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ぽっちゃりなエッセイ

体重計が僕を騙す。
こんなに体重が増えているわけがないのに。
ここだけ重力が強い。
きっとそうだ。
敵のスタンド攻撃を受けているに違いない。

こんなバカな。
まぁ思い当たる節がないわけじゃないけれど。
たしかに食べ過ぎなところはあった。
子どもが残したものをすべて平らげていたし。
反省している。
それにしたってあんまりだ。

世の中は非情。

またダイエットをしないと。
めんどうくさい。

まぁでもダイエットの心得はある。
なんの問題もない。

しかし、しかしだ。

こんな数字に踊らされていいのか。
標準体重なんて誰が決めたんだ。
どうせ標準体型のヤツだろう?
僕がその標準に当てはまるなんて誰が決めた?

そうさそうさ。

僕の標準を決めるのは僕さ。
ベスト体重を決める権利 権限は僕にあるんだ。
そもそも人によって筋肉量も違うのだから基礎代謝も違ってくるはず。

何もかもその人によって違う。

だから標準なんて曖昧な言葉に騙されてはいけない。
ほら、痩せすぎもかえって健康に悪いと言うしね。

はっはっはっは。

なーんだ。

もっと食べてもいいんだ。

あぶねぇあぶねぇ。
痩せすぎて不健康になるところだった。



おわかりいただけただろうか。

こうやって人は奈落に沈んでいく。
自分にとって不都合な真実が目の前にあった時、都合のいい情報に飛びついてしまう。

それが間違っていると薄々気が付いていても。
だって自分に都合がいいほうが楽だもんね。
現実は辛いもんね。

しょうがない。
うんうん。
誰も悪くない。
たぶん世の中が悪い。

いーや、自分が悪いね。

諸悪の根源は自分。
太るのもそう 誤情報に踊らされるのもそう。
何もかも自分が悪い。
人のせいにしてはいけない。

こやって人は自己嫌悪に陥り また正常な判断ができなくなる。

この記事を読んだそこのあなた。

僕が情緒不安定だと思っただろう。
その通り。
でも人の思考なんてそんなもの。
意味のある思考なんてほんのちょっぴりさ。

でもこの無意味な思考があるからこそ 現実から少しのあいだ逃避することが出来る。
現実ばかり見ていても体重は減らない。

え?
現実から目を背けると余計に太る?
いいじゃないか。
世の中には 少しぐらいぽっちゃりしている人がスキ という人もいるしね。

僕は愛されるぽっちゃりさんを目指すよ。


おっと、また自分に都合のいい情報に踊らされている。


一体どうすればいいんだ。
起死回生の一手はないか。

信念を持て!


何事も信念をもって取り組めば、甘い情報に惑わされずに済む。
根性で乗り切るんだ。

よーし。
そうか。
何事も根性でなんとかなるんだな。
根性で本気をだせば明日には3㎏ぐらい痩せているかもしれないね。

自分を信じるんだ。
ほら 信じる心の炎で脂肪が燃えている。
みるみる体重が落ちていく。

うはは。

信じてみるもんだなぁ。


そんなバカなことがあってたまるか。

いかに日本が言霊の国といっても 無理なものは無理だ。

現実をみよう。

体重が増えてショックだった。


たったこれだけの事を伝える為にこんなにも無駄に脂肪の付いた文章をこさえてしまった。

このエッセイはデブだ。

文章を削ってシェイプアップすることはできる。
でもそれでは魅力が半減する。

ぽっちゃりが愛される理論を応用する。
体形はスマートでエッセイはぽっちゃりを目指す。

そうしよう。

痩せた文章 標準的な文章。

そんなモンはいらない。

ぽっちゃりが至高。

エッセイは ぽっちゃりぐらいが丁度いい。

じゃ僕はダイエットに励むのでこのへんで。

ではまた。

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