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夫婦のお金〜価値観が同じならOK?

「結婚するなら『価値観』が同じ人がいい。」

よく聞く意見だ。

普通、価値観が似ている人同士を『相性がいい』と言うと思う。

家計運営の面で考えてみた。

似てるって嬉しい

人は自分と共通点を持つ人に親近感を覚える。

それを心理学では「類似性の法則」と言うらしい。

確かに初めて会った人が、趣味や出身地が同じだったりしたら話が弾むだろう。

共通の話題で盛り上がれば、仲良くなって信頼感が増す。
これが男女だと、恋愛、結婚となりそうだ。

こうなると、『二人の価値観が完全に一致している』と勘違いしてしまう場合があってもおかしくない。

あくまで似ているのは趣味やいくつかの考え方であって、全ての価値観が一緒というわけではないのだけれど。

そして何年か経つと、互いの価値観の相違を知りびっくりする。

もしこの相違が『お金』のハナシだと大変。

喧嘩になる確率が高い。

じゃあお金についての価値観が全く一緒なら問題ないのか?

これがお金の難しいところで、そんな事はないという事例をお話ししたい。

悲しい話

私が子供の頃 、いいなぁと思っていたご夫婦がいた。

父の知り合いで、何回か会ったことがあった。

お二人ともめちゃくちゃ明るくて人がいい。
声が大きくて会うと元気を貰える、とても楽しい人たちだった。

ご主人は親から引き継いだ会社を経営していた。

ご夫婦ともに親が事業を成功させた、いわゆるお坊ちゃんとお嬢さま。

子どもの頃から何一つ不自由なく育った人たちだった。

生い立ちが似ており、出身地も同じ、お二人の考え方や価値観はかなり近かったと思う。

その後私はお二人には会わなくなっていった。

ある日、私は母からそのご夫婦の話を聞いた。

悲しい話だった。

お二人は詐欺に遭っていた。

お人よしのご主人が保証人になってしまって、多額の借金を背負い会社は倒産。

その後、あんなに仲良かったお二人は関係がうまくいかなくなったそうだ。
お子さんが2人いたが結局離婚してしまった、との事だった。

多分よくある話だ。
お人好しのお金持ちが騙されて無一文に。

お二人は『価値観が同じ』ご夫婦だった。

おそらくお金さえあれば、今でも仲良く大きな声で笑い合っているはずだ。

とても相性が良い二人だったが、お金については相性が良くなかった

車で言えば、お二人ともブレーキが壊れていた。
アクセルしかない。

ご主人が保証人になると言った時、奥様が反対すれば踏みとどまったかもしれない。

奥様もお人好し、たぶん二つ返事でOKしたんじゃないかなと思う。

まぁこれは極端な事例かもしれないが、価値観が同じなら良いわけではなく、真逆の方がいい場合もある。(アクセルとブレーキ)

お金の使い方

結婚するとふたりで家計を運営する

お金を稼ぎ、使い、貯めたり投資したりする。

他人に奢るのが好きな人もいる。
人から好かれそうだし、それはそれで悪くない。
でも自分のお金がないのに、人に奢ってばかりいたら破綻する。

決してお金を出さない人もいる。
それが自分のやり方だ、と言うならそれも別にいい。
でもお金を貯める事が人生の目的になってしまうと、お金に支配された人生になってしまう。

お金は人生のただの道具だ。

道具であるお金の使い方。

これが重要で難しい

使いすぎても、使わなすぎてもデメリットがある。

無謀な使い方をすれば、人生を破滅させる。

将来を考えて人生設計を考え、プランを練る。
その通りにならなくても、大失敗を避ける事ができる。

節約して貯金すること自体が、人生の目的になってしまう事がある。

お金は効果的に使えば、人生を充実したものにできる。

今この時の自分は、今しかいない。
今使うべきお金を使わずに、歳をとってから後悔することもあるかもしれない。

何でもそうだけど、バランスが一番大事
極端にどっちか(浪費か節約か)に行きすぎない、ちょうど良いところを見つけたい。(難しい)

この難しいバランスを取ることを、夫婦になると二人で一緒にやらなきゃいけない。

かなりの難易度。
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バランスの取れるちょうどいいところは、家庭ごとに違うだろう。

価値観の共有を

結婚する時は誰でも、この人とならうまく行くはずと思って結婚する。

でも今は3組に1組の夫婦が離婚する時代。

離婚の原因はいろいろある。

性格の不一致、不倫などが原因なら仕方がない。

でも、せっかく価値観が合うと思った人と幸せな家庭を作ったのに、

ただの道具である『お金のせい』で、壊れてしまうのは悲し過ぎる。

お互いの価値観が『違う』のは問題ではない。

お互いの価値観を『知らない』ことが問題だ。

夫婦はふたりで家計を運営する。

家族のお金を守らなくてはいけない。

チームプレーで、詐欺やぼったくりから家計を守り、互いに失敗を補い合う。

私も身に覚えがあるが、「喧嘩をしたくないから、思っていることを伝えない」と考えてしまう事がある。

喧嘩は嫌いだし、自分さえ我慢すれば良いと思ったりして。

側から見たら平和そうなんだけれど、誤解が誤解を生み、年々乖離がひどくなる

最近よく聞く熟年離婚で、ある日突然奥さんが離婚を切り出して、旦那さんは青天の霹靂というパターンは、これが多いんじゃないかと思う。

我慢を溜め込んでしまうと、修復不可能になる。

言いたいことは、早い段階で相手に伝えるべきだ。

人間はエスパーじゃないから、言われなければわからない。

察してなんかくれないし、勘違いしかしないものだ。

言ってしまえば、「えっ?そうだったの?」で終わることも多いんじゃないかと思う。
(私はそうだった)

そうじゃなくても、伝えないよりは伝えて話し合ったほうが、二人の将来のためには良い。

何もかも全部伝えろ、と言っているのではない。

せめて『お金に関する考え方や価値観』は、早い段階で共有した方がいい。

世界経済が不安定だ。

『危機は常に顔を変えてやってくる』と言う。
次にどんな危機が起こるかは、誰にもわからない。

ご夫婦でこれからの時代を乗り切るために、価値観を共有してお互いの違いを認識し、家計の攻めと防御の計画を立てて欲しいと思う。

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