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そのお菓子の記憶。

この間noteにつぶやきを残した、たべっ子どうぶつというお菓子。すごいロングセラー商品なんだってことは、それを書く時に何気に調べて知った。昔から、そんなにも色んな世代の人たちが食べてきたのかと、ちょっとワクワクした。

私にとってたべっ子どうぶつは、子供の頃、親よりも、田舎の祖母に買ってもらった印象が強い。

そこは山の中。隣の家は遠いし、スーパーはうんと遠い。自分の住む都会とは、何もかもが違っていて、夜もうんと暗かった。

だけど、新鮮なお米も野菜も果物も家にあって、それは贅沢なおやつにもなっていた。お餅やおまんじゅうも手作りしてくれた。仏様のおさがりも、おばあちゃんから貰っておいしくいただきました。ありがとうございます、ご先祖様。

私は田舎のそんなおやつが、どれも好きだった。

でもおばあちゃんは、私たちが行くときにはいつも、スーパーでおやつを買っておいてくれた。都会っ子の孫たちが飽きないようにと、思ってくれてたんだろう。そのおやつもまた、おいしかったし、うれしかった。

買っておいてくれるおやつは、いつも大体同じもので、同じものであることが、すごくうれしかった。いつものそれが、おじいちゃんおばあちゃんの家に来れたことの、うれしさを実感する光景の一つになっていたからだ。

そしてそのうちの一つが、たべっ子どうぶつだった。濃いピンク色の箱が、田舎の家では浮かんでるように見えたっけ。子供の自分には、場違いに見える「浮いてる」という概念はなく、ただ浮かんで見えていた。

それに、なんといっても英語だ。

おばあちゃん、これ英語だよ!

うちのおばあちゃんと英語。まるで結びつかない組み合せがまた、さらに印象深い。

たべっ子どうぶつはカルシウムとか入ってるそうだから、体によいおやつをと選んでくれてたのかな。英語の勉強も、ということはまさか無いだろう。

おばあちゃんはヤクルトとカルピスが好きなので、それもよく買っておいてくれたけど、ほら、やっぱり体によさそう。

それから、ビスコもね。

ビスコの赤は浮かんでなかったけど、たべっ子どうぶつの濃いピンクは、やっぱり浮かんで見えていた。それがそのお菓子の記憶だ。もちろん、味もおいしいけどね。

それにしても、どれもロングセラー商品なんだなぁ。おばあちゃんはもう居ないけど、これからも売っていて欲しい。自分で買って、記憶と一緒に味わい続けたいから。                                                                                                                                                                                                         

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