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ジュニアNISAこれからどうしたらいいの?

2024年から新NISAが始まり、ジュニアNISAの制度は2023年で廃止になりました。これに伴い今まで保有してきた商品、教育資金はどうしたらいいの?と悩むご家庭も多いかと思います。
私もその1人で制度も分かりずらく困惑していたので、いろいろ調べてみた結果をまとめてみました。


ジュニアNISAとは?
そもそも、ジュニアNISAとはどんな制度?ということですが、子供が成人になるまでお金を運用し、教育資金など将来の為に資産形成が出来る制度になります。
1年で最大80万円まで投資ができ、投資した年から5年間は利益に対し税金がかからず、成人になるまで保有期間が設けられています。
その為、2023年までは成人になるまで現金を引き出し出来ないようになっていました。


2024年からどう変わった?
2023年で制度が廃止された為、成人になるまでは現金を引き出し出来ないようになっていましたが、2024年からは成人になる前に引き出しが可能になりました。
成人年齢は以前は20歳でしたが、2022年4月からは18歳になっている為、18歳になる前でも引き出しが出来ると言う事になります。

また、以前は成人になった時点で成人用のNISA口座が自動開設され、そちらに今まで運用してきた商品を移して更に運用し続ける事が出来ましたが、2024年からは成人になった時点で新NISAの口座は自動開設されますが、旧NISAからの移動は出来なくなっています。


では18歳になったらどうすればいいの?
18歳になってからのパターンは3つです。

1.新NISA口座で新たに買い付けをする。
2.売却して現金として引き出す。
3.課税口座で運用を続ける

18歳になった年の翌1月に新NISA口座が自動開設されます。それと同時にジュニアNISAで保有してきた商品は課税口座へ引き出しされます。
そのまま課税口座での運用も出来ますが、運用益に対して約20%の税金がかかるようになります。
また、損失した状態で課税口座に引き出され、その後回復した場合でも利益に対しては税金がかかってしまいますので注意が必要です。

例えば投資額100万円の場合
①課税口座に引き出された後120万円に利益が増えた場合、その増えた20万円に対し税金がかかります。
②100万円の投資額が課税口座に引き出される前に80万円と損失していた場合
その後100万円まで回復したとしても、その増えた20万円に対して税金がかかります。
あくまでも課税口座に引き出しされた時点での金額が基準額となります。

上記の事から18歳を迎えた時点で目標金額に達していれば、現金として引き出しをし、大学費用等に充てるのも一つの考えです。もう少し運用したいと思う方は、新NISA口座で新たに買い付けをし、非課税で運用を続けていく事も出来ます。
新NISAはジュニアNISAと違い運用期間が決められておらず、現金としての引き出しはいつでも可能ですので、使い勝手はかなり良くなっています。

 
成人(18歳)になる前に引き出したい場合は?
2023年までは、成人になるまで原則引き出す事は出来ませんでしたが、2024年以降は成人になる前でも非課税で引き出しが出来るようになっています。
但し、一部だけを引き出し、残りは運用を続けると言う事は出来ず、全てを売却し尚且つジュニアNISA口座を解約しなければなりません。
その為、18歳になるまで非課税で運用出来る機関がなくなり、子供が成人になったら改めて新NISA口座の開設が必要となってきます。

保有期間5年間の間に成人になった場合
保有期間5年を過ぎた後に成人になった場合は、成人になった時点で課税口座に引き出しされますが、成人になってもまだ保有期間内であれば、その期間内はジュニアNISA口座で保有されます。

口座解約は金融機関にもよると思いますが、書面での手続きが必要になりますので、まずは金融機関へ連絡してみて下さい。
また、ジュニアNISA口座を開設した際、親権者の証券口座を同じ金融機関で作っていなかった場合、開設を求められる事もあり、親の証券口座を開設後、ジュニアNISA口座の解約と言う流れになっていきます。
(NISA口座は1つの金融機関で1つしか作れませんが、証券口座は他の金融機関でも作れます。)


再投資は一括投資?積み立て投資?
ジュニアNISAで運用してきた資産を新NISAで再投資すると言う場合、2つの選択肢があります。
1つは一括投資です。一括投資は元手が多いので、短期間でも多くの運用益をもたらす可能性があります。その反面、株価が下落した際に、損失額も多くなる可能性があります。
一方積み立て投資は、ドル・コスト平均法と言われ、定期的に一定額を購入する事で購入価格を平均化する事が出来ます。その為、運用資金が徐々に積み立てられていく事から利益の増え方も緩やかですが、株価が下落した際も大きく損失する可能性は低いと言われています。

