短歌まとめ 2023年1月
ツイッター(@Kiboshi_S)で詠んでいた短歌のまとめ
2022年9月~12月ぶん。
若干の推敲修正をしています。
2022年 12月 残り
吹きすさぶ雨と嵐の叫び声 聖夜の夜景の亡者の悲鳴(12/25)
あかぎれがしみる師走の氷水 かつての母の手を思い出す(12/29)
反射した昏い画面にある過去にコールしたくて 電源を切る(12/29)
大掃除窓辺を行き来するたびひと息休む 庭の山茶花(12/29)
姿なき弦月晦日の夜空の向こうに照り歳星も眠る(12/30)
2023年 1月
あみの上で炭化しているやきもちの 胸を焦がして苦くてつらい(1/2)
幸せにと祈りながら恨み言 涙はきっと風が強いから(1/2)
氷海の磯もとどろに寄する波 月の呑まれて声も聞こえじ(1/2)
うたた寝の供の湯たんぽ ここだけは春のひだまり寒風遠し(1/3)
曇天で凍みる北風吹く暗がりに ひなたのように咲く福寿草(1/7)
目を凝らし宇宙(そら)にはぐれた星探し 光らず見えず声も上げぬ者(1/9)
新春にひらひら踊る雪片に シャル・ウィ・ダンス?と差し出す右手(1/10)
満開の花の香りの君の髪の濡羽色の雫滴る(1/12)
照明の落ちて冷え込む部屋に射す雨音交じりのテールランプ(1/13)
着飾って赤い振袖着た乙女椿慎み深く咲く庭(1/14)
苦しみを紛らわせたくて放り込むチョコひとかけの甘さが痛い(1/15)
ぐるぐると渦巻く思考カチコチのアンモナイトの殻の渦巻き(1/16)
君いれば進めば二つ勇気づくなのにどうしてその手は赤い(1/17)
爪先に触れたかさぶた剥がれ落ち ちくっと赤く流れて痛い(1/19)
薄明に凍るまあるい白い灯の並んだ道の向こうは見えず(1/19)
向かい風カラカラ転ぶ枯れ落ち葉の向こうに咲く南天赤し(1/19)
共鳴すバブルリングを吸い込んで 孤独に鳴いた片羽根の鳥(1/21)
濡れ烏(がらす)の羽根纏った月曜の夜を煮詰めた朔夜の雫(1/23)
雪積もる記憶の糸を巻き戻し愛も目覚める春を呼びたい(1/23)
まごころを凍る涙にとじこめて吹雪に乗せてあなたにあげたい(1/25)
錆びついたブリキのからだに火をともし人に差し出す心無き者(1/25)
苦しみを蝶に転化し火をつけてのたうつように舞い踊る地獄(1/25)
悲しみをろ過して澄んだたましいに火をつけて気化したのがよろこび(1/25)
五時過ぎて寒波に白む薄明にようよう気付く春の訪れ(1/28)
ゴーフルを割った半月寒空にかざし凍月に重ねてみる(1/29)
半分に割れてなくしたわが心空に浮かべて 「探してください」(1/29)
ねえちょっと、だれがたべたのお月さま わたしのぶんものこしておいてよ(1/29)
これが好き 君にもらった紅玉を なめてころがし啜ってキスする(1/29)
ムスカリを月の器に生けてみて そばに星2個そっと添えてみて(1/30)
後記
今月以降、目標が「なるべく毎日短歌を詠む」だった。
ほぼ完遂できてまず満足している。
寒いせいかくらい詩が多い印象。温かくなったらもう少しましになるだろうか?
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