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あなたの死に際は誰が決める? (メインは無料)

病院で看護師をしていると亡くなる患者さんに立ち会うことがあります。

古いドラマとかだと
「今までありがとう…」
穏やかな表情で最後はうっすら笑顔になり、ガクッ。
ピー!(心電図が真っ直ぐに)
医者が腕時計をみながら「〇〇時〇〇分御臨終です」
ベッドの周りで見守る人たち「あなたー!」

とかですけど、現場でこのような場面はみたことはありません。


リアルな現場(御高齢の方)の話をすると、様々な病気で状態が悪くなるとキーパーソン(配偶者や子ども)に連絡を入れすぐ来てもらい、個室で病状説明があります。

そして、
主治医から現在の患者さんの状態の説明後に、今後の方向性を決めていきます。

亡くなりそうな本人が、事前に状態が悪くなった時の方向性をすでに決めていることは非常に少ないです。
状態が悪く意識がすでになかったり、認知症等のため自己決定が困難なためです。キーパーソンに今後の方向性を委ねられることが実際には多いです。

そして、これがまぁ、揉めることが少なくありません。

たとえば、キーパーソンの兄は絶対に助けてくれと希望し、弟は自然の流れに任せてくださいという感じです。

 家族の関係性が良好ならまだしも、悪いとなかなか結論に至りません。家族関係に関しては、外野がどうこう言えるものでもなく難しいのです。

亡くなりそうな患者さんの意識レベル、嚥下機能(食べ物を飲み込む能力)、全身状態、病気の進行状況、年齢等により様々な方向性が主治医から示されます。

方向性は主に5つ

① 亡くなりそうなったら、心臓マッサージや人工呼吸器を使ってとにかく命を助ける方向

②救命行為は行わず自然な流れに任せて点滴のみ行う方向

③点滴等一切医療行為はせずに経過をみて自然に亡くなるのを待つ方向

④ 胃ろうや経鼻胃管栄養、中心静脈栄養を行い生きていく方向

⑤ むせたり、窒息のリスクがあるが口から食べる方向。食べれなければそこが寿命と考える方向。

④と⑤は、すぐに亡くなる感じではなく、回復後の話ではありますが、方向性として確認されることがあります。

これを急に決めてくれと言われてあなたなら決めれますか?

あなたの大切な妻や夫、親の命の最後をあなたが決めるのです。

とても難しいですよね。
正直私も同じ状況ならとても悩むと思います。


そこで唯一の解決方法があります。

事前に本人の意向が分かればと一番いいと思いませんか?

そこでエンディングノートです。



この記事を書くにあたり、色々と調べると市役所の高齢者支援課に「老い支度ノート」というものがあったため頂きました。



ただ、これを勧めるタイミングが難しい。

久しぶりに親の実家に帰って、いきなり「これ書いて」と言ったら、親はなんて思うでしょうか。
親によっては「久しぶり家に帰ってきたと思ったら、こんなもの渡して早く死ねいうことか」とか言われそう。

そう考えたらなかなか手渡せませんね。

実際に私も次の帰省した時に渡そうと考えていますが、母親がやっと病院から退院したタイミングであり正直微妙です。
「退院したばっかりやのに、あんたこれ…」と言われそう。

そこで私が考えているのは、先に自分の分を書いておき親に見せてみようと考えています。

先ほど紹介した「老い支度ノート」。
実は3冊頂きました。両親の分と私の分です。

先に書いておき、見せながらこんな感じで「将来何があるから分からんからさ」と勧める予定です。

実際に勧めてみた結果はまた記事に書こうと考えています。

こういうエンディングノートは、両親が認知症になる前がベストです。

そして、書いたものは年に一度は気持ちに変わりはないかの確認も必要です。考え方は変わっていくものですから。

そして、自分だけでなくその人を支えるであろう家族で共有することが大切です。

このエンディングノートは法律的な効力はありません。ただ、家族で情報共有することで亡くなりそうな方が、最後をむかえる時の重要なものになることは間違いありません。

死に際をどうするかを考えることは最後の生き方を考えることです。

あなたはどう生きて、どう死にたいですか?

あなたの死に際は誰が決めますか?


ここまで、読んでいただきありがとうございました。

ここからは余談です。本当にただの余談です。

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