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大学生が映画「タイタニック」を観て感じたこと

先日、タイタニック25周年3Dリマスター版を観に行った。

もちろん作品自体は幼い頃から知っていて、過去に金曜ロードショーなどで放送された際に観ていたので、ストーリーは既に分かっている状態だった。

しかしながら、私が今回タイタニックを観て感じたのは、この映画は劇場で観るために作られた映画であるということだ。

3Dということも相まって何より臨時感が半端なかった。あの感覚はスマホやテレビではとても味わえない。
感動の余り気付いたら二度も観てしまい、せっかくなので記録用に感じたことを綴っていこうと思う。(ストーリー自体の説明はしておりません。あくまで本編を観た感想と考察です。)


注意:この先映画本編のストーリーのネタバレが含まれます。タイタニックを鑑賞されたことがなく、一部分でもストーリーを知りたくないという方はご注意下さい。





・ジャックとキャル 

まず、何よりもレオナルド・ディカプリオ演じるジャックがかっこいい。
これはもはや言うまでもない。間違いなくあの時のレオ様は世界中で一番かっこいい男だった(異論は認めます)。

ジャックはローズよりも広い世界を見てきた人で、常にローズを広い愛で包んでいたのだなと。
息苦しい上流階級で生きてきたローズにとって、自由に生きて、自分に新しい世界を見せてくれるジャックに心惹かれたのは当然だと思う。お金がなくとも、ジャックには生きる力があった。

対するローズの婚約者のキャルは、お金があってもローズに大して強引で、いかにも上流階級の価値観を持った男性、というような人物。

自由を求めるローズにとって、どちらが魅力的だったかは明らかだ。

しかし、私はキャルにはキャルなりにローズへの確かな愛があったように感じた。上流階級に生まれ、お金でしかローズに対する愛を表すことができない。肝心のローズは自分には見向きもせず、突然現れた"根無し草"の青年に婚約者の心を奪われたとなれば、黙っていられない気持ちも少し理解できる。

キャルの最低な部分は多々あれど、最後にカルパチア号で、ローズを探したキャルは、ローズが持っている碧洋のハートを探していたわけではなく、間違いなくローズ自身を探していたのだと思う。碧洋のハートを渡した夜に、ローズに対して「心を開いてほしい」と言ったキャルの目には、確かにローズへの愛があったように感じた。


・繰り返された「I got you.」

劇中よく出てくる台詞で「I got you.」という言葉がある。ジャックがローズに手を差し伸べたり、手を握っていたりするシーンに、よく出てくるのだが、ここには大きな意味があるように感じた。

ローズはジャックに出会い、彼の手を取って広い世界へ羽ばたこうとする。同時にローズにとってジャックは自分をいつも守ってくれる存在でもあったということだ。しかしながら、船が沈み、海中で助けを待つ中でジャックは息絶えてしまう。ここでローズは一度は自分も諦めかけるものの、ジャックとの最後の約束を思い出し、生きようと決心するのだ。
そのためには、助けを求めに行くためにジャックの手を離さなければならなかった。

ここで、ローズ自らがジャックの手を離すということが重要なのだと思う。
籠の中の鳥だったローズが、ジャックに出会い新しい世界を知り、そして最後はジャックの手を離し自分自身の力で飛び立っていく。

このシーンにはそのような意図があったのではないかと感じた。

そして夢かあの世か、ラストシーンでローズはタイタニックの大時計の前で沢山の人々に祝福されながらジャックに再会し、再びその手を取った。

私は誰に何と言われようと「タイタニック」の結末は最高のハッピーエンドだと思う。


・タイタニックを観て感じたこと

タイタニックはテレビの放送で過去に観たことがあったが、やはりスクリーンで観ると感覚が全然違った。

そして何より、初めてタイタニックを観たときと、今回タイタニックを観た時では抱いた感想も違う。
以前観たときは純粋にジャックが死んでしまう結末を悲しみ、また、ジャックのローズに対する深い愛に感動した。
今回もその前提は変わらないのだが、以前との違いは、ローズからのジャックに対する愛の形に気付くことができたことだ。

初めて観たときは、ジャックの死後にローズが別の男性(カルバート)と結婚したと知って少し寂しさを感じたのだが、今回はむしろそれこそがローズのジャックに対する愛の形だったのだなと思った。結婚し、子供を産み、その子供たちを育て、暖かいベッドで死ぬ。
ローズはジャックとの最後の約束を守り、自分らしく生きて人生を駆け抜けたのだと。

もちろん、結婚した旦那さんに対してもきちんと愛はあったと思う。けれど、それとは別のもっと深い場所に、ローズはジャックへの愛をずっと抱いていたのではないか。
それこそ主題歌の「My heart will go on」の歌詞のように、ローズの心には常にジャックがいて、彼と共に人生を生きたのだろう。

だからローズは人生をかけてジャックへの愛を貫いたんだなと感じた。

そして何より、今回の鑑賞で気付いたのは、ジャックとローズ以外の脇役にもそれぞれしっかりとストーリーがあることだ。

船と共に運命を共にすると言った紳士、ベッドの上で抱き合う老夫婦、子供達を寝かしつける母親。

沈みかける船上で曲を奏で続けた演奏家たち、混乱に乗じて逃げたイズメイ、操舵室で最期を迎えた船長。そしてマードック。

以前は気付くことが出来なかった彼らの生き様や死に様から目を離すことができなかった。

タイタニックはただの恋愛映画ではない。
人間の生と死の物語だと思う。


最後になるが、私にはジャックのこのセリフが胸に残った。

「I figure life is a gift and I don’t intend on wasting it.
人生は贈り物。無駄にするつもりはない。

You never know what hand you’re gonna get dealt next.
誰も次にどんなカードが配られるか知ることはできない。

You learn to take life as it comes at you to make each day count.
与えられた日々が来るだけ。今を大切に。」


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