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『アダルトグッズ店が僕の青春だった。 』   その③「ロリコンは手を繋ぎたい」


一体なぜアダルトグッズ店で働いてたことについて書いているのか。

その理由は俺にもよく分かっていない。
だがあの頃の日々は本当に刺激的で、今ではノスタルジックな思い出となり、時たま俺も過去を懐かしむような歳になった。

ただそれだけのことだと思う。
自分だけの思い出として語らずにいるのもいいが、だけどこんな面白い世界を独り占めしていいのだろうかと思わなくもない。


きっと俺のように日々の変わり映えのない生活にうんざりして、何かしらの事件が人生に起きるのを待ち侘びているやつも大勢いるだろう。
この文章を読んでる君もきっとそうじゃないか?

それに文章を書くというのは面白いことだ。人に伝えるために普段使わない脳をそれなりに回転させ、何かを生み出そうとする行為は、日々の生活にはないクリエイティブな作業だ。クリエイター気取りかよと自分でも思ってしまうが。

また文章を書くことで、改めて自分の過去を見つめなおすことができる。
あの時自分は何を感じ、そしてどういう行動に至ったのか。
それが分かれば、自ずと自身という人間がどのようにして構築していったのかを理解できる。

まぁ単なる自己満足である。



・ロリコン大学生の池田さん

前回、俺は池田さんという大学生について軽くだが触れた。
俺はアダルトグッズ店でバイトしている時に土日にシフトを入れていたが、土曜に同じ時間帯に働いていたのがこの池田さんだった。

池田さんのプロフィールについてざっと書こう。

・俺と同じ大学生で一個歳上だった
・通ってる大学は俺のいた大学の近くにあった仏教系の学校
・背が低いがガッシリとした体格
・趣味は旅行
・明るい変人
・ロリコン

初めて出勤した日に出会ったのが彼だった。それ以降彼とは週に一回は顔を合わせるようになり、主に仕事を教えてくれたのも彼だった。
仕事はかなり出来ていた方だと思う。何をやるにしてもテキパキしていて、不測の事態への対処も落ち着いていたものだった。
そのためか副店長からの信頼が厚く、時給が他のバイトよりも僅かだが高かった。
仕事ができる人にありがちだが、せっかちであり、少々頭に血が上りやすいのが弱点でもあった。

性格面では陽性の人であり、アニメや漫画などのエンタメについて一方的に熱く語ってはいたが、話術があり相手を退屈させることのない人だった。
全体的に見ればやはり優秀な人だった。

ただアダルトグッズ店で働いてるということもあり、癖のある人ではある。
まだバイトを始めたばかりの頃、レジ内にあるパソコンを使い俺に色んな世界を教えてくれた。
「河童伝説」「糞食漢」というまぁゲテモノ系AVを俺に見せたりしてイヒヒッと楽しそうに笑ってる人だった。
やはり普通の人とは違い、どこかイビツなのである。

彼の最もイビツな部分というのは、彼がロリコンということにある。
これは後々知ったことだった。
彼は俺には言わなかったが、ボーイスカウトによく参加していた。
ボーイスカウトとは少年少女がキャンプに参加してあれこれするアレである。(俺もよくわかっていない)
ボーイスカウトには少年少女だけでなく、それを指導する大人も必要とする。
彼は休日にその指導者をやっていたらしい。

ではなぜ彼はそんなことをやっていたのか?
ヘンタイな彼がボーイスカウトなんて善良なモノに興味があるとは想像しにくい。
俺にはその動機がよく分からなかった。
その答えは….


「女子小学生と合法的に手を繋げるから」

これには驚いた。あまりに斜め上からの答えだった。
俺は今まで自称ロリコンは見てきたが、せいぜい奴らは高校生とS○Xしたことを自慢する程度のファッションロリコンである。それも立派な犯罪だが。
だが池田さんは違った。彼はちゃんとロリータを愛していたのだ。
そしてロリコンである彼は罪を犯さずに合法的に少女と手を繋ぐ方法を模索し、生み出したのがボーイスカウトに参加することだった。

ボーイスカウトを始めた動機にドン引きしながも、その発想の転換には少し感心しなくもなかった。
一応、少女を傷つけてはならないという彼なりの倫理観もあり、こうした結論に至ったのかもしれない。

俺だって好きな女の子とは手を繋ぎたいとは思うが、でも躊躇してしまうし、勇気がでない。
ロリコンのそれは俺とは比べものにはならないだろう。なんせ少女を愛するということは許されぬことなのだから。
それを飛び越えてしまった池田さんは、間違いなく狂人だった。



今回の話はこれで終わりである。
ちなみに先程、記事に書いた「河童伝説」と「糞食漢」とはどのようなAV作品なのか。
軽くだが説明しておこう。

「河童伝説」はオバさんの身体を全身緑色に塗って河童のような見た目にし、それを河童ハンターが捕まえてS○Xする話である。
「糞食漢」についてだが、クソミソミートボールという独自の料理が作品内に登場することで、大体のことは察せるだろう。
もちろん検索注意である。

(続く)

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