ぶりのあら
スーパーでぶりのあらを見つけると、買わないという選択肢はございません。
ぶりの血合いがどうにも好きで、その部分を求めて、というところが一番。
天然と養殖と、2種類のぶりが売られておりますが、僕の口には養殖のものが合います。
天然は、たまに独特な臭いがして、心からおいしくいただけないことがございますので、敬遠しがちでございます。
天然と養殖と、その違いを教えてくれたのは母でございまして、母も養殖派。
食卓に出てきておりましたのが養殖がほとんどだったので、僕の舌がそちらに慣れているのもでかいのでしょうか。
以前、母から電話があった際、天然のぶりのあらの良い調理法なるものを伝授してくれました。
僕の記憶が正しければ、醤油、みりん、砂糖とともにぶりをフライパンに並べて、蓋をせずにぐつぐつ煮込む、そのようなもの。
蓋をしない、そこが肝なよう。
天然のぶりの調理法を電話でするとは、なんて電話を切った後、少しばかり変な気持ちがしておりました。
どうしてだろう、そう考えてみますと、僕が小さな頃、電話でよく母と母のお姉さんが、天然のぶりの調理法のような、レシピのコツ談義に花を咲かせていたのを思い出したからだろう、というところに落ち着きました。
大根の葉をこうして食べるとおいしい、そのようなお話に、小さな僕は、泥の味がしていたコーヒーのように、遠い遠い大人のお話で、面白くない、そのように感じていたように思いますが、歳を重ねて、ようやく、母が教えてくれる調理法に、へー、やってみよう、興味深く聞くようになりました。
このように、生活の知恵を獲得していくのでしょうね。
ネットで調べるとたくさん情報は手に入りますが、知恵袋に入るものは、特に生活の知恵は、このように直接手に入れたく思う僕でございます。
少しでも良いなと感じていただけたなら幸いです。 Instagram : clemandhiro こちらもどうぞよろしくお願いいたします。