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[note企画] 『春とギター』 作曲ちよさん作詞ららさんによる「鼓舞」から① 「超短編 ちきゅんの地球活動記録-破壊と再生-」

ttps://note.com/chiyo_bb/n/n7924dbb7cb06

 ちきゅんは、宇宙に住む、地球色の宇宙人。しかし、宇宙人と言いながら地球について興味があり、地震のメカニズムを研究中。今年はどうも、太陽系の天体たちの様子がおかしい。太陽フレアが多発、プレート同士が歪みをため合い、どこかで大きな地震が起こる、ということが度々起きている。ちきゅんは、モニターを見ながら
「危ない!」
と言うと、世界地図と日本地図に赤いペンで印をつけ始めた。能登、台湾、豊後水道…今数えただけでも、恐ろしい。ちきゅんは、ぞわぞわくる恐怖に耐えていた。
「ひょえ~…」
泣きそうになりながら、ちきゅんは研究室を行ったり来たりする。どんどんそのスピードが早くなり、超特急くらいになっていく。そして、落ち着いた。
「あ~、怖かった…」
ちきゅんは、研究室の床にしゃがみ込んだ。そこへ博士が入ってきた。博士もメガネをして、白衣を着た地球色の宇宙人。
「ちきゅん、よく耐えたな」
博士が言った。
「がんばりました!」
ちきゅんは博士に言った。ちきゅんは、博士と一緒にモニターで地球の内部のマグマの様子など、地震活動に関する情報を集めた。
「フォッサマグナも危ないです!」
「東日本大震災があった辺りも、危ないな」
「茨城辺りも」 
日本だけでなく、世界も危ない。南海トラフ地震やそれ以上の地震が起こるという予想が出ているくらいだ。
「備えておけば、何とかなる」
「そうですね!!博士」
ちきゅんは、
「自然災害が起こりそうな地域は…」
博士は調べ始め、モニターとにらめっこ。
「富士、噴火」
「集中豪雨」
博士とちきゅんは顔を見合わせて
「ギャー!!」
と震え上がっていた。研究室で2人、震え上がって、身動きも取れない状態でいた。その後、博士はまたモニターに向かい、研究を続けた。
 次の日も、2人はモニターの前で考え込んでいた。
「2024年から2025年にかけて、災害が頻繁に起こりそうですね!」
「そうなんじゃよ。ちきゅん、対策を今からしといてくれ!」
「はい!」
「皆既日食直後が危ないです!」
「そうだな。月と地球と太陽が一直線に並ぶから、その後に何かが起こりやすいんだ」
「防災ボトルを常備しましょう!」
「それだ、賛成」
博士は、モニターとにらめっこしながらも、ちきゅんの話を聞いていた。
「仕方ない、防災ボトル講座だ」
ちきゅんと博士の防災ボトル講座が始まった。
「防災ボトルは、プラスチックの水筒を使います。その中に、糖分、ホイッスル、圧縮タオル(タブレット型)、…」
「それらをボトルの中に入れてください」
「これで、防災ボトル完成です!」
ちきゅんと博士は、これからも災害研究を続けていく。


                (終わり)

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