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マフィンに七味

マフィンに七味という、
僕には思いつかない組み合わせを、
I need some pepper
と、さらりと見せつけてくださいます彼女でございます。
ざくざくというほどに、
カリカリに焼いたマフィンの上に、
ミニトマトのスライス、ベーコン、
そして七味をぱぱっと振りかけて、
それはまあ小気味良い音を響かせて。
良いコマーシャルだな、
なんてその姿を眺めながら僕は思うわけでございますが、
What?
怪訝な表情の彼女。
じっと眺められたらそう言いますよね。
まあそんなことはさておき、
マフィンに七味という、
奇想天外とも言っても過言ではない(僕の中で)組み合わせでございますが、
しばらくじっと考えてみますと、
もし、七味が、
red pepperないしspicesなんて、
英語やカタカナで表記されていた場合、
僕はなんの違和感を感じることもなく、
マフィンにぱぱぱぱっと振りかけているだろうな、
そう思うわけでございます。
珈琲とコーヒーに微妙な差異を求めているように、
表記のされ方によって、
大いに影響を受けてしまう僕のようでございます。
豚汁にレッドペッパーと聞くと、
味を損なってしまうのではないかと、
どこか心配してしまうような感じですが、
豚汁に七味と聞くと、
うん、美味しいよね、
そう何度も心の中で頷いている自分自身を想像できてしまいます。
漢字、ひらがなで表記されているものには、
漢字、ひらがなで表記されているものを組み合わせることが望ましい、
そのようにDNAが訴えているようでございます。
不思議なものですね。
そんなDNAの訴えをさらりと越えて行ってしまう彼女の感覚は、
僕の中では圧巻でございまして、
まあそれはいとも簡単に僕を魅了してしまうわけでございます。
これからも僕の中で常識だと信じていたものは、
風に舞う落ち葉のごとく、
さらさらとどこかへ飛ばされていってしまうのでしょうね。
確信のようなものがございます。

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