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ふたりっきり 無限UNOの恐怖

平日の休み。
それはシフト制の醍醐味。
なにしようかな。
そうワクワクしていた。

本をゆっくりと読むのもいい。
だらだらと映画を観るのも捨てがたい。
今ふりかえるとウキウキと浮かれていた。

しかし、現実はそうならなかった。

長男が発熱。
保育園はお休み。

ふたりっきりの休日が幕を開ける。


何気に久しぶりだ。
長男とふたりっきりの時間。
次男が産まれてからはこんな機会はなかったかもしれない。

悪くないじゃないか。
なにして過ごそうか。
昼食は何にしようか。

熱はあるが元気な長男。
速攻で暇をもてあます。

外には遊びにいけない旨を伝える。
LaQで遊び、無限UNOに突入する。

最近ルールのある遊びが出来るようになった4歳の長男。
その楽しさから終わることができない。
勝っても負けてもUNOが終わることはない。
休みで他に用事もないとなると尚更だ。

つ、辛い。


ふたりきりのUNOは盛り上がらない。
さ、そろそろ終わろうか」と白々しいセリフを吐く僕。

えーなんで と聞かれなんにも答えられない。
まだ午前中か。
先は長いな。
一瞬 公園にでも行くか と考えがよぎる。
しかし、あんまり楽しい思いをしてしまうと明日からも保育園を休むといいかねない。

ムムム。

退屈もせず、楽しすぎす過ごす。
ムズい。

写経でもさせようか。
渋い4歳児。
そんな空想を思い描きながら無限UNOにふける。

そしてついに 昼食を口実に無限UNOから解放される。

熱があり自覚症状はないが、体調は悪いようだ。
食欲がない。
食後に熱をはかると上がっている。
解熱剤を飲んでもらう。
上手に飲むようになったなぁとしみじみ思う。

そして「熱があるし、薬も飲んだから寝ないといけない」と根拠の薄い説をとなえるパパ。

まんまとその説を信じる長男。
いや、優しい長男はパパが無限UNOを避けていると本能で察知してくれたのかもしれない。

そしてお昼寝へ。
僕もお昼寝へ。

いや、おまえは昼寝する必要ないだろと思ったそこのあなた。

あまい。


長男が目を覚ませば、無限UNOが再開されることは火を見るより明らかだ。
ならば今のうちに体力を回復させなくては。

なにせ午前中の無限UNOでゴリゴリと体力は削られているのだから。

いつ終わるかわからない というのは人の精神に多大な負荷を与えるとか与えないとか。

しかし、体調の悪い長男はグッスリと眠っている。
しんどかったのであろう。
なのに無限UNOなんて無茶をして。


え?
しんどいのはパパだけ?
もっと一緒に楽しめって?
いや、何にでも適正回数というものがある。

映画だって連続で3本もみれば疲弊するし、読書だって何時間も連続ではできないでしょう。

UNOの適正回数は3試合だと思う。
説明書に明記すべきだ。

「やり過ぎは精神を削ります。適度に休憩を挟んでやりましょう」と書くべきだ。

そうすればパパも ほら説明書にも無限UNOはいけないって書いてあるでしょ おしまい。

と堂々と言える。

久しぶりの長男とのふたり時間について熱く語ろうとしたのに、蓋を開ければUNOへの誹謗中傷。

僕も熱があるのかも。
少しはUNOのいいところにも触れておくか。

UNOはほぼ運なので、子どもと一緒にやっても手加減するとかそういう小細工は不要。

ルールもシンプルでありながら展開が多く白熱する。(ふたりだと死にカードがでるため白熱は薄い)

トランプのようにカードが全部揃っていなくてもできる。

お値段は1,000円前後でコスパよし。

OKこれぐらい褒めれば、UNO至上主義のひとからバッシングされることもないだろう。

どんな楽しいゲームでも節度を守るべきだ。
そんな境地にふたり時間を経て到達した。

おや、まだお宅にはUNOがない?
ならば買う前に考えてみて。
自分は無限UNOに耐えられるかどうか と。
安いし自分も昔よくやったな〜と安直な考えで手にしてはいけない。

そのカードはエンドレスゲームの入口だ。

このエッセイでひとりでも無限UNOを回避できたなら、エッセイスト冥利に尽きる。

ではまた。


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