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12月10日(ワーホリ日記)~ありがとうアーヴィン、ゲートD~

今日は午前からトキと僕でアーヴィンを空港まで送ってきた。
ホームステイ先まで迎えに行くと、アーヴィンは大きなスーツケース1つと、ピンク色のかわいらしい小さなスーツケースを持って現れた。そのピンクのスーツケースがあまりに女性モノっぽく見えたので、気になって「誰の?」と尋ねると、お母さんから借りて来たものだと言う。荷物が多かったので、スーツケースが2つ必要だったのだと。

空港に行くまでの間、僕はそのピンクのスーツケースを持つ担当だったが、電車やバスに乗っている時に自分のスーツケースだと思われてないかちょっと周りの目が気になった。

空港に到着し、アーヴィンが大きなスーツケースをチェックインしたあと、3人で構内のフードコートに行ってご飯を食べた。僕とトキはフィッシュアンドチップス、アーヴィンはハンバーガーを食べた。
昼食を終えると、ティムホートンへ移動して、テーブル席でコーヒーをすすりながら、アーヴィンが15時に保安検査所に行くまでの間、だらだら時間をつぶした。

最後だからと言って、特別な会話はしなかった。
相変わらずトキのホームステイ先の愚痴やら、カフェ店でコーヒーを購入した際、手が熱くならないようにカップに被せるあの厚紙は英語で何と言うのか?とか、コーヒーにクリームや砂糖を入れてかき混ぜるためのあの木の棒は英語で何て言うのか?だとか、どうでも良いような会話しかしなかったと思う。

時間が近づくと、「そろそろだね」と言って、3人で指定の保安検査所ゲートへ向かった。
ゲートへ向かう途中、大きな木のモニュメント(木こりの人形?)があったので、その前で最後に3人で写真を撮った。

アーヴィンの保安検査所ゲートはゲートDだった。ゲートDはトイレの横にあった。

「えっ?これ、ゲート?」と思ってしまうほど、質素なゲートで、まるでスタッフの通用口。
通路にただパーテーションが立ててあり、ゲートの前にチケットをチェックする空港の職員が一人ポツンと立っているのみ。

なんかショボイな、、、


保安検査所ゲートと言えば、中部国際空港や成田空港でもそうだが、もっと、なんというか、「旅立ち」の雰囲気があるものだ。
ゲートの入り口はもっと広いし、人の列を整備するための整備用ロープがあったりして目立つし、そこで人々が友人や家族との別れを惜しんでハグしたり、手を振ったりして、まさに「旅立ち」に相応しいような雰囲気がある。少なくともそういうイメージがある。

しかし、ゲートDはまるで違った。「ちょうど隙間があったので、ゲート作ってみました」とでも言わんばかりの素っ気なさで、「旅立ち」の雰囲気なんてものは微塵もなかった。

僕たちはそんなちっとも旅立ち感のないゲートの前で、アーヴィンと別れのあいさつを交わした。
「さみしくなるけど、向こうでも元気でね。また会えることを願ってるよ」
「ありがとう。みんなも元気でね。君たちに会えてホントによかった」
お互いにハグを交わす。
「みんな、いろいろありがとう!バイバイ!」
「こちらこそ、ありがとう!バイバイ!」

別れを交すと、アーヴィンはスタッフ用通用口、いや、ゲートDの方へ歩いていき、職員にチケットを見せると、もう一度こちらに向かって笑顔で手を振り、それからパーテーションの向こうに消えていった。パーテーションの下からアーヴィンの靴とピンク色のスーツケースが進んでいくのが見えて、その様子が一瞬、学校の身体測定を思い出したが、その靴とスーツケースがパーテーションの下からも消えてしまうと、いよいよアーヴィンは行ってしまったんだな、と感じた。

それからトキと途中まで一緒に帰って、ランガラ駅で別れた。

帰り道、雨の中、ひとり家まで歩いていると急にさみしくなってきた。

もうアーヴィンはいないんだよな、、、

この2か月、ほとんどアーヴィンとばかり遊んでいたので、急にひとりぼっちになった気がした。

外出も減りそうだなあ、、、

いつもアーヴィンは僕を外に連れ出してくれた。
アーヴィンといろいろバンクーバーを観光した。

そろそろ何かやること見つけないと、と思った。
本気で仕事探ししないとな。

明日仕事を探してみよう。


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