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11月29日(ワーホリ日記)~ピーターの肥料作り大作戦~

今日は朝から、ピーターの「肥料作り大作戦」を取材した。

ピーターはこの家のフロントヤードとバックヤードを最大限に活用して、住宅地にしては大規模な菜園を運営している。野菜もハーブもスパイスも育てているし、何ならニワトリも飼っている。いわば住宅地農場である。
そして、その植物たちを育てる肥料、これも自家製で作っている。

今日はピーターにその自家製肥料を作る作業工程を取材させてもらった。

さて、ピーターには「11時ぐらいから作業を始めるから、取材するなら余裕を見て少なくとも10時には起きておいてね」と前日に言われていたのだが、起きたのは10時半。
携帯のアラームを3つもセットしていたのにも関わらず全然起きれず。
やっとこさ起床し、スマホを見るとピーターからメールが届いており、「もうすぐ始めるよ」との一言。

ファック!!

すぐに起きて、急いで2階に上がっていくと、ちょうどピーターがやってきて「やっと起きたね。もう少しで見逃すところだったよ」と言う。

ああ、まだ間に合ったか!!

良かった、、、

作業に取り掛かるまで、まだ少し時間があると言うので、急いで朝食をとる。
予定時刻に起きれなくて申し訳ないなあと思っていると、ピーターはそんな寝坊マンの僕にさえ「コーヒーいる?」と豆から挽いたコーヒーを淹れてくれた。
なんて優しいのだろうか、、、

トーストをコーヒーと共にいただく。

ピーター製コーヒー

さて朝食を済ませると、時間が来たので、二人でフロントヤードへ。
フロントヤードに着くと、何やらビニールで覆わられている落ち葉の山がある。

この落ち葉の下には主に馬の糞と落ち葉など(有機物)を混ぜ合わしたものが埋まっているらしく、この混合物を時間をかけてじっくりと発酵させることで肥料ができるのだそうだ。
今回のミッションはこの混合物を攪拌(かくはん)すること。
ピーターの英語が正確に聴き取れず、結局、攪拌することで何がどうなるのかは全然分からなかったのだが、とにかくこの攪拌作業が肥料を作る過程で重要なのだそうだ。

ピーターが作業の用意をする間、目の前の山をボーっと眺めていると、ピーターが山を指して「ちょっと触ってみ?」と言うので、ビニールの上からその山の表面を触ってみると、、、

なんか温かい、、、

「温かいね」と言うと、ピーターは「バクテリアが働いているんだ」と教えてくれる。

それから準備ができると、ピーターは落ち葉の上に被さっているビニールを取っていく。
すると、、、

ビニールを剥ぐと、たちまち蒸気が立ち上る

まるで温泉を掘り当てたかのような光景。
この蒸気の正体は、微生物が有機物を分解した時に出る水分(ガス?)なのだとか。
正直、仕組みがよく分かっていない。

それにしても、、、

すごい臭いである、、、、
まさに糞が発酵したような臭い、、、

ゴホッゴホッッ

発酵した糞を嗅いだことがある訳ではないのだが、そんなイメージの臭いである。

ゴホッ

作業に取り掛かる前に堆肥の温度を測るピーター
摂氏150度らしく、華氏にすると65度ぐらい。
結構、熱い
スコップを持って作業開始
攪拌していく
すぐ暑くなりジャケットを脱ぐ
真ん中に行くほど熱くなるらしく、
攪拌するほど蒸気が出てくる
ひたすら攪拌
もろに蒸気につつまれるピーター
「臭くないの?」と聞いたら、「最高の香りだ」と
なんかカッコいい
映画『ターミネーター』の
ターミネーターの登場シーンさながら

さて、写真を見てお分かりいただけるだろうが、これ、住宅地である。
住宅が立ち並ぶ場所でこの作業はなかなかである。なにせこの蒸気がかなり臭うのだ。

こんなん、ここでやっても大丈夫なの?

そんな疑問が沸き起こるが、実際ピーターもその辺りは少し気にしており、通行人が来る度、「臭うかな?ちょっと肥料を作ってるんだ」と声をかけていた。

たしかに、この臭いが気にならない人はいないだろう、、、

と言っても、この臭いも一時的なものである。
攪拌作業が終わるやいなや、たくさんの落ち葉でその肥料の山を埋めつくしていく。主な目的としては臭い対策らしい。そりゃそうだ。

攪拌した肥料の上にたくさんの落ち葉を盛っていく
そのうち蒸気が消える
この時点でもう臭いを感じなかった
さらにそれをビニールでカバー
さらにそのビニールの周りを落ち葉でカバー
そして、元の状態に
もう全く何も臭わない


これで無事、作業は終了。

なかなか面白いものを見せてもらった。

この肥料によって、たくさんの庭の野菜が育つ。
この家の庭で収穫された野菜は折に触れて僕らの食卓にも並んでいる。
我々の食卓が彩られるのも、まさにこの肥料があってこそなのである。

肥料よ、たくさん発酵してたくさん育ってくれ。

そして、ピーター、ありがとう。
作業おつかれさまでした。





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