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美容室へ行くことは、危険な事?

3ヶ月に1度のペースで美容室に行く。電車に乗って行くのだがそれも楽しみの1つだったりする。髪を切った後に買い物したり、食事をしたり。

ある日もいつもと同じように駅に向かって歩いて行った。お気に入りのブーツを履き、電車に乗り、美容室に到着した。この日もいつも通りカットしてもらい、シャンプー台に案内された。

通っている美容室は、シャンプーがものすごく上手で気持ち良い。素晴らしい技術だと思う。以前通っていたところは力強く、頭皮がもぎ取られるのではないかと思うほど痛かった。

シャンプーが終わり、元の席に戻るように促される。自分が座っていた椅子のステップを見ると、土のようなものがこびりついている。「なんだろう?」その時は何かの汚れかな…と思いそのまま座り髪を乾かしてもらって、カットは完了した。

買い物を済ませ、電車に乗った。なんとなく車内が臭い気がした。早く降りたいなと思いながら、最寄りの駅に到着した。
自宅までの道のりを歩いていると…犬の糞が落ちていた。しかも誰かが踏んだ跡がある。
それをじーーーっと見つめた後、何気なく自分のブーツの裏を確認した。

ブーツの裏に犬の糞がこびりついていた。

「えっ!?」そう、踏んでいたのは私だったのだ。
朝からずっと私は、犬の糞と行動を共にしていたのだ。衝撃の事実。

ということは、美容室にも連れて行っていたわけで、美容室の椅子のステップに付いていた土のようなものは、犬の糞だったのだ。

電車で臭いなと思っていた原因も自分のブーツの裏から発せられた匂い。

一連の謎が解けて、眩暈がした…。
それに伴って、美容室の美容師さんに申し訳ない気持ちでいっぱいになった。椅子のステップを犬の糞で汚してごめんなさい。
何でいつもぼんやり歩いてしまうのだろうか。次回からは気を付けようと心に誓った。

汚れたブーツも一生懸命洗って綺麗にした。溝に入り込んだ汚れを落とすのは骨の折れる作業だった。そして、臭かった。

それから3ヶ月が経った。美容室に行く日だ。お気に入りのブーツを履いて、いつも通り駅までの道を歩いて行く。前回犬の糞を踏んだところを意識しながら…気を付けて歩いた。電車に乗り、美容室に着いた。

カットをしてもらい、シャンプーを済ませ、元の席に座るよう促される。
その時に椅子のステップに違和感を覚えた。土のようなものがこびりついているのである…。
「え…?これって…」心臓がバクバクした。でも、行くときだって気を付けて歩いたし、まさかそんなはずないよね。

会計を済ませ、美容室を出た。緊張の一瞬。
ブーツの裏を確認すると、なんということでしょう。

犬の糞がこびりついていた。

また!?美容室に3ヶ月に1回の頻度でしか行かないのにその日めがけて犬の糞を踏んでいく人って…迷惑すぎる。
あの椅子のステップも土じゃない。犬の糞だ。

あんなに気を付けて歩いたのに…大体想像はつくが、途中で気を付けられなくなり、ぼんやり歩いたのだ。私はそういう人間だった。詰めが甘い。

お気に入りのブーツはもはや呪いのブーツとなった。

美容室は出禁になるかと恐れたが、そんなことはなくあの日以降も素敵なカットとシャンプーをしてくれる。
美容師さんに心の中で謝り、意識をしっかりと保って道を歩くことを誓った。

それにしても、犬を飼うなら糞の始末をしてほしいものだ。
こうやって人が踏んで被害は拡大してしまうものなのだから…。




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