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ニューヨークの本屋を巡る旅

今回の旅の重要な目的の1つに、ニューヨーク公共図書館見学があった。
美術館のように壮麗で美しいと評される、世界的に有名な図書館。

7日(日)の朝イチから出かける予定で、前日の夜に何げなく図書館のサイトを眺めていたら、衝撃の事実を知った。

休館日:日曜

ぎゃあ〜!そうなんだ〜〜!!
観光地としても人気のスポットだし、てっきり日曜も開いているのかと勝手に思い込み、確認せずにいた。
まったくもって迂闊であった。

そんなわけで、大変残念ながら外観の写真だけ撮ってきた。

堂々たる御姿
図書館のアイコン、ライオン様
ライオン様の頭上でくつろぐカラス

◆◆◆

気を取り直して、もう1つの目的である本屋巡りをスタートした。

1店目は創業97年を誇る老舗のStrand Book Store。

新刊も古本も在庫数がものすごくて圧倒された。歩いても歩いても本の山で、まるで大型図書館のようだ。

2019年にうつ病で苦しんでいた頃に読んだ本「世界の本好きたちが教えてくれた人生を変えた本と本屋さん」で知って憧れた場所だが、この先の人生において、どうせ行けるわけがないとあきらめていた。

今回願いが叶い、一歩足を踏み入れた瞬間、
前出の本で見た店のイラストの現実版が目の前に広がっていることに、感無量だった。

さあ、本をじっくり見て回ろうと張り切ったが、あまりに本が多すぎて、どこから手を出していいかわからなくて右往左往した。

ゆっくり品定めする時間はない。店のオリジナルグッズを買うことも楽しみにしていたので、そちらに専念することにした。 

購入したのはマグカップとTシャツ。

海外文学の名作タイトルがずらり。

このマグカップでコーヒーを飲みながらだと、読書がはかどりそう。
Tシャツはランニング用に。帰ったらまた頑張って走ろう。

一応本も買った。
「A Booklover‘s Guide to New York」
ニューヨークの本屋さんに関する本。毎日ちびちび読んでいくのが楽しみ。

◆◆◆

ちなみにレジのところで若い店員さん2人が突然、「ギャッハー!ゲラゲラゲラ〜〜」とものすごい声量で爆笑して騒ぎ始めたので、ぎょっとした。
アメリカの接客業って日本と比べて自由奔放だとつくづく思う(笑)

◆◆◆

次に目指したのは、アート系のレアなヴィンテージ雑誌などを扱うMast Books。ハイセンスとはほど遠い、野暮ったい私には不似合いなお店だけど、行きたいものは行きたい。

少しわかりづらい場所だったが、googleナビを見ながら、地下鉄と徒歩で汗だくになって向かう。

あっ、見つけた、あそこだ!とワクワクして近づいていくと、なんと!
閉まっていた。

冷酷にもシャッターが…

店のHPには営業時間は毎日12時から20時と書いてある。臨時休業のお知らせも載っていない。貼り紙もない。私が間違えたわけではない。

呆然としながら、やけになって何枚も写真を撮りまくった。

店内をのぞき込む。

疲れがどっと出てしまい、店の前にへたりこんで、ヤンキー座りで考えた。
次の候補のマーサーなんちゃらという店までは歩いて20分ぐらい。
しんどいな、どこかでアイスコーヒー飲んで休憩しようかな。
それかもう友人宅へ帰るか。

しばらく考えて、せっかくの機会なので、やはり行くことにした。

◆◆◆

歩いていると、ふと可愛い看板に出くわした。

文字通り、料理に関する古本や雑貨を扱う店のようだ。
入ってみることにした。

店内は癒やしの楽園のようだった。ヨーロッパの薫りが漂う。ささやくような話し方の上品な女性店主がにこやかに迎えてくださった。

写真撮りたい欲がうずうずしてきたが、この狭い空間で、何も買わずに写真だけ撮らせてくれとは言いづらい。
 
昔の海外の料理本は素敵だけれど、実際に読んで作ってみることはないだろうから、悩んだ末、部屋の飾り用として、昔のココアの缶を購入した。

12ドル

そして写真をパシャリ。心安らぐひとときを過ごして店を出た。

暖かい雰囲気がモワモワしてる
昭和のご婦人発見

◆◆◆

その後、ようやく次の店、Mercer Street Books & Recordsに到着。

外からだと小さな店に見えるが、扉を開けると驚くほど奥行きがあって広かった。

乱雑な感じがおしゃれ。

冷房がよく効いていた。
店の奥にあった、1980年代頃から使っていそうな送風機に、滝のように汗をかいた背中を向け、キンキンの風に当たり続ける。
もう本を見る気力がない。

遠くに見える店主はまるで俳優のような、太い黒縁のおしゃれ眼鏡をかけたイケオジだった。

古い洒落た雑誌や本を買い込むという目的でこの店に来たというのに、ただ送風機の前で涼をとり、本は買わず、イケオジをチラチラと見て(キモい・笑)そのまま店を出るという体たらくだった。 
それはそれでまた楽しかったけれど。 

◆◆◆

7、8店は回れるかと思っていたが、結局4店。
まあ、旅も人生も計画通りにはいかないものである。

限りある時間の中でニューヨークの書店を汗だくになって巡ったことは、とても貴重な経験となった。

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