冬の朝、ベランダで
ベランダに季節外れの蝶々が一羽、
ひらひらと羽を瞬かせていた
間違ったところへ来てしまったと、
忙しない低空飛行
とまる場所を探し、仕方なく着地しようとしては
何かを察して上昇する
そんな風にして一向に羽を休められないまま
不意に柵を越えていった
正しい進路を取り戻したのか、
ベランダを飛び回った延長があるだけなのか
それはわからない
ただ、白群にオレンジを少しだけ溶いたような空だった
あの人の朝は遅いのだろうか
夏には風通しの良いリビングの奥にある、
あの人のベランダには
木製の素敵なデッキチェアが置かれていた
僕は煙草を一本吸い終えたら、詩を書こうと思い立った
李朱
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