、盛り上げ科の少年たちが、「暑い、暑い」と、口々に言っている。
 「先生、まだエアコン入らないんですか?」と言うので、「エアコンは事務室で一括管理らしいよ?」と答えて、「じゃあ、上の方の窓も開けようか。」と、廊下からモップの骨組みを持ってきて上の方の窓を開けていくと、少し涼しくなった。
 生徒の一人が、「そのモップの柄で、あれをちょっと押してくれませんか😊?」と言う。「ん?どれ?」「あれ、あのボタンをちょっと!」と指さすのは、エアコンの本体についているスイッチ。「えー、押したらホントにつくの??」と聞くと、みんなが「つきますよ。ちょっと・・。」と、ジェスチャーまでつけてそそのかしてくる。
 ちょっと考えて、「ほんとに暑くて熱中症になりそうなら、つけてみようか……。ほんとに押してもいい??」と本気で聞くと、「や、止めときましょう、ストップ、ストップ。」と言うので、それほどでもないのかなと、止めておいた。
 生徒は暑い暑いといいながらも、日頃実習に部活に、よく鍛えられているので、けっこう平気。
 どちらかというと、わたしのほうが・・・、と思いながら気温計を見ると、26度と出ていて、なあんだ、26度ぐらいか、と、反省した。

 2時間目は、フレンドリー科で授業。だんだん暑さに慣れてきて、それほどでもないように感じてくる。
 1時間空いて、4時間目は、マイペース科。マイペース科の人たちは面倒くさがり屋なのか、暑さを感じにくい人たちなのか、あまり窓も開けずに暢気に座っているので、教室が暑い。
 あちこち開けて回って、小さなサーキュレーターもつけてあげると、近くの少年たちが風に前髪を吹かれながら、「涼しい~😊😊」と喜ぶから、こちらもちょっとうれしくなった。

 5時間目は空き時間だけど、提出物の感想欄を読みながら、スタンプを押した。少しずつ生徒が分かってきて、短い一言でも楽しいな、さあ、閻魔帳に「提出物出しました」の◯をつけていこうと、提出物のプリントをめくりつつ、ボールペンで書いていこうとするのだけど、あれ?元気が出ない。

 そこではじめて、頭痛の前兆を感じた。

 とはいえ、それほどでもなかったので、最後までやりきって、チャイムが鳴って、勤務時間が終わって、車を運転して家に向かった。
 家に帰って、薬を飲んでしばらく休もうと思って、大きなビーズクッションにもたれて、お腹にパソコンを載せて、noteを読んでいた。いつもなら、だんだん回復してくるはずなのに、あれれ?だんだん頭がもっと痛くなってくるし、頭だけではなくて、なんだかおかしい。
 これはいけない、このまま動けなくなったら、夕ご飯がない、と思って、がんばって買い物に行って、料理できなくてもいいように、家族のお弁当などを買ってきた。お店の中を歩いている間はそれほどでもなかったのに、再び家に帰ってきたら、頭痛がいつもの3倍くらいになっていて、頭だけでなくやっぱりなんだかおかしい。
 ある角度に頭を傾けて、うつ伏せになっていると頭痛が少しだけやわらいで耐えやすいから、ビーズクッションに右の額をくっつけて、ヨガで言うチャイルドポーズのような姿勢で、ひたすらじっと耐えていた。
 そのうち、とある女子中学生が帰ってきて、わたしのおかしなポーズを見て笑っているけど、「……食べたくなったら、そのお弁当食べてね……」しか言えない。

 ひたすら耐えること2時間……

 夜になって、とある予備校生が帰ってきて、わたしのおかしなポーズを見て、とある女子中学生に、「お母さん、どうしたん。」と訊いているが、とある女子中学生が答えないのでわたしに、「なんでそんな変な形で寝とるん?」と訊いてくるが、「ぁぁ……」ぐらいにしか返事が出来ない。
 でも、お風呂を入れないと誰も入れなさそうなので、黙ったままふらふら立ち上がると、ほんとにふらふらしていて耐えがたいが、根性でお風呂を入れた。
 また、同じ変な形に戻って耐えていると、とある予備校生がとある女子中学生に、「救急車呼んだほうがいいかね~??」とか、極端なことを言い出した。救急車を呼ばれるわけには行かないので、そのままの姿勢で「ゃ、ぃぃ……」と、言うと、「え?!なんて?!呼ぶ?!」と言うから、「ぃゃ」と言うと聞こえたらしく、自分の部屋へ消えていった。
 救急車は呼んでくれなくていいから、家事を代わって欲しい……。

 ひたすら耐えること3時間……

 夜11時前になって、頭痛が、額のところだけに収斂してきたから、やっと、起き上がって居間を見たら、あー……な、状態。ちょっとだけ家事をして、布団を敷いて寝た。とある女子中学生は、自分の布団を敷くのと、蚊帳を吊るのだけはやってくれた。

 ひたすら眠ること7時間……

 いつものように朝起きて、学校に行った。
 1時間目は、フレンドリー科。今日も暑い。
 授業開始後20分、突然、エアコンの吹き出し口が開いて、少年たちの顔が、「!」。大歓声。
 本当はわたしが一番喜んでたかも知れない。


 これって、熱中症でしょうか??
 


 とにかく、今度具合が悪くなったときのために、わたしが動けないときは、誰がどの家事を代わりにやるか、分担表を作って貼っておこう、と思う。

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