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【長編】二次会、焼肉、五反田

第一章

私は松本美玖(まつもとみく)。
五反田にある焼肉屋「焼肉界人」でアルバイトをしている。

将来はジャーナリストになりたいという夢を持っている。
しかし、就職活動はなかなかうまくいかず、焦りと不安を感じている。

ある金曜日の夜、美玖は店のカウンターで注文を受けていた。
この日はたまたまシフトに入っていたが、金曜日は忙しいのであまりシフトを入れてなかった。

キッチンにおびただしい量の注文内容を伝えているときに
入口から入ってきた男性に目が釘付けになった。

彼はスーツ姿で背が高く、顔立ちが整っていた。
イケメンだと思った美玖は、思わず見とれてしまった。

彼はカウンターの隅の席に座り、メニューを見ながら
何かを考えているようだった。

美玖は彼に話しかけたかったが、勇気が出なかった。
彼は何者なのだろうと思いながら、彼の注文を待った。

やがて彼はメニューを閉じて、美玖に向かって声をかけた。

「すみません、上カルビとビールをください」

彼の声は低くて落ち着いていた。美玖は緊張しながらも、笑顔で応えた。

「はい、かしこまりました。上カルビとビールですね」

美玖は注文を伝票に書き込んで、厨房に渡した。
そして、彼にビールを持って行った。

「どうぞ」

「ありがとう」

彼はビールを受け取って、一口飲んだ。
そのとき、美玖は彼の指に指輪がないことに気づいた。
彼は独身なのだろうかと思った美玖は、期待と好奇心が湧いてきた。

「初めてですか?うちの店」

美玖は勢いでそう聞いてしまった。
彼は少し驚いたように見えたが、すぐに笑顔で答えた。

「いや、実は結構常連なんだ。よく金曜日に来てるよ」

「そうなんですか。私、金曜日は忙しそうでシフト入れてなくて」

「そうか。じゃあ今日が初めて会ったことになるね」

彼はそう言って、美玖をじっと見つめた。
その視線に美玖はドキドキした。

「あの、私、美玖って言います」

美玖は自己紹介をした。彼も自分の名前を教えてくれるだろうと
期待したが、そのとき携帯電話が鳴った。

「すみません、ちょっと出なきゃ」

彼は携帯電話を取り出して、画面を見た。すると顔色が変わった。

「大変だ」

彼はそう呟いて、立ち上がった。

「急用が入っちゃったんだ。ごめんね」

彼は美玖に謝って、レジに向かった。
彼は携帯のクレジットで決済し、店を出て行った。
美玖は呆然としたまま、彼の後ろ姿を見送った。

「あれ?」

美玖はカウンターに目をやった。
そこには彼が忘れていった財布が置いてあった。

「彼の財布だ」

美玖は財布を手に取って、中を覗いた。
そこには彼の名刺や写真が入っていた。

「彼の名前は……」

美玖は名刺を見て、驚いた。

「小林智也(こばやしともや)……」

彼の名前は、美玖が知っている有名な人物と同じだった。

「まさか、あの小林智也なの?」

小林智也といえば、日本で最も人気のある推理作家だった。
彼の作品はベストセラーになり、映画化やドラマ化もされていた。
美玖も彼のファンで、彼の本を何冊も読んでいた。

