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欲しいものがわからない長男と、迷わず深海魚のぬいぐるみを買う次男の話

欲しいものがわからない長男

先日お誕生日が近づいた長男に「誕生日プレゼントは何がいい?」と質問したら、「今欲しいものがないんよなぁ。」と言われました。

そういえば、去年のクリスマスプレゼントを聞いた時も、(我が家はサンタさんを卒業済)長男は「今欲しいものがない。」と言ったので、「じゃあ欲しいものが決まったら教えて。」と言ったきり、半年ほど経過していたのでした。
ま、今満たされているということだろう。ならいいよね。ってその時は流していたのですが…。

突然のゲーム課金要求


それが突然今年の夏ごろ、「去年のクリスマスプレゼント、もらってなかった分、もらっていい?」と聞かれました。何が欲しいと言い出すかと思ったら、あるゲーム内で使うアイテムを5000円分買いたいと言い出したのです。
正直、「えっ?!マジで言ってんの?」と思いました。

それはどうやらゲーム内通貨のようで、それを使って強い武器を買ったり、新しいステージを開いたりするそうなのですが、それを5000円分買うってどういうことやねん!
いままで普通に課金しなくても楽しく遊んでいたのに、突然どうした?!
私も夫もゲーム内通貨を買うのに5000円を費やしたことがない人間だったので、困惑とともに、「それもったいなくないか??!」と息子と話し合いました。

でも結局は「どうしてもこれが欲しい!」と言うので、「わかった。半年待って欲しいものがそれなら、それをプレゼントにしましょう。」ということで話が折り合いました。

長男はなんでそんなものを欲しがったのか

この件がちょっと引っ掛かった私。彼がなぜそんなことを突然言い出したのか探ってみることにしました。

そういえばちょうどそのころ、次男が誕生日で、新しいゲームを買ってもらってました。「いいなぁ、自分も何か買ってもらいたいなぁ。(そういえばまだクリスマスプレゼントもまだだしなぁ)」という気持ちが湧いてきたんだと思います。このまま買ってもらわなければ、自分だけ損する!そんな気持ちになったんじゃないかと想像します。

でもきっと彼はまだその時点でも、本当に自分か心から欲しいと思うものが無かったんだと思う。それでも「弟だけずるい!」「自分も何か欲しい!」「損したくない!」という気持ちが大きくなっちゃった。で、たまたまその時やってたゲームで、「欲しい武器を買うにはそのゲーム内通貨が足りない」という状況や、「今ゲーム内通貨を買うと10%ボーナスがつくよ!」みたいな広告を目にしたのかもしれません。
で、決めちゃったんでしょうね。

後悔する長男

大人の私たちも、そういう買い物をしちゃうときってあると思います。私は経験あります。自分が本当に欲しいものじゃなかったのに、周りに流されて買っちゃった経験。時間が経ってすごく後悔します。

しばらく経って、長男にも聞いてみました。

「なぁ、あれ、ほんとに欲しいものやったん?」
「ううん。そんなに欲しくなかった…。無駄遣いさせちゃってごめんなさい…。」
「それは謝らなくていいよ。お母さんも失敗したことある。振り返ってみると、そういう買い物をしても、結果的にあんまり幸せにはなれへんよなぁ。。。」
「うん。。。」

わかるよ。本当に欲しいものを見つけるって難しいよね。

迷わず深海魚のぬいぐるみを買う次男

一方で次男はいつも自分の欲しいものが明確。うらやましいほどに。

例えば、ここ最近彼が自分のお小遣いで買ったものがこちら。

ヘビとラブカのぬいぐるみ

えー、なんだかカラフルなヘビと、深海のサメ、ラブカのぬいぐるみ、だそうです。
ヘビは動物園のお土産屋さんで、サメは水族館のお土産屋さんで、自分のお小遣いで買っていました。
どちらも3000~4000円ぐらいするんです。うちは働いた報酬としてお小遣いを渡す仕組みになっているので、結構な労働の対価をこれらと引き換えたことになります。
しかも、ヘビ?深海サメ?ごめん、ちょっとその魅力がお母さんには分からない…。ライオンとか、ペンギンとか、ぬいぐるみの王道キャラ、他にも売ってたよね?

でも彼にはいつも迷いがないんですよね。彼はいつも自分が本当に欲しいものを見つけるのが上手なんです。

毎日幸せそうにこれを抱いて寝ている次男。大好きすぎてヘビを常に首に巻いて生活する次男。ヘビを巻いたままスーパーに行ったら、通りすがりの人に「ヒェッ!びっくりした!!」と言われた次男。

料理中も巻いたまま

自分が本当に満たされる買い物をするには?

まず、

  • 流行っているから

  • みんなもってるから

  • これを持っていたら自慢できるから

こういう理由では買わない。

そして、

  • こんなの持ってたら笑われるかも

  • これが欲しいと言ったら親になんて言われるだろう

  • もし買わなかったら自分だけ損するかも

という考えにとらわれない。

つまり、これを持つことで他人が自分をどう評価するかという他人軸で選ぶのではなくて、これを持つことで自分が本当に満たされるかどうかだけに集中する自分軸で選ぶことが大切なんだと思います。

どちらかと言えば他人軸で欲しいものを決めてしまった長男は、物を手に入れてもなかなか満たされることがなく、徹底的に自分軸で欲しいものを決められる次男はものすごく満たされているってことなんでしょう。

ものがあふれる時代に自分が本当に欲しいものを見つける力

今の時代、ものやサービスは星の数ほどあります。そしてひとまず便利に暮らせるぐらい満たされている子どもたちがたくさんいる。(もちろん貧困問題は年々深刻になっているし、必要なものすら手に入らない子どももいます。それはそれで考えていかなければならない課題です。)

だから、実際30年前とかに比べて、今の子どもはそもそもそんなに欲しいものがない、という場合も多いと思う。

しかし一方で、30年前と比べて、広告と情報の量は圧倒的に多い。
TVや乗り物で目にする広告に加えて、今はYouTubeを見れば広告、オンラインゲームをすれば広告、それにネットやSNS上では、今はやっているものがいつも目に入ってくる。大人も子どもも、広告と情報の嵐の中に常に立たされている状態です。

そんな環境に生きていて、星の数ほどある商品やサービスから自分に合ったものや、本当に自分が欲しいものを選びとる力って、今の子どもが身につけるべきスキルのひとつと言ってもいいのではないかと思います。

そしてそれは、他人軸じゃなくて自分軸で幸せに満たされて生きることともつながっていると感じます。

結局まだ悩み中の長男

最初の話に戻ると、長男はまだお誕生日プレゼントを悩んでいます。

でもね、時間がかかってもいいから、しっかり考えてみてほしい。と母は思っている。
あなたが他人の目を気にせず、取り巻く環境に振り回されずに、本当に欲しいものを見つけられるように母は応援してるよ。


英語教師でありながら我が子には英語育児をしなかった私と、それでも英語が好きになってくれた息子たちについて書きました。↓


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