見出し画像

シリーズ:テニス肘を克服しよう!Vol.3肘を痛めてしまったら

 テニス肘対策シリーズ第3回の今回は、肘が痛くなってしまった時の対応について解説していきます!

 このテニス肘対策シリーズでは、肘の痛みが筋肉の付着部へのストレスによるものだということ(第1回)、肘への負担をかけないためには打点を前にすることが大切ということ(第2回)を解説してきました。これらの記事をまだ読んでいないという方はぜひ、合わせてご覧ください!


痛みが取れるまで

 私が現場で感じている感覚的なものではありますが、肘の痛みが取れてくるまでには、次のような段階があると感じています。

① 常に痛い:テニスをしてなくても肘が痛い。
② プレー中に痛い:普段は平気でもテニスをしていると肘が痛い。
③ プレー後に痛い:テニスをしている間は平気でも終わってから痛くなる。
④ 痛くない:テニスをして終わった後も肘が痛くならない。

画像1肘の痛みが取れるまで

 それぞれの段階で対応が変わってきます。肘を痛めている方は、自分が今どの段階いるのか振り返ってみて下さいね。
 それでは、それぞれの状態においての対応を見ていきましょう。

常に痛い時

 テニスをせず安静にしていても痛い場合は、テニスをすることで筋肉やその付着部への負荷が重なって治りが悪くなってしまう恐れがあります。そのため、一旦プレーをお休みすることを検討する必要があります。ストレッチなども、かえって肘へのストレスとなる可能性があるため、安静第一の時期といえます。医療機関での治療を受けることもお勧めです。
 ただし、肘以外の部分に関しては安静にする必要はありません。下半身や体幹を中心にストレッチやトレーニングに取り組むことでその後の復帰がスムーズになるでしょう。ここでは体幹のストレッチの1例を紹介します。

画像2体幹のストレッチ
身体の捻りは大きなスイングに不可欠です。

プレー中に痛い時

 安静時の痛みがなくなってきたら、ストレッチを始めていきましょう。負担がかかった筋肉は硬くなり、適切に機能しなくなっていることが多いです。まずはストレッチで筋肉の柔軟性を取り戻していきましょう。

画像3 肘周りのストレッチ

プレーに関しては痛みがあるのを我慢して行なってしまっては悪化の恐れがあります。サポーターを着けても痛みがあるようならストレッチに専念し、プレーはもう少し我慢しましょう。サポーターでプレー中の痛みがなくなるという方はストレッチと合わせてフォーム改善のための練習を行なって構いませんが、試合など高負荷のプレーは要注意です。練習時間や回数も普段より少なめから始めていきましょう。

※肘サポーターについて:こうしたサポーターは筋肉の緊張を制限して肘への負担を軽減してくれますが、これをつけること自体に治療としての効果はありません。しっかり治したければストレッチで柔軟性の向上を目指しましょう。

画像4 肘サポーターの例
パッドを肘の外側/内側の筋肉に当てて緊張を和らげます。

プレー後に痛い時

 引き続き、ストレッチとサポーターを着けてのフォーム改善に取り組んでいきましょう。また、症状の改善に合わせて徐々に痛める前のプレー時間、回数に近づけていきましょう。
 フォームの改善ができて、サポーターをつけていればプレー後も痛くない、というレベルまで回復してきたらサポーターなしでのプレーを試してみてもいいでしょう。

おまけ 道具について

 よくある質問として、ラケットやガットなど道具で肘への負担は変わるのかという事があります。これについて、物理的にはラケットやガットの違いによる肘への衝撃の強さは誤差の範囲内程度で何を使っても大きく変わらないと言われています。ですが、現実には道具によって肘に負担を感じる、または反対に心地よく感じるという声を聞くことも多いです。この違いについて私は、道具から肘に伝わる物理的な衝撃ではなく、道具の違いによるボールの飛ばしやすさや打球感に対する身体の反応の違いによるものだと考えています。具体的に言えば、一般的に肘に負担がかかるとされる硬いガットや反発の小さいラケットでは、ボールを飛ばしにくいことからスイング時に力みやすくなり、この力みが肘周りの筋肉へのストレスを高める結果になるということです。そのため、力みやすくついラケットを握りすぎてしまう、という方に関しては柔らかいガットや反発のいいラケットを試してみる価値もあるかもしれません。

 ここまで、肘の痛みの大まかな経過と対応について紹介しました。テニス肘の痛みに対しては、安静時の痛みが引いてきたら肘周囲のストレッチをして筋肉の柔軟性を高めていくことと、サポーターで肘を守りながらフォームを修正していくこと、この2つが対応の軸になってきます。

終わりに

 3回にわたってお送りしてきましたテニス肘対策シリーズはひとまずこれで終わりにします。細かいことを言えば対策は他にもあるかもしれませんが、note初心者なりに要点を絞って分かりやすさを心掛けたつもりです。今回のシリーズで触れられなかったことに関してはまた別の記事でお伝えしていきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました!この記事が皆さんのテニスライフのお役に立つものであれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?