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夢を追うすべての人が陥るかもしれない罠【感想:ネタバレ注意】【劇場版ウマ娘】

どんな映画?「ウマ娘プリティーダービー新時代の扉」

自由気ままなフリースタイル・レースで、
最強を目指して走り続けてきたウマ娘の少女、ポッケことジャングルポケット。
気まぐれに観戦した<トゥインクル・シリーズ>のレースで、
フジキセキの走りに衝撃を受けたポッケは、
自らも<トゥインクル・シリーズ>に挑むことを決意する。

ウマ娘たちの集う『トレセン学園』に入ったポッケは、フジキセキを育てたタナベトレーナーのもと、
一生に一度しか挑戦を許されない『クラシック三冠レース』に挑む。
そこに待ち受けていたのは、ポッケをもしのぐ実力をもつ同世代のライバルたちだった。

劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』 公式サイト (movie-umamusume.jp)

私が惹かれた映画のワンシーン

*ここから一部ネタバレを含みます。

経緯

主人公のジャングルポケット(ポッケ)はフジキセキに憧れて、公式レースであるトゥインクルシリーズへ参入した。彼女の目的は最強のウマ娘になること!彼女は監督のタナベトレーナーの指導の下、レースを順調に勝ち進んでいた。しかし、アグネスタキオンに出会い、タキオンの突出した走りに圧倒的な差を見せつけられるポッケ。タキオンに勝つべく奮闘していたが、結局、彼女はレースで、一度もタキオンに勝つことは叶わなかったそんな中、タキオンがレースを引退。ポッケはその後もレースを続けるが、タキオンの幻影に悩ませられる日々を送っていた…。

「ポッケ」と「フジキセキ」の並走

ジャングルポケットはレース中に感じてしまったアグネスタキオンの幻影、そして「タキオンには絶対勝てない」と告げる自分自身の幻に囚われていました。レース結果が振るわない中、国内外の優れた選手が一堂に会するジャパンカップが刻一刻と迫っていました。

自分自身の幻に囚われ続けるジャングルポケットに、フジキセキは自身もまた「4戦4勝」の幻が今も消えずにいると明かします。そして「オレは最強じゃない」と弱音を吐くポッケに「でも君は走っている」「まだ走れる」と答えます。

翌朝。前日にフジキセキから「河川敷の練習場に来て」と言われていたジャングルポケットの前に現れたのは、かつての勝負服を身に付けたフジでした。
練習場での二人きりのレースでジャングルポケットは、再び立ちはだかる幻によって心と走りが揺らぎます。しかし、かつての自身には程遠いと痛感しながらも、《自分の時代》は終わったと悟りながらも、それでも諦めず己の幻を乗り越えようとするフジキセキの走りを目にします。

自身をトゥインクル・シリーズへの挑戦に誘ってくれたフジキセキの走りで目が覚め、「何のために走っているのか」を思い出せたジャングルポケット。そしてフジ自身も、タナベとともに再びレースの世界に挑戦することを決意しました。

【ネタバレ】映画ウマ娘|評価感想と解説考察。新時代の扉/劇場版がジャングルポケットを中心に描く“可能性の光”というシリーズの魅力の原点 (cinemarche.net)

「手段と目的を履違えるな」という気づき

私は映画を見て、「手段と目的」これを明確にして物事に、特に夢には取り組まなければならないと感じました。ジャングルポケットはフジキセキの姿を見て憧れを感じ、「最強のウマ娘になる」こと目的に置き、公式レースで出走していました。しかし、キャリアを重ねる中でアグネスタキオンという高い壁にぶつかりました。タキオンからの敗北をきっかけに彼女の中で最強になるという目的をかなえるための手段の内に、彼女への勝利が追加されました。しかし、タキオンがいたシーズン中ポッケは彼女を超えることはできず、タキオンの引退後も彼女の幻影「タキオンには絶対勝てない」と告げる自分自身の幻に苦しみます。

ここからポッケの中で、手段と目的が逆転してしまったことが分かります。タキオンに勝つという最強になるための手段だったマインドが、いつの間にか目的に代わってしまっていたのです。

フジキセキとの並走以前まで、ポッケ自身がその変化に気づくことはなく、視野が狭くなっていたのかと考えられました。

高い目的をもって物事に取り組むことは重要ですが、大きな壁にぶつかったときに、それにのめりこみすぎないことも大事だと気づかされました。





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