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手術創部の感染は0にはならない💦

みなさんこんばんは。
ナポリタンスパゲッティ🍝食べて口の周りが⭕️なってます。
どーもMittsuです。

昨日は、手術部位関連感染(SSI)についての対策を話しましたが、引き続きSSIについての話題を少しお話しします。
昨日のnoteについてもリンクを貼っておきますので、↓からご購読ください!

昨日は、予防対策についてでしたが、手術後に発生した感染についてもう少し深掘りしていきます。

ほとんど手術では、メス刃により強制的に皮膚から必要な部位まで切開を行うため、少なからず侵襲が加わります。
人間は傷などがあれば、それを直そうとする修復作用があるため、健康な私たちではほとんどが治癒に向かう経過をたどります。

しかし、手術による負荷は、かすり傷や切り傷などに比べて侵襲が大きいため、修復するために要する時間もかかります。

さらに、基礎疾患や高齢、肥満なども傷の修復に影響をきたします。

これらのことから、手術をして感染を起こすリスクは患者因子と手術自体の因子があるとされており、それぞれのリスク因子を踏まえた予防的な対策は昨日お話しした内容なってきます。

ただし、手術は実施した事実がリスクですので、患者の背景や手術のリスクを踏まえて事前にの対策が必要となります。主なリスク因子は以下をご参照ください。

患者の因子では、年齢、栄養状態、糖尿病、喫煙、肥満など

手術の因子は、手洗い、皮膚の消毒、術前の除毛、手術時間、手術手技など

先ほども話しましたが、手術をすることがリスクですので、
いくら予防を行なっても発生する確率は0にはなりません。
でもできることなら感染が起こらないように準備して、順調な経過で回復を目指したいわけですので、予防は重要となります。

では、予防をしても発生した場合にはどうしましょうか?
次に同じようなことが起こらないような対策が必要です。
何が原因であったのかを評価して、新たな対策を講じることが重要ですので、
医療機関ではサーベイランスという、監視によるデータ収集とその結果から感染状況を把握しています。

感染が起こった症例にはどんな特徴があったのか?
それは、患者要因だったのから?それとも手術要因だったのか?
などこのサーベイランスによる評価によって原因追及し、その後の感染を抑えていくことが重要になります。

このサーベイランスでは、まず手術件数における感染の件数から感染率を出したり、手術前の患者の重症度や健康状態などからリスクを0〜3までの4段階に分けてから感染率を算出する方法などで、現状の状況を把握します。

一般的な感染率の算出の計算式はこちら

感染率 = 感染した件数  同じ術式の手術件数 ✖️100

手術は、術式によっても難易度も変化するため、必ず同じ手術で実施することも重要です。
他にもリスク分けした感染率が全国のデータと比較する方法もありますが、今日はここまでとします。

最後に感染した創部の深さの話です。
創部の深さも異なるため、このサーベイランスの判定では、感染した創部を3つの分類に分けます。

①表皮〜皮下組織          →  表層切開創SSI

②深部軟部組織(筋肉まで達する)  →  深部切開部SSI

③臓器/体腔            →  臓器/体腔SSI

とされています。(図も添付するので参考にしてください。)

そうの深さの違いがありますが、深いほど難治性であり、手術後の感染処置には多大なる時間と労力、入院期間を要するため患者の肉体的苦痛のほかに精神的苦痛も発生します。

ですので、これらのリスクを考慮した予防策を徹底し、発生した場合には、何が原因かを追求して、その後の感染が起こらない対策を常に実践していくことが重要となります。

少し長くなりましたが、手術部位関連感染(SSI)については、ここまでとさせていただきます。
それでは、おやすMittsu💤

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