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【読後感】さみしい夜にはペンを持て|古賀史健

「さみしい夜にはペンを持て」を読んだ。

 本の中のイラストが可愛く、話も対話形式・物語形式でとても読みやすかった。読書が苦手な人とか、日記が三日坊主で続かない人とか、色んな人に読んでみて欲しいので、あらすじは省略させていただく。

読後感

 本を読んだ後、今まで私が書いてきた日記について振り返った。
 今まで書いてきたものは、誰が読んでも大丈夫なように保険をかけた書き方のものが多かった。それは倫理的にというか、世間の目を気にしてというか、良い子であろうとするような書き方。
 友達と遊んだら「また行きたい」と言うのが良い子。家族のことを大切にする、感謝を忘れない、悪く言わないのが良い子。彼氏がいる子に対して嫉妬するのは良い子じゃない。1人を楽しめるのが良い子。
 誰に教えられた訳でもない、社会の暗黙の倫理観(だと私が思っているもの)に囚われて日記を書いてきた気がする。しかもそれが無意識だったのがめちゃくちゃ怖い。

 本当に自分と対話できていたかな。ただその日の出来事を、良い子の仮面をかぶって記録していただけになっていないかな。
 それでもやっぱり文字に起こそうとすると、人の目や意見を気にしてしまう。自分の言葉が誰かを不快にさせていないか気にしてしまう。
 YouTubeのコメント欄とか書きたいことがあるのに、誰かを傷つけるかもと思って書けない。その慎重さはネット社会で本当に大切だし、ネットを利用する全員が初期装備として持っておいてほしいもの。
 
 でも、自分の本当の思いはどうなるの?誰が聞いてくれるの?
 相手が自分しかいない日記のなかでくらい、性悪な自分をさらけ出してもいいんじゃない?
 
 そう思えた作品でした。

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