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SSIの感染予防対策

みなさんこんばんは。
どーもMittsuです。

今日は、本日行われた学会発表の内容について少しお話しさせていただきます。

内容は、手術部位感染(以下:SSI)サーベイランスの取り組みについてです。

どこの施設でも手術を実施していれば、このSSIのリスクはあります。

実にお恥ずかしいですが、職場では長年この管理にテコを入れていなかったので、現状の感染予防対策や実際にどれだけSSIがあるのかなど把握できていませんでした。

感染予防対策と言いましたが、どんな対策が有効かなのでしょうか?今回の学会発表でも改善した内容を発表しますので、少し紹介していこうと思います。

自施設でできていなかった感染予防対策と
CDCガイドラインで有効とされる感染予防対策への変更点

ひとつ目は、事前の除毛です。
自施設では手術の前日もしくは2日前に実施されていました。

➡︎剃毛は、皮膚のバリアを破綻させる可能性があるためNGです。必要な範囲のみ電動バリカンで手術直前に執刀医が実施するとされていますので、これについて改善しました。

二つ目は、術前の禁煙指導です。
以前からポスターの掲示で禁煙について周知していましたが、患者への直接的な指導はありませんでした。

➡︎喫煙は、手術創部の傷の治癒過程に必要なコラーゲンの生成に影響するとされています。そのため3週間前から禁煙することが有効とされていますが、実は短時間でも有効とされています。施設によっては術前診察から手術までの期間が短い場合もあると思いますので、実践する意義はあります。

三つ目は、消毒薬についてです。
消毒薬はポピドンヨードを使用していましたが、よりエビデンスの高いアルコールベースの消毒薬への変更を提案しました。

➡︎手術範囲の皮膚の消毒は、アルコールベース(クロルヘキシジングルコン酸)を使用することが有効とされています。しかし、電メスによる引火を懸念する声もあるため、変更ができていない施設も多いと聞きます。
従来のポピドンヨードでも中心から外に向かって円を描くように広範囲に実施することや消毒薬は皮膚との接触時間を保つことができていれば、ポピドンヨードでも問題ありません。
消毒は、十分に乾燥してから執刀することが重要ですので、その点の指導も必要です。

四つ目は、清潔・不潔操作時が交差する場面での手袋の交換や手指消毒についてです。

➡︎こちらは標準予防策の観点から原則的に実践されていなければならない手技ですが、改めて研修をして清潔・不潔操作時の手指衛生の必要性を指導しました。
意外にできていない手指衛生と手袋の交換についてですので、ここが一番重要かと思っています!

以上、SSIに関する感染予防対策について学会発表した内容を共有させていただきました。
是非これをご覧になった方の施設でも、実際にどのような対策をしているのかなど確認してみてください。

それでは、おやすMittsu💤

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