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Watashi in NewYork (5)

暗い中、迷路を抜けていくと小部屋に出た。
ここからもう雰囲気たっぷりの、赤い緞帳、そして絨毯。
意味ありげな家具や調度品。
しばらくその部屋の椅子に座ったり、電話に触れたりしてみる。
そして部屋の奥には更に天井からかかる赤い緞帳が。

幾重にも重なるカーテンの向こうには、これまた雰囲気たっぷりなバーがあった。
Manderley Barと呼ばれるバーだった。

こんな感じの胸元パッカーンなお姉さんがお酒を売っている。
お金が無いのでそこはスルーして、空いている席に座ろうとバーの中をうろついていると二人組の女の子に声を掛けられた。

「トイレどこ?!」
「し、知りません…」
「知らんの?!」
みたいな…いや、知らんよ…。
服装が黒ネックにジーンズだから、他の人と比べてドシンプルなんですよ。
一見すると「スタッフっぽい」感じではあるので、だから聞かれたのかな~と。
しかも、指さし単語帳とかにさ「トイレットは便器の事だから、レストルームって聞こうね♪」みたいなの書いててなるほって思うじゃないですか。
そしたら普通に「トイレット」って言われて、私が習ったのと違う…的な。
通じりゃOKなんだな…って改めて思いました。
その後、うろうろしてたらトイレを発見したので、二人組さがして教えてあげました。どや顔で。

座った椅子が結構ぼろくてくたびれてた印象があった。
まあ年代を感じると言えばそうなんだけど。
そうしていると、順番にトランプの番号を呼ばれる。
…が、そんなの一回でききとれる訳なく、とりあえずエレベーターの近くに行っとくか!と思って前に出たらそのまま確認される事もなく、エレベーターに乗せられるのであった。

そしてこの時初めて仮面を渡され、しゃべってはいけない事、役者に絡んではいけない事を伝えられる。
また、体調が悪くなったりトイレに行きたくなったら、黒い仮面を付けたスタッフに声をかける様にも言われる。
ほとんど、聞き取れず事前に調査した内容だろうな~と思いつつ聞く。
そして、一番最後にエレベーターに乗り込んだ。

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