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投資の基本(1)PERについて

投資を始めると必ず耳にする株価指標の1つ。PERについて今回は説明していきます。

PERとは

PER(Price Earnings Ratio)とは、株価収益率と呼ばれており、利益から株価を見て割安かどうかを判断する株価指標です。PERの単位は倍です。そしてこの株価指標は相対的に比較するのに使います。

計算式

PER = 株価 ÷ 一株あたり当期純利益

一株あたり当期純利益とは、EPSとも呼ばれており、企業が売上等から費用や税金等を差し引いて最終的に手元に残ったお金を発行している株式数で割ったものです。
これを聞いてアレルギーある人は嫌になるかもしれませんが、どういったものかは最初はあんまり気にしなくて良いです。自分で計算して出すものでもなく、ネット等に載っているので。

PERの考え方

ここでPERの算出例を出します。

(例)株価1,000円、EPS200円の時のPER
1,000円 ÷ 200円 = 5倍

ここで理解して頂きたいのは結局PERは何を意味しているの?というところです。


EPSは企業の稼いだお金を株式数で割ったやつと説明しましたが、これは1年間で1株あたりいくらの利益をあげたんですか?という意味です。

つまり、株価1,000円を1株買った場合1,000円を払うことになりますが、これを何年間で回収できるのか?を意味しているのがPERなのです。


図表で表すと上記のようになります。


PERの使い方

では、PERの使い方について説明していきます。下記例をご覧下さい

(例)
A 株、株価1,000円、EPS200円
B 株、株価1,000円、EPS100円

A株とB株、どちらに投資をしたら良いでしょうか?

先程までの説明したことを整理すると、PERは、株価÷EPSで求められます。求めたPERの意味は投資した金額を何年間で回収できるかを表しています。


答えは決まりましたでしょうか?



答えはA株です。
では、理由についてですが、まず初めにそれぞれのPERを求めてみたいと思います。

A株:1,000円 ÷ 200円 = 5倍
B株:1,000円 ÷ 100円 = 10倍

それぞれのPERは以上のようになります。
では、どちらが良いかですが、先程も説明した通り、PERは投資した金額を何年間で回収できるかを表しています。
つまり、これを置き換えて考えていくと

A株:投資した金額を10年間で回収
B株:投資した金額を20年間で回収

ということになります。これをみてどちらに投資をしたいでしょうか?
当然、投資した金額の回収期間が短いA株ですよね。

PERはこのように企業と企業を相対的に比較して使う指標になります。


こちらの方が視覚的にわかりやすいかもしれません。A株は投資した1,000円を5年で回収でき、B株は10年で回収できます。

※以下C株、D株の例を追加

もう一つ例を出してみます。
C株 株価 500円、EPS 25円
D株 株価 1,500円、EPS 150円
さあ、どちらの方が良いでしょうか?



答えは、D株です。
株価だけを見ると、C株の方が低いので何となく「価格が安い!!」と思ってしまいがちですが、その見方だけをしないように気を付けてください。
(株価が高いことによる効果があったりもしますので悪いというわけではなく、それだけで判断しないようにということです。)
C株 株価 500円 ÷ EPS 25円=20倍
D株 株価 1,500円 ÷ EPS 150円=10倍
計算してみると以上のようになります。株価が安いのには安いなりの理由があり、稼ぐ力がD株と比較すると低い(投資資金の回収期間が長い)のがわかりますね。

注意点

PERは以上のように比較して使用するものですが、比較する企業の選び方には注意が必要です。

超大手と中堅で比較することや、違う業種の企業同士を比較することにはあまり意味がありません。

超大手は企業として成熟していますので、比較的安定して利益を得られることから同業の中堅企業と比較するとPERは低く出る傾向があります。
反対に、中堅企業は未成熟の企業であるため利益が安定しないことから超大手と比較して比較的PERが高く出る傾向があります。

また、違う業種で見た場合は、業界によって収益性の違いや成長性の違いから比較することにあまり意味がないと考えられます。

比較する上では、同業界や同じような仕事をやっている企業同士であることや、規模も同程度くらいの企業であることが大事になってきます。


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