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就活を思い込みで乗り切ってしまった話

社会人3年目、忘れてしまわないうちに就職活動の記憶を書き起こしてみる。

私の就活はとにかく思い込みで乗り切ってしまった、という一言に尽きる。


◆私の就活 〜TAKE1〜


私は、人が集まる空間づくり・管理に関わる仕事ができる会社をいくつかの業界から探し出し、志望していた。

志望動機は、「人が集まる空間づくりを通して人々に+αの価値を提供することで、豊かな暮らしづくりに貢献したい」。
職種は、アルバイトの接客経験や「会社の顔として直接顧客と関われてやりがいがありそう」という動機から、総合職(あるいは営業職)を選んだ。
会社選びは、説明会や面接、座談会などで感じた社風・働く人の雰囲気を重視しつつ、自分が入社したらどんな風に仕事をすることになるのかということを一番の材料にして考えていた。

合否が出る度に一喜一憂して、「本当に就職なんてできるの?」と不安になることも多々あったけれど、就職氷河期ではなかったから、自分も周りもそこまで苦戦はしなかったと思う。

結果的に、5月に第一志望群の企業から総合職として内定をもらい、私の就職活動は無事終わった。


私の就職活動は、志望する企業に入れたという点では成功体験なのかもしれない。
しかし、今でも疑問に感じているのは、「私の就職活動は本当にこれでよかったのか?」「就職活動って一体なんだったの?」ということだ。


◆私の就活 〜TAKE2〜


もう一度私の就活を振り返ってみたい。

まずは志望動機。
もし就活のプロなどがこの理由を目にしたらツッコミどころ満載なのかもしれないけれど、ここで問題なのは内容の稚拙さではない。

自分の本音から目を逸らして、就活用の志望動機を作り上げたことだ。
私の志望動機は好きや憧れ、興味といった単純な気持ちに基づくものだったけれど、ESや面接ではどうしても格好がつかず、取り繕ってしまっていた。
なんだか薄っぺらい壮大な理由を何度も口にしているうちに、本来の自分の志望動機を見失ってしまったような気もする。
そもそも、「形式的な面接で志望動機を聞いたところで、企業側は何が分かるんだろうか?」というのはいまだに疑問である(採用知識のない素人目線ですが…)。


次に職種。
これに関しては、最も自分に暗示をかけてしまっていたことだと思う。

大学に行けば将来の選択肢は広がると思っていたし、周りからもそう言われていた。
けれど、たいした目的もなく文系私大生になってしまってから思ったのは、「おや?なんだか道がほぼ決まっていないか?」ということだった。単に私が保守的な性格だったから余計そう感じたのかもしれない。
とにかく私の視野はなぜか狭まってしまっていた。

私は総合職(営業職)をたくさんの選択肢の中から選んだわけではない。消去法で残ったのがそれしかないと思って受け入れたのだ。
しかも、「営業に向いている」と思い込んだ状態で就職活動を終えてしまった。自己分析もしていたはずなのに、自分にはその選択肢しかないから…と無意識に営業に向いているという方向に持っていってしまったのだ。
暗示がかかった状態の就活生の私は、普段の自分からは想像もつかないくらい「営業に向いている私」を演じていたと思う。


最後に会社選び。
これに関しては今も正解が全く分からない。
会社の基本情報、説明会、面接、先輩社員の話、口コミ…そういった材料から「この会社は良さそう」というざっくりした直感を信じて判断するしかなかった。
しかし、人の良さや業務内容などは、配属されてみないと分からないのが現実だと思う。メンバーシップ型雇用だから尚更なのだろうか。
色々な材料を揃えて想像を膨らませてから入社したにもかかわらず、それは所詮想像に過ぎず、ギャップを完全になくすことは出来なかった。


◆終わりに


自分の就活を思い返してみると、「私はこんな人間だ!」「これが向いているはず!」「この会社が合っている!」などと思い込んで自分の行動を正当化することで、上手いこと自分を納得させて終わらせてしまったことに後悔が残る。
とはいえ、今もう一度就活をやれと言われても正しい選択をできる自信はない。

たくさんの仕事が存在する中で、自分に合う仕事を見つけるのは途方もない作業に感じられる。ましてや社会に出たこともない新卒でそんな職場に出会うのは至難の業ではないだろうか。
現状行われている就職活動では、やはり運と縁の存在が大きいのだろうか…と思ってしまう。


『科学的な適職』という本の中で、「天職は養うもの」というような記述があった。
まだ働き始めて2年とちょっとだけれど、この言葉が真理なのかもしれないと感じている。

就職活動中、「どこかに自分の天職が存在するはずだ」と考えて無意識に期待していた。
けれど、仕事・職場探しをしていても、「これだ!」とすぐに分かることはほぼないだろう。
だからこそ、就職活動はせめて自分に嘘をつかず、「これが今の自分にとってベストの選択だ」と心の底から納得できるところをまず選んでみる(けれど期待しすぎない)ことが大切なのではないかと思う。

長くなったけれど、今就活している方々が心の底から納得できる、後悔しない選択をできることを祈っています。

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