お盆の心因反応について考えてみる
今回はお盆に関して、個人的に感じていることを書いてみたい思います。
お盆になると体調がすぐれない
季節と精神症状との関連は幾つか知られていますが(冬季うつ病、低気圧/台風などの影響)、
実際に不調を訴える方が多いなと実感するのは、
お盆の時期が一番かもしれません。
ただお盆は、地域や家庭によって捉え方が様々ですから、かなり影響を受けやすい人/地域と、
そうでない人/地域と、個人差/地域差が大きいかもしれません。
つい先日来院された方、
表情をこわばらせ、いつもより目を据わらせ、
「この時期はいつもそう、お盆過ぎたら大丈夫」
と体を震わせながら仰る方、
息を切らしながら「苦しいんです!入院させてください!」と叫ぶ方、
この時期になると切迫した様子で不調を訴える方が確かにいるのです。
「お盆の不調」の生体メカニズム
「お盆の時期に調子が悪くなる」原因は何なのでしょうか?
お盆の不調の原因を追求するならば、何か外部の
環境・ストレスに反応して心身に不調が起きていると考えられます(心因反応と言います)。
例えば、親族で集まるストレス、お盆の準備による疲労やストレス、といった実際の出来事に反応して不調を来たします。
また、お盆の時期になると想起してしまうような(不快な過去の)記憶や出来事、過去の感情や記憶が誘因となって不調をきたすこともありそうです。
こういった心因反応は、外部環境(ストレス)と個人の(ストレスへの)脆弱性が合わさって起こると言われています。
ストレスによって脳内の神経ネットワークで何らかの(生理学的)機序が働く、脳内のメカニズムによって起こる、
こういった考え方は、心や精神は脳の所産であるとする唯物論的な考え方と言えます。
「お盆の不調」は超自然的なモノなのか
私たち精神科医は、お盆の不調を心因反応つまりは生体メカニズムとして捉えたがります。
そこには、詳しい機序は分からなくとも、脳科学の範疇で症状を把握しておきたいという思い(エゴ?)が少なからずあります。
お盆の不調を、統合失調症やASDの感覚過敏、解離性障害や適応障害といった「疾患の枠内」で捉えたがるふしもあるかもしれません
一方でお盆の時期に調子を崩す方を見ていると、
脳科学では説明がつかない、人知を超えた超自然的なモノが存在する、とも思えてきます。
霊媒体質と言われる、元々家系的に霊感が強い血筋であったり、地域によってはそういう人たちが崇められていたりします。
冒頭でご紹介した彼女、突然フリーズして言葉が出なくなったり、ある日突然地元で有名な自殺の名所に引っ越そうとしたり、何かと引き寄せられたり憑依したりする体質の方です。
今年のお盆は、少しそう言った事も感じながら過ごしてみたいと思っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
みなさまも良いお盆休みをお過ごしください。
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