見出し画像

もしかして君は昨日の子?

日本にいるカラスは
大きく分けて2種類いる。

ハシボソガラスとハシブトガラスだ。

くちばしが細いのがハシボソで
太いのがハシブト。


私が好きなのは
焼きたてのたこ焼きのよう(?)
頭頂部がこんもりとしている
ハシブトガラスの方。




数年前、散歩をしていると
目線の高さほどのフェンスに
ハシブトガラスがとまっていた。

警戒心が強いから横を通り過ぎるときには
どこかへ行ってしまうだろうなぁ、
残念だなぁと思いつつ
そろりそろりと近づいたが、逃げない。

周囲に人がいないのを確認して思わず、
かわいいね、なにしてるの?とかなんとか
話しかけつつ歩いた。

キョトンとした顔でこちらを見たその子は
「何言ってんの?」と言うふうに小首を傾げ、私が通り過ぎるまでこちらを見ていた。





その翌日の散歩後
マンションの階段を上り終えるタイミングで
ふと顔を上げると、カラスがいた。

私が好きなハシブトガラスだ。


風で頭の羽がなびいてるのがかわいい




なぜこんなところに?
私とカラス、数メートル程の距離しかない。

すぐに逃げてしまうだろうなと思いつつ
部屋に入るためには
彼の前を通らなければならないため
そろりそろりと近づくが、逃げない。




あ、もしかして君は昨日の子?

「そうだよ。」
…と言ったとか言わなかったとか





こんなに近くでカラスを見たことはなかった。



ちょっと写真撮らせてね、
何もしないからね、と呟きつつ
写真を撮らせてもらった



「うん、どうぞ」



警戒心の薄さから
たぶん彼は巣立って間もない
子供のカラスだったんだろうと思う。

これ以降(以前もだが)
この場所にカラスがとまっていたことはない。





野鳥が好きなので
できれば至近距離で
まじまじとその可愛らしい姿を
見つめていたいと毎日のように思うが

警戒心が強いので
少しでも距離が近くなると即座に逃げてしまう。

あーあ、と残念な気持ちになるけど
それでいいのだ、と思う。



あのハシブトガラスの彼も
ちゃんと「人間は危ない」と学び
この世界を逞しく生き抜いていてくれたらいいな。

人間にもいろいろな種類の者がいるからね。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?