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紙漉き体験と、「名塩和紙」(エッセイ)

来週は、海の日ですね。ようやく、梅雨明けも間近となりました。 今日は、学芸員の資格取得の、授業で参加した、
「紙漉き」体験と、和紙について
書こうと思います。

ちょうど、今頃の7月の七夕の頃に、私は、関西の山の手にある、
紙漉き工房に、学芸員の実習で参加しました。
紙漉きは、基本的に夏は休みで、
冬がメインの作業だそうです。
(工房が、お休みの時に、一般の人向けに紙漉き体験を開放している)

紙漉きの先生の、ご自宅の横に、
広い作業場がありました。
木造で、昔の小屋?みたいなところで、まず、紙漉きの舟(木造の泥水が入った大きい箱で、小さいお風呂くらいの、大きさ)に、
すげた(すく道具)を立てて入れ、
横にして、出してから、水が
落ちるのを、待ちます。

これが、基本的な紙漉きの工程の、一部です。

和紙は、越前和紙などが有名ですが、「名塩和紙」は、昔、越前
(福井県)から東山弥右衛門という人が、名塩に和紙の技術を持ち帰り、「名塩和紙」を発明したとのこと。

和紙の原料は、主に「雁皮」、「楮(こうぞ)」、「三なか(みつなか)」などがあります。「名塩和紙」は、雁皮紙で、泥が入っています。
泥(土)を入れると、火や虫に強いそうで、全国で一つだけ、とのこと。 もちろん、泥が入らないものもあり、楮が一番よく、全国で、
使われているそうです。

雁皮は、ジンチョウゲ科の、落葉低木で、紙漉きに使う水も、
自然の水(山からの水)を使うのが、
大切だそうで、水道水は、使用できないとのこと。(原料に、自然のものを使うから)

紙漉きは、基本的に気温、水温が上がる季節には、上質なものが、
できないので、冬に作業するそうです。(温度が、大切)

雁皮紙の手順を、簡単に記します。
1、雁皮の黒皮をはぐ
2、釜で、雁皮を炊く。
(繊維を柔らかくする、6時間)
3、水で洗って、アクをのぞく
4、チリをとる。(根気がいる作業)
5、叩き棒で、たたく
6、名塩で、取れた土(泥)を入れる。
7、ネリを作る。
8、原料を入れた、箱(舟)で、
紙漉きをする。
9、最後に、水が出なくなると、
紙を天日乾燥する。(1ヶ月かかる)

ネリとは、にがりを原料にいれたものです。泥を、均一に広げる役割をします。

また、雁皮も自然に栽培ができないので、自然のもの(山)から、
とってくるそうです。

「名塩和紙」は、非常に貴重なもので、手間もかかり、製作者の先生は、国から「人間国宝」に認定されて、昭和天皇の時代に、
皇居に出向かれ、直接に、天皇陛下から、賞状を受けとった写真が、ご自宅のお座敷に飾られていました。

「名塩和紙」は、お寺などの、
国宝級の襖絵や屏風などに、使われているそうです。奈良の東大寺にも、350枚を依頼されて、
送ったとのこと、でした。

私が紙漉き工房に行った日は、梅雨の晴れ間で、真夏の暑さで、
小屋は、蔭になってるとはいえ、
暑くて、紙をすく「すげた」が見た目よりも、重くて、また泥水?だから、水も重さを感じて、
ただ、舟に「すげた」を入れて、出すだけなのに、むずかしかった❗思い出があります。

学芸員の実習生は、皆、社会人で男女10人くらいでしたが、順番に
一人ずつ、紙漉きをさせてもらいました。
紙漉きの先生の、息子さんが助手として、そばで丁寧に教えて頂き、ありがたかったです。
息子さんは、普通の会社員でしたが、お父様が「人間国宝」として、表彰されて、紙漉きの職人になろうと、決意されて、会社員を退職されたとのこと。
表彰されるまで、お父様の仕事の、凄さがわからなかった❗️そうです。
「大変な仕事だから、継がせたいとは、思ってなかった」と、紙漉きの先生も、お話されていました。

このNoteも、パソコンやスマホなどで、書かれていると思います。
電子書籍もすごく、増えて、
紙の本を抜く勢いです。

しかし、私は、やはり、紙の本が好きです。それと、私は、生まれた家が、木造の日本家屋でした。
縁側や、畳、障子、床の間、欄間などがある家で、育ちました。だから、木の温もりや、自然のものが、とても好きで、ホッとします。今は、マンションですが、
窓の外には、木がすぐに見える部屋です。

日本の、お寺や神社などは、大抵が木造の建物だと、思います。
伊勢神宮などは、式年遷宮がありますね。(建て替え)
日本の、純度100%の和紙は、
実は、意外と強くて、丈夫です。
和紙は、仏像や着物にも、使われるとのこと。

身近なところで、千代紙や、包装紙なども、カラフルで楽しいです。一番は、やはり、ポストカード(葉書)でしょうか。

紙漉きの実習で、私がすいた紙が、後日、大学の方に届いて、授業中に先生から、受け取りました。薄い水色の、つるつるしてるけど、ざらっとした感じもある、和紙にしては、少し厚い紙。

当時、母に一枚渡すと、私のすいた紙で、嬉しそうに、早速、親戚にハガキとして、出しました。

日本には、いろんな文化があると思いますが、「和紙」は、
とても身近で、大切な文化の一つだなあ、と強く思います。

たかが紙、されど紙だなあ、と。

紙漉きの作業は、ほとんどが、
手作業でした。道具も、木造のものばかり、でした。
(江戸時代から、変わってないかもしれません)

日本で多く使われている、パルプ紙は、機械で生産されています。紙は、もとは、植物が最初です。

日本は、植物と縁が深いと感じています。私は、今年の夏も、暑中見舞いのハガキを書こうと、
思います。

大切なことばや、ホッとする、
メッセージが届くように、私は、
これからも「紙」と、友だちで
いようと。


最後に、私が「夏の海」と言えば、一番好きな、励まされる歌を。

解散した、彼らの再結成🎵が
今年の夏に発表❗されました。
(彼らの地元、神奈川県の、
逗子の海岸も、見に行きました。)




愛 、自由 、希望
胸に そっと 懐かせて
この世に 君は 生まれてきた

生きる意味 探す旅を
日々 君 続けるよ
命 運ぶ方へ 進め この LIFE


泣きたくて 笑いたくて
ホントの自分 
我慢して 伝わらなくて
言いたいこと 云えないけど
ここに いるよ

君は 君のために 生きていくの

生きていくの
(キマグレン🎵LIFE)

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