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11月30日(ワーホリ日記)〜ピーターと失われしピザ窯~

今日はピーターとおしゃべりをしながら昼飯を食べた。
ピーターが「夕飯にピザでも食べようかな」と言ったので僕が「この家なら庭も広いし、ピザ焼くためのオーブン(ピザ窯)とか作れそうだよね」と何気なく言うと、「実は以前に庭に窯があったんだよ」と昔話を始めた。

以前、大変な労力と時間をかけて(毎日仕事から帰ってきて、夜から窯作りに取り掛かり朝5時ぐらいまで作業して、約1か月かけて)、バックヤードに自分ひとりの力で粘土やレンガを使って大きな窯を作ったのだが、ある日、その窯に興味を持っていた近所のフランス人が尋ねて来て、試しに窯いっぱいに大きな木を詰め込んで焼いたら、とんでもなく大きな炎が上がったらしく、それが原因で消防車が来たのだそうだ。

それから色々とピーターに指導が入ったらしく、ピーターはその後、また大変な労力と時間をかけて、窯の壁を強化したり、窯の上に屋根を設置したりと、窯の強化と保護のため大改修を行ったらしいのだが、冬が来て、雪が屋根に積もり、雪が解けて屋根から垂れた水滴が窯を漏らし、ついには極寒の中で窯が凍ってしまい、いつの間にか崩壊してしまったそうだ。
ピーターとしては、ものすごい時間と労力を割いて作っただけに、まるで自分の子供のような存在だったらしく当時は相当ショックだったようだ。
しばらくの間、沈んで立ち直れなかったという。

「悲しい話だね」と言うと、
「ああ、悲しい話さ」と言っていた。

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