「本当にあの小林智也なの?」

美玖は信じられなかった。写真を見ても、確かに彼だった。
しかし、なぜ彼が焼肉屋に来ていたのだろうか。
そして、なぜ急用が入ってしまったのだろうか。

美玖は彼のことをもっと知りたくなった。財布を届けに行くことを決めた。

―――――――――――――――――――――――――

第二章

美玖は小林智也の財布を持って、彼の会社に行った。
彼の名刺には、彼が所属する出版社の住所と電話番号が書いてあった。

美玖は出版社に電話して、小林智也に会えるか聞いたが、彼は出張中だと
言われた。美玖は出版社の受付に財布を預けて、連絡先を残した。

「小林さんには、必ずお渡ししますから」

受付の女性はそう言って、財布を受け取った。
美玖は少し安心したが、まだ彼に会いたいという気持ちは消えなかった。

「小林さんって、有名な作家さんですよね」

美玖は受付の女性に聞いた。

「ええ、そうですよ。推理小説の天才と言われています」

女性は感嘆した。

「私も彼の本を読んでます。すごく面白いですよね」

美玖は自分もファンだと言った。

「そうなんですか。それは嬉しいですね。小林さんは、とても優しくて謙虚な方なんですよ」

女性は小林智也の人柄を褒めた。

「そうなんですか。でも、なんで焼肉屋に来てたんでしょうね」

美玖は疑問に思った。

「焼肉屋?」

女性は不思議そうに聞き返した。

「ええ、私が働いてる五反田の焼肉屋なんですけど、小林さんが昨日来てくれて、財布を忘れちゃったんです」

美玖は事情を説明した。

「へえ、そうなんですか。それは珍しいですね」

女性は驚いた様子だった。

「どうしてですか?」

美玖は尋ねた。

「実は、小林さんはあまり外食しないんですよ。家で自炊するか、弁当を持ってくるかしてます。焼肉なんて、めったに食べないと思います」

女性はそう言った。

「そうなんですか。じゃあ、なんで昨日来たんでしょうね」

美玖はますます興味が湧いた。

「それは……わかりません」

女性は首を傾げた。

「でも、もしかしたら……」

女性は言葉を濁した。

「もしかしたら、何ですか?」

美玖は食いついた。

「あの……実は小林さんには、秘密があるんです」

女性は小声で言った。

「秘密?」

美玖は驚いた。

「ええ、秘密です。でも、私にも詳しくはわかりません。だから、あまり言えないんですけど……」

女性は困ったように言った。

「でも、教えてください。私も小林さんのことが気になって仕方ないんです」

美玖は懇願した。

「そうですか……じゃあ、少しだけ教えますけど、内緒にしてくださいね」

女性は周りを見回してから、耳打ちした。

「小林さんは……実は探偵なんです」

「えっ?」

美玖は目を見張った。

「探偵?」

「そうです。探偵です。小林さんは、作家としてだけでなく、探偵としても活躍しているんです。彼の小説は、実際に彼が解決した事件をもとに書いているんですよ」

女性はそう言った。

「本当ですか?」

美玖は信じられなかった。

「本当です。でも、それは極秘なんです。だから、誰にも言わないでくださいね」

女性は念を押した。

「わかりました。誰にも言いません」

美玖は約束した。

「小林さんは、どんな事件を解決してるんですか?」

美玖は興味津々だった。

「それは……色々ですね。殺人事件や失踪事件や盗難事件などなど。でも、小林さんは普通の探偵と違って、依頼されたわけではなく、自分で興味を持った事件に首を突っ込むんです。それで、犯人を見つけ出して、警察に届けるんですよ」

女性はそう言った。

「すごいですね」

美玖は感心した。

「でも、それが小林さんの危険な一面でもあるんです。彼は事件に夢中になりすぎて、自分の身を守ることを忘れてしまうことがあります。だから、彼には敵も多いんですよ。彼を狙う人間がいるかもしれません」

