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英語を探せ#24-さようならチップス先生

 普段の生活を見直すような英語を探しています。1969年の米英合作ミュージカル映画をNHK-BSでみました。映画“Goodbye, Mr. Chips”が原題で、「さよならチップス先生」が邦題です。チップス先生の本名は、Arthur "Chips" Chippingです。原本は1934年出版のJames Hilton作ですから、もう100年前の話です。"goodbye"にはご苦労様でしたという意味もあるのかなとも思いました。
 Peter O'Toole主演で、英国の全寮制パブリックスクールの教師(ラテン語とギリシャ語)として若い時から老年までを演じています。生真面目なチップス先生はなんとミュージカル女優と結婚するのです。そして結婚を契機にチップス先生は生徒に人気のある魅力ある教師に変化していくのです。古典文学からの言葉で困難な時代(ヒトラーの台頭から世界大戦)において学生達への人生の警鐘・アドバイスとしたのです。日本でいう温故知新です。なお英国パブリックスクールは裕福な親を持つ男子13歳から18歳までの私立校だそうです。
 最後にチップス先生は校長まで昇進します。年老いたチップス先生は、第二次世界大戦の終戦と同時に退任します。英国の校長は"headmaster"です。そして退職後も学校の近くに住み続けたチップス先生は、学校の近くに住み、卒業生の子供やその孫に会い、卒業した生徒達の訪問を楽しみ、先立った妻の想い出の中で余生を送る、として描かれています。静かで少し寂しく描かれています。死ぬまでの時間が長くない、当時の引退後の生活はこうだったのかとも思います。今は定年退職後10~20年もあるのですからこうはいかないのでは。心に残った言葉は以下です。
I wonder if we were any use at all”. 「私たちは本当に役に立ったのだろうか」というのは教育現場にいた人達は皆思うことでしょう。
“I suppose we did teach them one thing: How to behave to each other”. 「私は思う、我々は彼らに1つのことを教えました。お互いにどう向き合うか」。人とどう向き合うか、人と誠意をもって付き合うことは大切です。
In the evening of my life I shall look to the sunset”. 「私の人生の夕暮れには、私は夕日を見よう」
At a moment in my life when the night is due”.「私の人生の中で、夜が訪れる瞬間に」
Was I brave and strong and true?” 「私は勇敢で、強く、正しかっただろうか?」は誰もが人生の最後に自らに問いかける言葉でしょう。

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