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過呼吸、過呼吸を助ける

先日、少し早い夏休みという事で二家族で温泉街に行ってきました。
それで、360段の階段を上ってきたのです。

伊香保温泉石階段
・約400年の歴史あり、山形県の山寺、香川県の金比羅と並び日本三大名の石階段。
・石段は2010年に改修延伸され360段、1年間365日の繁栄の願いが込められている。標高約995m。

これは!足と腰にくるぞ!と覚悟を決めつつ、翌日の疲労困憊を想像しながら、上ることを決めた。
8月上旬、そこまでの人出ではないものの、家族や、学生、カップル、怪しいカップル。(夫婦ではなさそう)
赤ちゃんを抱っこひもで抱きながら上るママさん。
水筒をぶら下げて元気いっぱいの小学生。
大学生っぽい集団は…ゼミかな?友達かな?
天気は雨が心配されていたけれど、晴れていたので一安心。
暑いといえば暑いけど地元に比べればこんなの余裕!くらいの暑さ。

半分もいかないうちに、日頃の運動不足を恨んだけど、なんとか行けそうな気がする。
一端、止まって階段を見上げたときに、一人の若い大学生くらいの女の子が数メートル前にいた。
まわりには誰もいないなあ。一人で上っている。真ん中の手すりに捕まりながら、というよりしがみつきながら、一歩一歩足をあげていた。フラフラしている。

「大丈夫、あのこ」
私は一人言を言いながら、離れたところで下から上がっていった。

ちょうど三分の一くらい上がった所だった。
踊り場があって、左右にお土産やさんとソフトクリーム屋さんがあって、人が出入りしている。
お土産やさんの入り口の側でさっきの女の子が膝まずいて座り込んでいるのが見えた。
「ハアハアハアハア…」
苦しそうに呼吸をして、というより息吸えてる?

過呼吸

私は経験者。

「どうしたの?苦しくなっちゃった?」
なるべく小さい声で話しかけた。
周りにお友達なのか?ゼミとかサークルの仲間なのか三人の女の子がいて、集まってきた。

ハアハア言ってる。苦しいよね。

私は自分の経験があるので、すぐ声をかけてしまった。
「いい?息をゆっくり吸うよ?2回ね。いーち、にぃ」
「そうそう、次は吐くよ?ゆっくりね、フー、そう。吐いて、吐いて、吐いて、もっと。ながーく。」

吐ききった。
「もう1回吸うよ?いーち、にぃ」
「はい、はくよ、ゆっくり。」

ポイントは息を吸う、吐くを1:2の割合で行い、1回の呼吸に10秒ぐらいかけてゆっくり行うこと。
このとき、周囲にいる人が過剰に心配し反応してしまうと、本人が余計に不安定となり、却って症状が悪化することもあるので、なるべく冷静に対処する。

私は2回吸って7~8回吐くと教わったので、
女の子にはそんな風に対処してしまった。

3回くらいでおさまってきたので、背中をさすったり、「大丈夫だよ!」
と言い続けた。

「もう大丈夫です。すみません」

その子が声を出したので、
「声出せたね?もう一回言える?」

「はい、大丈夫です」

ワラワラと男女の友達らしき子達が集まってきて、声をかけたりお茶を差し出したりしていた。

思わず
「ここから先はもうやめた方がいいんじゃない?」
と、優しく(強調)言ってみた。

若人は
「そうっすよね。わかりました。ありがとうございました。」
と言っていた。
過呼吸、過喚起症候群もちのおばさんの私だけど、
あの女の子は、この人は何かを知っている人だと思って安心したことで早く収まったのかもしれない。

私がぎっくり腰からの過呼吸で救急車を呼んだとき、救急隊員の方の顔を見て、すぐに収まってしまった。

プロがいてくれることで安定した。

あの症状ははげしい運動でも出るし、精神的に不安が強くなったときにも出る。
人それぞれなので、もしかしたら病院に行って詳しく検査をした方がいいのかもしれない?
なんて
後になって思ったけれど。

娘たちが私に寄ってきて
「やるじゃん!」
と言った。
「だろ?」
私は返した。

同じように人に助けてもらって、今度は人助けをした。

人に起こるすべての事に意味がある。

あの時、
とてもそんな風に思えないよ!って思っていいたけど、今は良かったのかもしれないなと思っている。

あの女の子は、色々考えてしまうかもしれないけど、大丈夫。
大丈夫
大丈夫

説得力もなにもないけど、大丈夫だよ。

もっと良い過呼吸の収まりかた、知っている人がいたら教えてください。

それでは

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