女性は心配そうに言った。

「そうなんですか……」

美玖は不安になった。

「だから、小林さんに会えたら、気をつけてくださいね。彼はあなたのことを好きかもしれませんが、彼の仕事は危険ですから」

女性は忠告した。

「わかりました。ありがとうございます」

美玖は感謝した。

「いえいえ。小林さんのことを思って言ってるんですから」

女性は微笑んだ。

美玖は出版社を出て、バスに乗った。
彼の財布を届けたことで、少し安心したが、まだ彼に会いたいという気持ちは消えなかった。

むしろ、彼が探偵だと知って、ますます彼のことが気になった。

「小林智也……あなたは一体何者なの?」

美玖は窓の外を見ながら、つぶやいた。

―――――――――――――――――――――――――

第三章

美玖は小林智也の財布を届けた後、彼からの連絡を待っていた。
しかし、一週間が過ぎても、彼からの電話やメールはなかった。

美玖は彼が無事なのか、忙しいのか、それとも興味がないのか
わからなくて苛立った。

「もういいや」

美玖はある日、彼のことを諦めることにした。
彼は探偵だということを知ってから、ますます彼のことが気になっていたが、それも無駄だと思った。

彼は自分の仕事に夢中で、美玖のことなど
忘れてしまっているに違いなかった。

「私も自分のことに集中しなきゃ」

美玖は自分に言い聞かせた。彼女は就職活動に力を入れることにした。

彼女はジャーナリストになりたかったが、なかなか内定がもらえなかった。
そこで、彼女は自分で記事を書いて、ネットに投稿することにした。

彼女は社会問題や芸能ニュースなど、様々なテーマで記事を書いた。彼女は自分の才能を発揮して、多くの人に読んでもらおうとした。

「これで、誰かが私に目をつけてくれるかもしれない」

美玖は期待した。

しかし、現実はそう甘くなかった。美玖の記事は、ネット上にあふれる他の記事と同じように、埋もれてしまった。
美玖の記事を読んだ人は少なく、コメントや評価もほとんどなかった。

