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「そなたは美しい」

金曜ロードショーで
20年以上ぶりに『もののけ姫』を観た。

・なんか怖い雰囲気の物語
・シシガミ様の顔ちょっと気持ち悪い
・コダマとヤックルかわいい
・自然破壊ダメ

この程度のぼんやりした
感想しか持っておらず、
大人になってもあえて
観返そうとはしなかったこの作品。
久々に視聴した感想としては


開口一番「そなたは美しい」って、
アシタカよ……
ほんで村の娘がくれた宝を
軽々と一目惚れしたサンに渡しちゃって
ほんとこら!そう言うとこやぞ!(?)
以上!


ってくらいアシタカへの
印象が変わった視聴となりました。
(SNS漁ってたら同じように感じた人
たくさんいたみたいでおかしかった)


子供の頃は
「責任感が強く、勇気と誇りをもって
立ち向かうかっこいいお兄さん」
だったはずなのに。

ああそうか、
君もちゃんと年相応の男の子だったんだね…と。

これからはアシタカ様あらため、
アシタカくんと呼ばせていただきたい。


どこに着眼するかで物語がかわるし
着眼するポイントは
その時々で変わるものなんですね。


アシタカくんの印象が
180度変わってしまったショックを抜きにすると、

人間がおろかで幼稚すぎて
これ以上恥ずかしいことをしてくれるな
という思いになった。


シシガミ様の首がおとされ
首なしディダラボッチとなり
たくさんの命を奪いながら
自分の首をさがしまわるシーンは
あまりにむごく心が痛んだし、

人間から何かしらの
罠をしかけられてることなんざお見通しで
それでも正々堂々と立ち向かうことこそ
自分たちの誇りなんだと
猪たちが突進していくシーンでは

人間に彼らのような誇りは
あるんだろうかと考えてしまった。



動物たちは馬鹿なんじゃない
人間のずるさを本当は見抜いてて
その上で大切なことを貫いてる。
それを本能とも呼ぶのかもしれないけど…

自分たちより知恵が至らないものたちを
欺いて世界を欲しいままにするための
「頭の良さ」はなんてくだらないものなのか
なんて思ったり。



少し前に某SNSで出まわった動画のなかで
宮崎駿さんがドワンゴの会長さんに向けて発した

「生命に対して侮辱を感じる」
「どこへ辿り着きたいんですか」

と言う問いかけが
何十年も前の作品である
もののけ姫にも込められていたような気がして

メッセージの一貫性に
あらためて全作品観返したい気持ちになったし

たぶん新作にもそのメッセージは込められているんだろうなと思うので早く観たいです。

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