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季節外れと思いきや


背伸びして撮ったのでブレてしまった。

写真の真ん中あたり、木の幹にセミの抜け殻がくっついているのがお分かりいただけるだろうか。

通勤途中に小規模な雑木林がある。
今の時期はウグイスが鳴いていたり、新緑がきれいだったりで、木々を眺めながら歩いている。

つい数日前のこと。
とある木に目をやると、高さ2m以上はあっただろうか、幹にセミの抜け殻がくっついているのを発見した。

今の時期にセミ??
今は4月。間違えて出てきた?
いや、それにしても早すぎる。
まさか昨年の抜け殻がまだ残っているわけではないだろう。


早速調べてみると、どうやら「ハルゼミ」のようだ。
この時期に羽化するセミがいるとは全然知らなかった。

アカマツ林に生息しているそうだが、抜け殻があったのは広葉樹。
でも近くを見渡してみるとアカマツと思われる木もある。

ハルゼミの名の通り、4月末から6月にかけて、他のセミたちに先駆けて羽化するそうだ(沖縄にはもっと早く羽化するセミがいるようだ)。

合唱性のあるセミだそうで、仲間の鳴き声や、車の音にも反応して合唱を始めるらしい。

↓鳴き声が聞けますが、音が大きいので注意してください!

ハルゼミの食べるものはマツ科の樹液だ。
近年は開発や松枯れによるアカマツ林の減少により生息地が少なくなり、ハルゼミの個体数は減少しているそうだ。

ハルゼミは多くの自治体で準絶滅危惧種や絶滅危惧種に指定されている。

試しに東京都のレッドデータブックを見てみた。2023年版。すごい数の動植物が登録されている。


私の住む県でも準絶滅危惧1型とされており、マツ林という特異的な環境に生息するため、「種本来の特性として脆弱な要素を持つ種」となっている。


私が見た抜け殻の主は本当にハルゼミだったのだろうか。
本格的なアカマツ林にでも行かないといないだろうし、マツ林などほとんどない市街地ではほぼいないセミだろう。

でも時期といい、抜け殻のあった高さ(ハルゼミは地上から2m以上のところで羽化するらしい)といい、小さめの抜け殻といい、ハルゼミとしか思えなかった。

過去にあの雑木林に偶然やってきたハルゼミが産卵したのだろうか。


体も小さく、高い所を好み、仲間が鳴かないとなかなか鳴かないセミだそう。見つけるのは難しそうだ。


これからの時期、近くを通る時は耳を澄ましてみようと思う。



今日は、抜け殻のあった木の近くの木にカタツムリがいた。
久しぶりに見たので、思わず写真を撮ってしまった。

右巻き。




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