「だめだ……」

美玖は落胆した。

「私には何もないんだ……」

美玖は自信を失った。

そんなある日、美玖は焼肉屋で働いていた。
その日も金曜日だったが、小林智也の姿は見えなかった。

美玖は彼を忘れようとしていたが
ついついカウンターの隅の席を見てしまった。

「はあ……」

美玖はため息をついた。

そのとき、店の電話が鳴った。美玖は電話に出た。

「焼肉界人です」

「こんにちは。小林智也です」

電話の向こうから聞こえた声に、美玖は驚いた。

「小林……智也さん?」

美玖は確信が持てなかった。

「ええ、そうです。財布を届けてくれた松本さんですよね」

小林智也はそう言った。

「あ……はい」

美玖は戸惑った。

「すみません。財布を忘れてしまって……」

小林智也は謝った。

「いえいえ。財布は出版社に届けましたよ」

美玖は言った。

「そうですか。ありがとうございます」

小林智也は感謝した。

「でも、どうして今ごろ電話してくれたんですか」

美玖は尋ねた。

「それは……実は、あなたにお願いがあるんです」

小林智也は言った。

「お願い?」

美玖は疑問に思った。

「ええ。あなたに会いたいんです」

小林智也は言った。

「会いたい?」

美玖は驚いた。

「ええ。今すぐにでも」

小林智也は言った。

「今すぐに?」

美玖は困惑した。

「ええ。今、五反田駅の近くにいます。
 あなたの仕事が終わったら、会えませんか」

小林智也は頼んだ。

「でも、どうしてですか」

美玖は理由を聞いた。

「それは……直接会って話したいことがあるからです」

小林智也は言った。

「話したいこと?」

美玖は興味が湧いた。

「ええ。あなたに協力してもらいたいことがあるんです」

小林智也は言った。

「協力?」

美玖は不思議に思った。

「ええ。私の仕事に関係することなんですが……」

小林智也は言った。

「仕事?」

美玖は思い出した。彼の仕事といえば、作家だけでなく、探偵だった。

「もしかして、事件のことですか」

美玖は尋ねた。

「それは……電話では言えません。会ってから話します」

小林智也は言った。

「わかりました。仕事が終わったら向かいます」

美玖は決めた。彼のことを忘れようとしていたが
彼からの電話で、再び彼のことが気になってしまった。
彼が何を言いたいのか、何を頼みたいのか、知りたかった。

「ありがとうございます。では、五反田駅の西口で待っています。あなたの仕事が終わったら、すぐに来てください」

小林智也は言った。

「わかりました。すぐに行きます」

美玖は言った。

電話を切って、美玖は店長に休みをもらった。
そして、急いで五反田駅に向かった。

―――――――――――――――――

最終章


美玖は五反田駅の西口に着いた。そ
こには小林智也が待っていた。彼はスーツ姿で、サングラスをかけていた。彼は美玖に気づくと、笑顔で手を振った。

「松本さん、こんばんは」

美玖は彼に近づいた。

「財布を届けてくれて、ありがとうございました」

小林智也は言った。

「いえいえ。どういたしまして」

美玖は言った。

「でも、どうして今ごろ電話してくれたんですか」

美玖は尋ねた。

「先ほど伝えた通り、あなたにお願いがあるんです」

「ええ。私の仕事に関係することなんですが……」

小林智也は言った。

「仕事?」

美玖は思い出した。彼の仕事といえば、作家だけでなく、探偵だった。

「もしかして、事件のことですか」

美玖は尋ねた。

「事件ではなくとある人物のことなんです」

小林智也は言った。

「人物?どんな人物ですか」

美玖は興味津々だった。

「それは……私が調べている「山手シロ」についてです」

小林智也は言った。

「山手シロ?」

美玖は聞き返した。

「ええ。山手シロというのは、山手線沿線に住む謎の人物のことです。
 彼女は、山手線の各駅に関する小説を書いて、ネットに投稿しています。  
 その小説は、現実とフィクションが入り混じった不思議なもので、多くの 
 人が読んでいます」

小林智也は説明した。

「そうなんですか。私も聞いたことがあります。
 でも、それがどうしたんですか」

美玖は尋ねた。

「それが……私は、山手シロの正体を探っているんです。彼の小説には、何か秘密が隠されていると思うんです。彼は、自分の素性や住所や連絡先などを一切明かしません。彼は、自分を「山手線の白魔法使い」と呼んでいます」

小林智也は言った。

「魔法使い?」

美玖は興味津々だった。

「ええ。彼は、自分の小説に魔法的な要素を盛り込んでいます。
 例えば、品川駅では、死者と会話できるとか、原宿駅では、夢を叶える
 魔法が使えるとか、有楽町駅では、夢と現実を行き来できるとか……」

小林智也は言った。

「すごいですね」

美玖は感心した。

「でも、どうして私に協力してほしいんですか」

美玖は尋ねた。

「それは……私があなたの記事を読んだからです」

小林智也は言った。

「私の記事?」

美玖は驚いた。

「ええ。あなたがネットに投稿している記事です。あなたは社会問題や
 芸能ニュースなど、様々なテーマで記事を書いていますよね」

小林智也は言った。

「そうです。私はジャーナリストになりたくて、
 自分で記事を書いています」

美玖は言った。

「その記事の中に、山手シロに関するものがありましたよね」

小林智也は言った。

「ああ……そうでした。私は山手シロの小説を読んで感想を書きました」

美玖は思い出した。

「その記事がすごく良かったんです。あなたは山手シロの小説に対して、
 深く洞察して、鋭く分析して、的確に評価していました。
 あなたは山手シロの小説に対する理解度が高くて、感受性も豊かでした。 
 あなたは私にとって、理想的な読者であり、批評家なんです」

小林智也は言った。

「そう言ってくれて、ありがとうございます。
 でも、私にそんなことができるとは思えません」

美玖は謙遜しました。

「いいえ。あなたは十分に素晴らしいです。あなたの意見は私にとって
 とても大切です。だから、どうか協力してください」

小林智也は懇願しました。

「わかりました。じゃあ、協力します」

美玖は決めました。彼のことを忘れようとしていたが、彼からの電話で
再び彼のことが気になってしまった。
彼が何を言いたいのか、何を頼みたいのか、知りたかった。

「ありがとうございます。では、私が調べている
 山手シロについての新しい発見を教えますね」

小林智也は言った。

「新しい発見?」

美玖は興味津々だった。

「ええ。私は、山手シロの小説に隠された秘密を解き明かそうとしています。そのために、山手シロの小説を徹底的に分析して、山手線沿線の各駅に関する情報を集めています。そして、ある重要な発見をしました」

小林智也は言った。

「重要な発見?どんな発見ですか」

美玖は期待した。

「それは……山手シロは、自分の小説に登場する主人公の一人であり、実際に山手線沿線に住んでいるということです」と小林智也は言った。

「主人公の一人?どの主人公ですか」と美玖は聞いた。

「それは……山手シロの小説の中で、最も謎に包まれているキャラクターです。彼は、山手線沿線の各駅で起こる奇妙な事件や現象に関わっており、その正体や動機は明かされていません。彼の名前は、〇〇〇〇〇〇というのです」と小林智也は言った。

「〇〇〇〇〇〇?その名前、聞いたことがあります。でも、どうして山手シロが自分の小説に登場するんですか」と美玖は疑問に思った。

「それは……山手シロが自分の小説を書くことで、自分の人生や感情や思想を表現しようとしているからだと思います。そして、自分の小説に登場する主人公の一人として、自分の体験や考えや感じたことを読者に伝えようとしているのです」と小林智也は言った。

