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#02 富江

こんばんは。南無三です。

以前ダ・ヴィンチ・恐山さんが紹介していて、ずっと気になっていた富江。

やっと購入できたので早速感想を書いていきます。今回は割と漫画の内容について触れているので、ネタバレしたくない人は読まない方がいいと思います。


・まず第一に思ったのは、、男たちー!!!顔に弱すぎるだろー!!!!という感想。

これはジェンダー的な、大きい主語で語っているつもりはなく、富江に魅了される側の性別というニュアンスで話してます。なのでもし富江が男だったら女即堕ちすぎるだろー!という感想になっていたと思う。

・『どんな男も虜にしてしまう』という設定上仕方がない部分はあるけど、もうちょっとさ、俺は靡かないぜみたいなやつがいてもよくない?そうじゃなくても富江に堕ちてしまう過程でもう少し逡巡があったりさ、してもよくないですか?あまりに即堕ち2コマすぎる。最早1コマですらある。

・でもその個々の決断や判断の迷いの表現の少なさは昔の漫画ならではなのかもしれない。今の漫画って登場人物の思考がたくさん描かれてる。当たり前だと思ってたけど、これって読み手がしっくりくるように段々配慮されていった結果なのかな。それに慣れてたから驚いちゃったのかも。

・富江って我儘でナルシストでとにかく強気。それは勿論その美貌に裏打ちされたものなんだろうけど、絶対に死なないという彼女の特質も大きく関与している気がする。だって普通に考えたら怖いでしょ。自分より力も強くて図体もでかい人にあれだけ強気で出れるって無理だ。少なくとも自分だったら。

・でも現実でも富江ほどでは無いにしてもものすごく強気な女の人がいるから驚きだ。Twitterでよく人類皆敵なの?ってくらいいろんな方面に噛み付いてる女の人を見るが、素直にどういう思考をしながら生活してるのか教えて欲しい。

・そういう人たちは不死身ってわけじゃ無いのにどうして大きくいられるんだろうと改めて思った。いろんなことを思い通りにしてきた成功体験に由来してるのかな。それが自己の美貌や尊大な態度をより肯定し、より強固に形成されていくのかもしれない。

・話は変わるけど出てくる女性陣たちは余計なことをしないかぎり結構生き残っててそれがなんか良かった。割と引越しとかで環境変えて生き残るルートが多かったから、ヤバいやつがいると思ったら即逃げるっていうのが原始的だけど最良の手段っぽい。

・私はこの富江上下巻読んで一番印象に残ったのが「小指」なんだけど、図らずも恐山さんと同じで、小びっくりだった。

ただ抱いた印象は割と異なっていて、恐山さんは記事の中で

個人的には富江の意地の悪さが鮮やかに発揮されて終わる「小指」が大好きです。

上記引用記事より抜粋

とおっしゃているが、私は同じシーンで富江の愚かさを感じた。

・今まで富江に全く見向きもしなかった醜い男が、同じ境遇のコユビ(小指から派生した富江)に同情し、他の指から庇うような行動をとるようになる。そして意識朦朧とする中で最後に愛の言葉を吐露するが、コユビは「なあんだ」「あなた こんな顔がタイプだったのね」と笑い、美しい容姿に戻り颯爽と去っていくというシーン。

意地が悪いのは言うまでもないが、私はどちらかと言うと容姿でしか愛を評価できない富江の浅はかさを感じた。同じ境遇であるコユビを守りたい、そばにいて欲しいという気持ちから発生した愛情だろうに、そんな考えは全く無さそうである。容姿でしか愛されないから、それ以外で愛したり愛されたりすることがあることを、富江は知らないんだと思った。

・全体通してメチャクチャな美貌を持つ富江の悪魔的な魅力に魅了されてなんか殺したくなっちゃうわ!みたいな流れがほとんどなので、そういう富江の一面が垣間見えた「小指」がなんとなく印象に残ったんだと思う。

・あとこれは蛇足なんだけど、今SNSに溢れてる謎のインフルエンサー美女達も富江みたいに増殖してるんだとしたら面白いなと思った。

似たような顔の美女(美女って良くも悪くも顔に特徴が無い傾向にあるので似たような顔になるのは当然だが)がわんさかいて、精神衛生が良く無い時に見ると理由もなく落ち込むことがよくある。

でも彼女たちが実は男に殺され、増殖した内の一個体だとしたら、キラキラした投稿の裏で殺し合いをしてるかもしれない。今後はそう考えるようにしよう。その方が面白いし。

・漫画の感想だと読み直しながら書けるから長くなることがわかった。
同じ章をピックアップしていても感想が違うシンプルに面白いし、みんな富江読んで1番オモロを感じた話を教えてほしい。よろしくお願いしまぁーす!!!



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