どちらの投資方法も良し悪しはありますが、15年以上の長期運用で見ると一括投資の方が投資額も複利の効果も大きく、大きなリターンが見込まれます。
仮に成人になり新NISA口座に100万円を一括投入し、利回り5%で18歳から65歳まで47年間運用出来たとしたら、約1,000万円になり、老後不足すると言われている2,000万円の半分を用意する事が出来ます。
この事から、もし暴落し自分の資産が大幅に減少しても耐えられるメンタルがあるのなら一括投資もありではないでしょうか?一時的に暴落してもその後保有し続けられる時間があるのなら、いずれ株価は回復していきます。

いやいや自分はそんなの耐えられない!と思うのであれば積み立て投資を選んだ方が良いでしょう。とは言え、どちらを選んだとしても長い期間運用していれば下落する日はいつかは来るはずです。なのでもし資産が減ったとしても慌てずそのまま長期間保有する事が大切となってきます。


投資するなら全世界?全米?
この2つの商品はいつも比較されています。
どちらも株式での投資になりますが、全米の方がパフォーマンスは良い結果が出ています。その為人気のS&P500の商品を買っている方は多いようです。
全米に一本投資は、アメリカ経済が傾いた際に自分の資産へのダメージも大きく影響する可能性があります。

一方全世界株式はアメリカをはじめ、ヨーロッパや中国、インドなど様々な国への投資となり、全米一本投資よりリスクが低いと言われ、投資初心者にはおすすめの商品となっています。

どちらを選ぶかはその人次第で、全世界株式もアメリカ株が約60%を占めていますので、アメリカ経済の影響を受ける事には間違いありません。いずれにしてもどちらも株式投資ですので、リスクが伴います。理解した上で推しとする商品を選択するようにしましょう。また、運用もしたいけれど資産を守りたいと言う場合は、債券等を交えた商品を選択するのも良いでしょう。


2024年以降の教育資金作り
ジュニアNISAは新たに買い付けは出来ませんが、
成人になる18歳までは保有する事が出来ます。ですので、慌てて引き出さなくても使用用途がなければ成人になるまで寝かせておくのが良いとされています。
そして、このNISAを活用して子供のどの時期に合わせて教育資金を準備していくのかがポイントとなってくるのではないでしょうか?
中学受験、高校受験、大学受験、公立なのか私立なのか、文系か理系か等、子供の年齢や進路によって準備する資金は変わってきます。もしかしたら留学するかもしれません。
また投資額や、その時期に運用状況がどのようになっているかも考える必要性があります。

例1)0歳からジュニアNISAを始めていた場合、成人になる18歳まで18年間運用を続ける事になりますので、運用が順調にいっていれば大学費用に充てる選択肢が生まれます。
例2)10歳から運用を始めた場合、18歳まで8年間の運用期間しかない為、大学費用としては不足額が生まれる可能性があり、他の方法で別に資金を準備しておく必要があります。

上記2つはあくまでも例ですが、投資額や運用成績によってその都度準備出来る資金は変わって来ます。どう転んでもいいようにベースは現金で用意しておく必要はあるでしょう。

また、子供が18歳になるまで並行して親のNISA口座で子供の為に運用をしていくと言う考え方もあります。新NISAでは成長投資枠と積み立て投資枠は併用可能なので、子供の資金作りは成長投資枠で、親の老後資金等は積み立て投資枠でといったように、運用して行く事も可能です。
新NISAの運用期間は無期限な為、教育資金に限らず、一人暮らしや車の購入費用、結婚資金などを援助してあげる事も不可能ではありません。その際、年間110万円以上のお金を子供へ送金してしまうと、贈与税の対象になりかねますのでご注意下さい。


最後に
制度の改訂により自由度が増したNISA制度。資金に余力があるようであれば活用しない手はありません。ただ元金が保証されているわけではないので、教育費全てをNISAに頼ってしまうのはリスクが高過ぎます。時期がピンポイントで決まっているだけに万が一株価が下落しても余力のある資金作りが必要です。

また、ジュニアNISAを始めてから10年未満の場合も利益額が少ない可能性があるので、ベースは現金で用意しておいた方が安全です。
新NISAは生涯投資枠が1,800万円ですから家計の状況を見ながら上手に活用し、運用状況を見ながら必要に応じて必要な金額を取り崩していけたらベストではないでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。この記事が参考になれば幸いです。


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