「それって、すごく勇気があることじゃないですか」と美玖は感心した。

「そうですね。私もそう思います。私は、山手シロが自分の小説に登場する主人公の一人であることを知ったとき、驚きましたが、同時に尊敬しました。そして、山手シロがどんな人なのか、もっと知りたくなりました」と小林智也は言った。

「私も知りたいです。山手シロがどんな人生を歩んできたのか、どんなことを考えているのか、どんなことを感じているのか」と美玖は言った。

「では、一緒に山手シロを探しましょうか。私は、山手シロが自分の小説に登場する主人公の一人であることを知った後、その主人公が出てくる小説を再読しました。すると、ある共通点がありました」と小林智也は言った。

「共通点?どんな共通点ですか」と美玖は聞いた。

「それは……その主人公が出てくる小説は、すべて
 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇だったということです」と小林智也は言った。

「えっ?本当ですか」

美玖は驚いた。

「本当です。私は、それが何かの暗示だと思いました。
 そして、その暗示を解くことで、山手シロの秘密に近づけると 
 思いました」と小林智也は言った。

「すごいですね。でも、その暗示を解くにはどうすればいいんですか」と美玖は聞いた。

「それは……私もまだわからない部分があります。でも、私はあきらめません。私は、山手シロに会って話してみたいと思っています。」と小林智也は言った。

「私も応援します。私も山手シロに興味があります。だから、あなたと一緒に秘密に挑戦したいです」と美玖は言った。

「本当ですか。それは嬉しいです。では、一緒に山手シロの小説を読み直しましょうか。そして、その中に隠された暗示を見つけ出しましょう」と小林智也は笑った。

「はい。読み直しましょう」と美玖も笑った。

二人は山手シロの小説を手に取り、ページをめくり始めた。
そこで、彼らを待っているのは、山手シロの秘密を暴くための暗示だった。そして、それを解くことで、彼らは山手シロと対面することができるのだろうか。

―――――――――――――――――――――――――――

エピローグ

山手シロの小説に隠された秘密を解き明かそうとしていた小林智也と美玖は、五反田の雰囲気のいい居酒屋で飲んでいた。

二人は、山手シロの連絡先を暴くための暗号に挑戦したが
それはあまりにも難しく、なかなか解くことができなかった。

山手シロは、自分の小説に登場する主人公の一人であり、実際に山手線沿線に住んでいる人物らしいが、その正体や目的は依然として謎に包まれていた。

「もうだめだ。この暗号は解けないよ。山手シロは何を考えているんだろう」と小林智也はぼやいた。

「私もわからない。でも、山手シロの小説は面白いよね。」と美玖は言った。

「そうだね。でも、彼はどんな人なんだろう」と小林智也は言った。

「私もそう思う。でも、今日はもう遅いし、明日も仕事だから、帰ろうよ」と美玖は言った。

「そうだね。じゃあ、二次会はどうする?焼肉でも食べる?」と小林智也は言った。

「焼肉?それもいいね。五反田にいい焼肉屋があるんだよ。そこに行こうよ」と美玖は言った。

「わかった。じゃあ、そこに行こう」と小林智也は言った。

二人は居酒屋を出て、五反田の焼肉屋「肉処流伽」へと向かった。

焼肉屋では、二人はお肉を焼きながら、山手シロの小説以外の話題で盛り上がった。二人はお互いの趣味や仕事や夢について話した。二人は気が合って、笑顔が絶えなかった。

「美玖さん、今日は楽しかったです。ありがとうございます」と小林智也は言った。

「智也くん、私も楽しかったです。ありがとう」と美玖は言った。

二人はお互いの目を見つめ合った。

その時、小林智也は勇気を出した。

「美玖さん、私に言わせてください。私は……美玖さんのことが好きです」

「智也くん……私も……智也くんのことが好きです」

抱き合ってキスをした。

二人は幸せそうに手をつないで
五反田の夜の街へ消えていった。

しかし、彼らはまだ知らない。

山手シロの正体に迫るのは、また別の話……


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