見出し画像

ゆっくり長々と結核のお話⑤

みなさんこんばんは。
昨日もソフトクリーム🍦今日もソフトクリーム🍦
どーもMittsuです。

今日は結核の診断にはかかせない検査について、お話します。

それでは検査について、一つずつ見ていきましょう。

●喀痰塗抹検査
喀痰をチール・ニールセン法蛍光染色法などで抗酸性染色を行います。

染色した検体は、直接塗抹顕微鏡検査で顕微鏡下に見える抗酸菌の菌数を確認にします。(ガフキー号数)

ガフキー号数:感染危険度指数であり、以下の区分がされ、接触者検診の対象選定や検診方法を決定する目安となる。

・結核菌の鑑別:結核か非結核性抗酸菌の鑑別ができない。
・検査時間:1時間程度で迅速に結果が判明する。
・生菌、死菌の区別:区別できない。
・検査の感度(信頼性):PCRや培養検査に劣る。
・塗抹検査陽性を意味すること:排菌量が多いと推定されるため、感染性が高い。

●核酸増幅検査(PCR法:polymerase Chain Reaction)
核酸増幅による検査で菌種の鑑別が可能である。ごく微量のDNAがあれば遺伝子を解析できる

・結核菌の鑑別:結核菌群と非結核性抗酸菌の鑑別が可能
・検査時間:以前は1日~2日程度要したが、現在では1時間程度で結果判定できる
・生菌、死菌の区別:区別できない。(死菌でも存在すれば陽性となる。)
・検査の感度(信頼性):塗抹検査より高いが、培養検査に劣る
・PCR陽性が意味すること:結核菌群の種類を断定できるが、死菌を陽性と判定する可能性もある。

●喀痰培養検査(固定斜面培地:小川培地)
検出された菌の活動性を判断することや治療による結核菌の増殖能を失ったかどうかを判断できる。

・結核菌の鑑別:区別できない。
・検査時間:陽性結果判定に4週間、陰性結果判定に8週間を要する。(結核菌自体が遅発性の細菌であるため)
・生菌・死菌の区別:区別できる。
・検査の感度(信頼度):塗抹検査・PCRより高い
・培養結果陽性が意味すること:結核菌が生菌であることがわかるが、結果判定に時間を要する。

と3つの検査方法について紹介しましたが、検査を一つやれば判定できるということではないので、この三つの検査を併用して判定することが重要です。

他にも、IGRA検査、ツ反などもあるためそちらについてもご説明します。

●インターフェロン-γ遊離試験(Interferon-gamma release assay:IGRA)
俗に言うイグラ検査というもので、BCG接種の影響を受けずに結核感染の有無を検査できます。
結核菌に特異的な蛋白を患者の血液に加えて培養する体外検査法で、抗原刺激によって感作白血球が産生するINF-γを定量する検査法。
また、検査方法が二種類あり、QFT・T-SPOTの二つの方法があります。

・結核菌の鑑別:区別できる【BCG株や非結核性抗酸菌(MAC症候群)にはINF-γは存在しないため】※一部の非結核性抗酸菌であるM.KansasiiにはINF-γ存在するため陽性となる。
・検査時間:QFTは24時間以内に結果判定できる。T-SPOTは1週間から10日。
・生菌・死菌の区別:既感染なのか、現在感染しているかどうか区別できない
・検査の感度(信頼度):QFT  :感度89.0%、特異度98.1% 
T-SPOT:感度97.5%、特異度99.1%
・検査結果陽性が意味すること:結核または、M.Kansasiiの感染が考えられるが、現在感染しているか既感染かがわからない。

●ツベルクリン反応(ツ反)
結核菌感染に対する細胞性免疫を見る検査です。精製ツベルクリン液を皮内注射48時間後に判定(発赤径9mm以下(-)10mm以上(+))を行う検査

・結核菌の鑑別:ツ反は過去の結核感染歴のほか、BCG接種歴や非結核性抗酸菌感染症の影響を受けるため、鑑別が困難
・検査時間:結果判定は、48時間後
・生菌・死菌の区別:区別できない
・検査の感度(信頼度):特異度が低く、偽陽性が多い。結核に感染してから2週間以上経過している場合も反応する。

以上、結核の検査についてご説明しました。
少し長くなりましたが、最後まで見ていただきありがとうございました。
それでは、おやすMittsu💤

よろしければサポートお願いします!頂いたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!