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悪口にもセンスを

悪口ってのは相手を傷つければOKというものではない。

相手を傷つけずに負けを認めさせるようなセンスが必要なのだ。

だれかれ構わず「バカ」とか「能無し」とか言ってるヤツはセンスがない。

言われたら方もピンとこないからダメージがない。

ただただ不快になるだけ。

不毛だ。

無言の方が遥かにマシ。


悪口を言うからにはセンスを問われる。

ユーモアのない悪口に生きる価値なし。

即刻封印するべし。

昔から語り継がれる悪口というのは使い勝手もよく 効率よく相手にダメージを蓄積することができる。


古典的なのは

「おまえのかーちゃんでべそ」

が有名だな。

でべそとはヘソが飛び出している状態を指す。

この悪口の秀逸なところは「母親をけなされる」「母親の秘密を握っている」「母親の秘密を知る立場にある」ということを示している点だ。

自分のことを でべそ だと言われても特にダメージはないだろう。

母子の結びつきが今よりも強固だった昔はすごい破壊力があったと推察される。

使い所に注意されたし。


次に

「おたんこなす」

というものがある。

ナスというのは野菜の茄子だろうか。

「アホボケナスカス」にも入っているようにナスは何故が人をバカにするのに用いられる。

謎だ。

うまいのに。

あのフォルムのせいだろうか。

そして「おたんこ」とは一体。

今で言う「めたんこ(めっちゃの亜種)」の元祖だろうか。

めたんこなす。

なんか無性に腹が立つ。

一見意味のわらかん言葉でも悪意をもって解き放てば立派な悪口となるいい例だ。


最後に

「おっぺけぺー」だ。

聞き馴染みがない人も多いかもしれない。

そもそも悪口ですらないかもしれない。

でも想像してみて。

「おまえってほんっとおっぺけぺーだよな」

と真顔で言われたところを。

ほら腹立つよね。

ならばこれは立派な悪口だ。

意味不明過ぎて怒るに怒れない。

でも不快。

これがセンスだ。


直接的な言い回しではなくこういった意味不明な言葉で攻撃する。

相手は自分がダメージを受けているのかもわからないまま精神には確実にダメージが蓄積されていく。


番外編として悪口とも褒め言葉とも取れる不思議な魔法の言葉も紹介しよう。

「ばぶばぶちゃん」だ。

これは並のセンスじゃ使いこなせない。

それこそ大魔王クラスじゃないと無理。

ばぶばぶちゃん。

まったく意味不明であり どんな文脈で使うのか今の僕にはよくわからない。
それに言う方もそれなりの覚悟を要求される。
ちょっとでも恥じらいが残っていると
「なんだよばぶばぶちゃんって」とカウンターを食らう可能性が高い。

ても いつかは使いこなせるように修行しよう。


この記事を読んで ぜひとも悪口のセンスを磨いて欲しい。
相手を無闇に傷付けないセンスを手に入れろ。
しかし 願わくばそのセンスを発揮する機会がないことを期待する。

でも言わないとわからないヤツもいる。

そんなヤツはおっぺけぺーなのである。

まぁおっぺけぺーは最終奥義なので乱発はしないように。

アホだと思われるからな。

使い所が肝心だぞ。
表情は無表情が良い。
声のトーンも一定で。


さぁ練習だ。

「おまえのかーちゃんおっぺけぺーのおたんこなすだな!おまえは ばぶばぶちゃんだけどな!」


はい みんなもー。
さん はい!

「おまえのかーちゃんおっぺけぺーのおたんこなすだな!おまえは ばぶばぶちゃんだけどな!」

ふぅ。

こんなこと言われた日にゃ怒りで我を忘れてしまいそうだ。

センスある悪口も使い所に注意して用法を守ってね。


ではまた。







次回予告(ウソ)

「ぜんけい 自分の母親が でべそ かどうか調査開始」

の巻。


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