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壇蜜さんの「クラッカーがパーン!」に共感した

今年のお正月。ぼんやりスマホを眺めていたら、タレントの壇蜜さんの体調に関する記事が出ていて、そこに引用されていた壇蜜さんのブログ記事の文章表現に心惹かれた。

以下、2024年1月1日付記事からの引用。

2回目の入院、退院から3か月ほど経過して2024年を迎えました。ふり返ってみると去年は時間の流れが本当に長く感じた1年だったように思います。病院にいる時間が長かったせいもありますね。それぞれの入院のきっかけは、正直あまり覚えていません。ただ、眠れない食べられない生き続けていることが辛い…という感情がこみ上げてきて、頭がだんだん混乱して、まるでパーティーで使うようなクラッカーがパーン!と割れてしまったような感覚に陥ったのを覚えています。クラッカーから出てきた紙片やリボンたちをじーっと眺めて、やがて力尽きた…そして病院へ、という流れでしょうか。それらのことがあってからまだ3か月か…と思うと、短い日数しか経っていないようにも感じます。

壇蜜オフィシャルブログ「黒髪の白拍子。」

「まるでパーティーで使うようなクラッカーがパーン!と割れてしまったような感覚に陥ったのを覚えています。クラッカーから出てきた紙片やリボンたちをじーっと眺めて、やがて力尽きた…」という箇所に、目が釘づけになった。
「クラッカーがパーン!」は、かなりインパクトのある表現だが、私もそれに近い感覚を経験したのを思い出した。
 
◆◆◆

うつ発症から1か月ほど経った頃。それまでに経験したことのない得体の知れない不安と恐怖にがんじがらめになりながら、1日1時間1分1秒を耐えていた時期だった。

何か少しでも気分転換をと思い、壁にもたれてテレビを見つめていたが、出演者がにぎやかに話している内容が頭に入ってこない。何を言っているのか理解できない。
心療内科で自律神経失調症と診断され、頭の血管がドクドクと脈打ち、脳内がじんじんと痺れるような症状に、なす術もなくじっとしていた。

すると、突然頭が「パーン!」となった(ような気がした)。
壇蜜さんは「クラッカーから紙片やリボンたちが出てきたような感じ」がしたそうだが、私の場合、その瞬間に脳内から突如として流れ出てきたのは、ある洋楽の曲だった。
 
◆◆◆
 
うつ発症の10数年前、元気だった頃によく聴いていた曲。
アメリカの有名女優が1950年代の主演映画で歌った曲を日本の女性ミュージシャンがアレンジを効かせてカバーしたバージョンで、しばらくの間、はまっていた。
 その後、次第に聴かなくなってほぼ忘れていたが、どういうわけだか2019年春、うつに襲われた頭の中から溶岩のように流れ出てきた。
そして止まらなくなってしまった。
 
◆◆◆
 
壊れた昔の古いラジオの停止ボタンを何度押しても止められないかのように、エンドレスで流れ続ける。
止まってほしいのに止まらない。頭にこびりついて眠れない。
あんなに好きだった、明るくて可愛くてかっこいい曲が、恐怖の曲になってしまった。
 
どれぐらいその状態が続いたのか、今となっては定かではない。せいぜい数日、長くて数週間だったと思うけれど、当時はひどく長く感じられた。
この先の人生、ずっとこの曲が頭の中に流れ続けるのだろうかと、怖くてたまらなくなった。
 
◆◆◆
 
その後、日にちが経つにつれて、その曲は徐々に頭の中から姿を消した。(うつ自体は悪化していったけれど。)
幸い、その曲がトラウマになるようなことはなく、おおむね元気になった現在は、また好きな曲へと戻っている。
 
◆◆◆
 
あれは一体何だったのだろう。
うつ病になると、元気だった頃には想像もつかなかったような不可思議で苦しい身体的・精神的症状が表れる。

いつかまた上記のような状態になるかもしれないと怖くなりますが、そればかり恐れていても仕方ないですね。
(中略)
きっと長いこと付きあう病気だと覚悟はしています。現状維持、低空飛行をしながら少しずつ出来ることを増やして生きていけたらなと今は考えています。

壇蜜オフィシャルブログ「黒髪の白拍子。」

                                
深く共感する。
私は発症からまもなく5年が経つが、その年月はまさに「低空飛行をしながら少しずつ出来ることを増やして」きた日々であり、それはこれからも続いていくのだろう。

◆◆◆

壇蜜さんといえばサウナ。そういえば、彼女のおかげでサウナに興味をもち、昨年マラソン大会に参加した後に、人生初のサウナに挑戦してみたのだった。

私も私なりの現状維持、低空飛行をしながら、ゆっくりと人生を進めていきたい。

スパイスチャイとお菓子(折りたたみクレープ)。相変わらずスイーツ中毒なワタクシ。


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